- Amazon.co.jp ・本 (494ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101307510
感想・レビュー・書評
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一巻とは打って変わって背景も時代も異なり、そこもまた魅力なんだけど、主人公が経験を積んでどんどん変わっていくのを見るのも楽しい。倫理的にとても考えさせられた一冊でした。
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愛媛県南宇和が舞台。
近所なので、景色が目に浮かぶよう。
病弱な妻と子供のために田舎へ戻ってきたのだけれど、自然の中でのびのび過ごすのは良かったようだ。
熊吾は、子供の頃から豪快な男だったよう。人はそう大きく変わるものではないということか。
こんな豪快な男は田舎ぐらしでは刺激が少ないかも。 -
読まないまま社会人になってしまった、宮本輝。面白い。熊吾の人間味溢れる魅力にはぐいぐい引き込まれた。書き方が上手いので、買い置きした3部まであっという間に読んでしまった。
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読了。
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第2部は熊吾の故郷、南宇和が舞台。
固有名詞がすべて分かる不思議さよ。
うちの前の道を牛のアカが通っていったのかも!?
しかし驚いたことに、熊吾が故郷に抱いた閉塞感は
戦後の当時も現在も変わっちゃいません。 -
5月23日~6月1日
五十歳で初めて子を授かった松坂熊吾は、病弱な妻子の健康を思って、事業の志半ばで郷里に引きこもった。再度の大阪での旗揚げを期しつつも、愛媛県南宇和の伸びやかな自然の恵みのなかで、わが子の生長を見まもる。だが、一人の男の出現が、熊吾一家の静かな暮らしを脅かす…。熊吾と男との因縁の対決を軸に、父祖の地のもたらす血の騒ぎ、人間の縁の不思議を悠揚たる筆致で綴る。 -
熊吾の器の大きさに心打たれた。
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シリーズ第二作目。
舞台は一転、熊吾の郷里である愛媛県の南伊予郡へ。
都会で存分に手腕を揮っていた熊吾が、息子の健康の為におそらく自身にとっては限りなく退屈な、田舎での暮らしを選択する。
物語は、幼い頃の熊吾を知る地元ならではの登場人物達が多く登場し、都会とはまた違った田舎ならではの血なまぐさい事件も起こる。
そしてクライマックス。
衝撃的な場面であるはずなのに、何故か郷愁を感じる。
懐かしくて切ない、幼き日の思い出。
故郷の空を眺めながら幼馴染の最期を知った熊吾は、再び街へ戻ろうと思う。 -
流転の海の続編。
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あらぶる牛をしとめるシーンは迫力あり。伊佐男が自決する前の熊吾とやりとりのシーンは妙にしっとりしていた。最後の菜の花畑のシーンは第三部の人であふれる大阪の地を象徴しているのかな。