君たちに明日はない (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (436ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101329710

感想・レビュー・書評

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  • リストラを請負う会社の人とリストラされそうな人やその周辺の人達の話。
    内容は重たいものの、読みやすい文章でわかりやすい。
    このような面接になったら嫌だと思う。
    終わり方がもう少し良かったらと思う。

  • リストラ請負業という変わった職業の主人公。暗さがなく、おしゃれで弁が立つ、いかにも女性に好まれそうなタイプ。彼と面接者が織りなすドラマの短編が5つ連作で続く。「ワイルド・ソウル」とは全く異なった展開で面食らった。よくこういうのを小説にしようと思いついたと感心。2020.3.14

  • 軽くスイスイ読める。
    NHKが坂口憲二を抜擢したのはセンス○

  • 就活中にハマってこのシリーズを一気読みしたな
    就活中に首切りの話なんて、、、って思ったけど、自分の中でいろんなことが消化できた
    フィクションだけど、いろんな働き方があるんだなって思えた
    人は出会う時に最良の人、モノ、出来事と出会う、苦しいけど、そうなのかな

  • 20150414再読

  • This is a book you should read when thinking about your second career.

  • シリーズ4。再読本。懐かしくて図書館で手に取ったら眼が離せなくなり、結局、再読。個人的には「永遠のディーバ」が秀逸。お仕事小説としては№1だと思う。来春就職する息子に読ませたい。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    「私はもう用済みってことですか!?」リストラ請負会社に勤める村上真介の仕事はクビ切り面接官。どんなに恨まれ、なじられ、泣かれても、なぜかこの仕事にはやりがいを感じている。建材メーカーの課長代理、陽子の面接を担当した真介は、気の強い八つ年上の彼女に好意をおぼえるのだが…。恋に仕事に奮闘するすべての社会人に捧げる、勇気沸きたつ人間ドラマ。山本周五郎賞受賞作。

  • 『この経済小説がおもしろい!』という本で紹介されていたので読んでみた。
    真面目な仕事の話ばかりではなく、エッチな描写も何度かあった。

  •  今年の長者番付でサラリーマンがトップを獲った話題に関してTVでかまびすしい。年間所得が百億円と、半端ではない数字ゆえに、メディアの取り扱いに対する熱心さも、国民のおそらく平均感情よりはるかに、際立っているみたいだ。

     当たり前のことをやっていては決して獲得できない所得を、人並みではない方法により、目の付け所を変えて稼ぐ以外に、サラリーマンがのし上がる可能性は、あまりないだろう。だから、百億円の所得を得るというところに関心があって当たり前だというのが、TV側の言い分なんだろう。

     しかし、それ以前にノースーツ姿のホリエモンが、ああしたオタッキーでもてない男との典型みたいな坊ちゃん面を曝け出しながら、野球球団やメディア会社の買収に乗り出すなど(どちらも成功していませんから!)、今の経済界はなんでもあり、という風潮が日本人の中にある程度の嫌悪感や好奇心、驚きとともに浸透し始めている。

     当たり前ではないことをやって、社会にそれを認知してもらえなければ、給与などはどこからも入ってこない。

     本書は、リストラのアウトソーシングを請け負う会社に勤める主人公が、さまざまな事情により会社から不要の烙印を押されつつある人間たちと丁々発止を繰り広げる話であり、長編でありながら、どこか連作短編小説集のようにも見える、例のスタイルだ。

     ただしそれを書いたのが、あの垣根涼介。企業などとはおよそ縁遠い個の経済にこだわってきた作者だからこそ、企業からスポイルアウトされゆく人間たちを、数字の論理と相反するようなそれぞれの事情と、アナログな情緒的部分への思慮により、これでもかというばかりの緊張感で描いている。

     人間が、生産ラインの一つの製品であるみたいに、ある部分でより分けられ、選別されることの残酷さをよくわきまえてこそ、書ける小説であり、時代を反映した、行き場のない社会の袋小路に立たされたような、緊張感が全編にみなぎっている。

     軽く乾いた描写の裏側に、溢れるほどの人間賛歌をこめるこの小説は、思えば、垣根と言う作家の原点を、これまで以上により明確に匂わせている。ストーリーのどこかに、人生の分岐点を設け、ある種の頑固で明晰な助言を表現する作者の切り口。批判であり、選択であり、独歩であるそれら、アンチテーゼな何か。

     反骨がなせる現代の仕組みへの挑戦、というこの作家特有のテーマを、主人公は悩みつつも、ドライに、割り切り、若さを前面に押し出しつつ、打開する。

     今までのクライム・ノヴェル的方向とは、かなり違ったわれわれの日常側世界で、クライムの主人公を活き活きと横行させる、作者の新しい試みがここにある。

     読み終わって数日後、何と、この作品は本年度の山本周五郎を受賞したとのお知らせ。『ワイルド・ソウル』(日本推理作家協会賞受賞作品)とは、別の意味での、新たな世界を切り開いた、そのヴァイタリティだけは、この作者、やはり只者ではないのである。

    (2005/05/22)

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著者プロフィール

1966年長崎県生まれ。筑波大学卒業。2000年『午前三時のルースター』でサントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞。04年『ワイルド・ソウル』で、大藪春彦賞、吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞の史上初となる3冠受賞。その後も05年『君たちに明日はない』で山本周五郎賞、16年『室町無頼』で「本屋が選ぶ時代小説大賞」を受賞。その他の著書に『ヒート アイランド』『ギャングスター・レッスン』『サウダージ』『クレイジーヘヴン』『ゆりかごで眠れ』『真夏の島に咲く花は』『光秀の定理』などがある。

「2020年 『信長の原理 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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