流転の海 第2部 地の星 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (494ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101307510

感想・レビュー・書評

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  • 松坂熊吾が愛媛の郷里に引き上げてからの話。やっぱりこのおじさん、田舎へ引きこもってもただではいない。
    彼をめぐる人々の人間模様、様々な事件。
    伊佐男という人間も最後まで憎めなかった。本当に嫌なやつは出てこないと思った。

  • 戦後間もない田舎での話に展開してゆき、退屈するかと思いきや、
    けっこう夢中になって一気に読んだ。

  • 熊吾の故郷南宇和に舞台を移し、田舎の風土因習のなかでの人間関係や愛憎、家族の繋がり、血脈がもたらす運命など読み応え満載。宮本輝すごい。

  • 2巻も1巻に引けを取らず面白かったです!
    エネルギッシュ、骨太、なんと表現したらいいのか・・・とにかくとても深く、強い作品です。
    表現力も豊かでね、
    牛殺しのシーンは、夢にも出そうなくらいインパクトが強かった・・・
    読みながら怖すぎて手が震えました。

    人間は50歳を過ぎても日々成長です!DVの熊吾も少しづつまるくなりました。。

    すごくいい本だったけど、子供がいない夫婦についての音吉との会話には私、ちょっと傷つきました。

  • 読み終わった本は、貰ってくれる人に上げているが
    このシリーズは残している…。

    次作との間隔が長く待ち遠しいが、時々読み返したり…。

  • 宮本輝。大河長編第2話。松坂熊吾が故郷に引きこもり、息子の伸仁を育てる期間を描く。田舎にいながら大人物の周りには様々な人間ドラマが渦巻き、やがて彼は大阪へと舞い戻る決意を抱くに至る。不思議な魅力を放つ主人公の生き様が力強く描かれており、次作へと誘う作者の圧倒的筆致に魅せられます。

  • 舞台は大阪から熊吾の実家のある愛媛へ。宇和島とか宿毛とか馴染みのある地名や言葉が出てきて、日常の言葉に影響が出てしまった(汗) 田舎の日差しの分、ストーリーに明るさが感じられた。

  • 流転の海第二部で、妻子のために郷里に戻った松坂熊吾を中心とした物語。しかし、よくもまあつぎから次への問題が発生する。それも男女間が中心。現代ではあまり思い当たらないような気もするが、それは私がみえていないだけで同じようなことが繰り返されているのかもしれない。しかし、熊吾の情に通じている人への温かさと息子に対する愛情はとても共感できる。

  • 熊吾の人間の幅の広がりを感じた。第一部の「流転の海」では実業家の熊吾の人情味を感じることはできたが、癇癪を起こしては奥さん暴力を振るう。そうでしかバランスをとれない熊吾の弱さを見たが「地の星」ではたとえ暴力をふるってしまってもそれを反省し、時に奥さんに愛の言葉を投げ掛けてみる。人の意見にも耳を傾けてみる。息子を授かったことによって、熊吾の変化を感じた。第三部も楽しみだ。

  • 「地の星」(流転の海・第二部) 僕はこのシリーズの中でこの本がいちばん好きです。戦後の混乱期、大阪で事業を成功させた主人公・熊吾が、50才を過ぎて産まれて子供と妻の健康の為に事業をたたみ、愛媛の田舎で暮らす、そしてまた故郷を棄て大阪に越す直前までの話。シリーズの中のいわばスローライフ的章。僕達が、文明というモノを単純に肯定し続けていいのかと問いを突きつけられている正に今、読むに相応しい話だと思います。下手な自己啓発本より、遙かに人生の教訓に溢れている小説。今回、心に残った言葉は「なにがどうなろうと、たいしたことはあらせんのじゃ」「草の根を食うてでも頑張にゃいけん」

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著者プロフィール

1947年兵庫生まれ。追手門学院大学文学部卒。「泥の河」で第13回太宰治賞を受賞し、デビュー。「蛍川」で第78回芥川龍之介賞、「優俊」で吉川英治文学賞を、歴代最年少で受賞する。以後「花の降る午後」「草原の椅子」など、数々の作品を執筆する傍ら、芥川賞の選考委員も務める。2000年には紫綬勲章を受章。

「2018年 『螢川』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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