ホリー・ガーデン (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101339146

感想・レビュー・書評

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  • すごく単調で淡々としていて、いつもさらっと読めてしまう江国さんなのに、今回はなんだか少し忍耐と格闘する感じになってしまった。

    それでいてなんだけど、不倫という恋愛と割り切りの形だったり、誰かを自分の人生にやがて再度受け入れることだったり、昔の恋人とのかかわりあい方だったり、女性のいろんなステージをちゃんと描いていると思う。

    あまりにも日常に近づいているがゆえに、逆に物語性がなく感じられたのかもしれない。

  • 最初に読んだときはあまり・・・と思っていたこの不思議な世界観が、再読で好きだと思うようになった。なんだかフワフワしている。

  • 江國さんの作品にしては、好きになれない
    登場人物の誰にも魅力を感じないからか?
    他の女性恋愛小説家が書くような設定がダメなのか?
    日常の描写に好感の持てる奇妙さがないからか?

    これといった山場がないのは毎度のことだけど、だからこそ日常の雰囲気を味わいたい
    なのに、そこに良さがあまり感じられないので残念

    視点がころころ変わるのもかえって逆効果になっている気がする

  •  再読。

  • 女の子の友達あるある

  • 悪くはないんですけれども、よくもないというか…あんまし印象に残らない話でしたね。著者自身がそのような物語を書きたかったみたいだから、まあ、いいんですけれども…丸々一冊、特に意味のないエピソードが散りばめられていました! って感じですかね…。

    ヽ(・ω・)/ズコー

    まあ、元々江國氏の作品ってあんまし筋がない話が多かったんですけれども、今作は長編なのでして、長編で筋のない話を延々とやられると少々退屈するな、とは思いました。

    なんか健気なまでに主人公の女子を追いかけるメンズがご登場されましたけれども、なんというか、読み手の僕までもが健気すぎ! ってか馬鹿?? と思うほど、主人公の女子にまとわりついてて少々哀れ…相手にされてないのに…と思いましたけれども、当人が幸せそうなのでまあ、いいかな、と思いました。 ってこれどんな感想じゃ?? 社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • 綺麗な話。読んだあとすごく心が洗われた感じがする。非常識を非常識に感じさせない果歩の人物像がすごいなぁと思った。そしてこの本を読んだ女性なら誰しも中野を好きになってしまうんじゃないかなぁ。裏切らない美しい小説。

  • 江國さんのお話の登場人物たちに感情移入するのが毎回へたでできなくて、でもついつい手にとってしまいます。笑

    主要人物の二人ともが不倫をしているのですが、でもすごく幸せそう。
    不倫相手の奥さんが書かれていないからでしょうか…?
    ドキドキドロドロな感じが全然なくって、安心して読めました。

    あと、わたし自身岡山住みなので、倉敷美観地区の描写にわーってなりました。

  • (俺のブログ2005-09-15投稿より)
    相変わらずの江國ワールドでした。取り扱っている題材が一人は不倫、一人は過去を引きずり男を弄ぶ、とこれだけ聞くと火曜サスペンス系ドロドロ愛憎劇な感じがするのだけどなぜかかわいい雰囲気。江國香織が書くとなんか全編ひらがなで書いてあるような子供向け物語な感じがしてくる(一方村上龍は全編漢字な感じ)。なーんか不思議。

  • 正直、私にはちょっと理解し難いストーリーだった。
    既婚者との恋愛というのを体験していないせいかもしれない。

  • 再読。
    伏線ではない、素敵なたくさんの恋愛模様の描写が好き。
    江國さんの世界にまどろんだ。

  • 果歩と静枝。わたしは果歩のエピソードのほうが安心した。特に中野に鍵を返されて、こんなはずではなかった、所有していないのに、失うはずがない、というところ。

  • どの登場人物の生き方にも、じっと考えた(ある意味閉じこもった)信念のようなものがあり、それゆえに切なくて、でも素晴らしいと思った。
    それぞれの人が、それぞれの方向からの鋭さと鈍さを持っていて、
    生活する中で発生する、間のようなものが、心地よく感じられた。

    登場人物の詳しい紹介があるわけでもないのに、
    その設定の細かなところに人柄がにじみ出ているところなど
    毎度すばらしいなと思う。

  • 江國さんの本はずっしりしている。長いんじゃなくてずっしりしていて、ひとつの例えや、描写もこの人特有のなにかがあるような気がする。なんだか静かで優雅。
    読んでいて飽きない。何度読んでも新しい発見があったりするから、読み終わっても読み終わった気がしない。なんというか、長風呂したいときにおすすめ。

    眼鏡屋さんの果歩と学校で美術の先生をしている静枝はずっと友達。通り過ぎて壊れた恋も、現在進行形な不倫な恋もお互い知っている。
    そんな二人がゆっくり少しずつ変わっていく話。

    そしてなにより、あとがきが好きです。

  • 江國香織の作品で最も好き、最も読み返している作品。
    女性主人公が二人、等分に存在しているのがいいのかも知れない。
    江國香織の女性主人公は、容易いように見えてどこか侵入を拒んでいるよう、探ろうとするほどはぐらかされるように感じられるけれど、果歩と静枝は適度に入り込むことが出来、同時にもう一人の側に立って批判的に見ることも出来る。
    その距離が、私にとってちょうどいいのかも知れない。
    この作品が好きなもう一つの理由は可愛すぎる中野君にある。
    江國作品の男性で、ダントツで好き。
    中野君を好きだというのは自分の卑怯さを露呈することでもあるとは思う。
    でも誰だってあるでしょ。多分。
    それに、中野君が愛しいのは彼の甘さだけでなく、彼の真っ当さ、清潔さからでもあるのだ。

    視点が変わることもあって、少々乱雑な気もするのだけど、それがかえって心地好い。
    印象的な場面が、まさに陶器の破片のように目の前に投げ出され、それぞれがちかっと輝いているような作品だ。
    決着がつくこととつかないことがあるので、読み終わった後であれはどうなるんだろう、と思うこともあるけれど、読後感はいつもとても爽やか。

  • 静枝と果歩の日常が描かれている。誰にでも普通の生活の中に物語があって、それぞれ悩みながらも暮らしているんだ。

    ただ私は女子高とは程遠い環境で育っているから、女同士の「距離」というよりも「時間」が密である感じが想像できなくて、この話を理解しきれてないかもしれない。

  • 友達の話を聞いてる感覚でサラサラと読めた。心配したり、応援してみたり。登場人物がみんなかわいい。

  • この本は、この人の文はガラスのボウルにたっぷり入った水が光に反射してゆらゆらしているのを下から眺めているみたい。
    きれいで温かいのに、寂しい。


    ずっと一緒にいた女友達2人が傷つけあいながら求めあっていきていく。

    登場人物の中で中野が好きだ。出てきてくれると安心する
    かほの暮らし方が本にかかれた理想の暮らしすぎてびっくり。憧れるけど案外よくないのかも、完璧すぎることは。

    『晴天はどちらかというと不幸に似ている』

    あんまりいいレビューが書けないんだけれども凄くよかったんです。でも伝わらないと思う。
    実際に読んでもらわないと

  • 江國香織好きだけど、この本ははっきり言って苦手。
    何度も挫折しそうになりながら、ようやっと読み終えた感じ。
    読んだあとも当然のことながら何も残らなかった。
    出てくる登場人物に1人も好感が持てなかったのが原因かも…

  • 最終的な結末とそれを導くためのたくさんの伏線だけで出来上がった物語より、こういう無意味な描写がちりばめられてそれでいて独特の雰囲気を保っているような作品の方がむしろ説得力があって好きです。
    著者のあとがきにも全くそんなことが書かれていて別の作品も読みたくなりました。

  • 最後のほう果歩が言う「中野くん、いつもやさしいのにどうしてきょうに限ってそんなこと言うの。どうして一緒にコーヒーをのんでくれないの。私はいまここでコーヒーがのみたいのに」このセリフでいつも泣く。
    ここで泣くために読んでる。

  • 中野くんのけなげさに、やられた。傷つきたくなくて自己防衛しまくっていつ一人になっても大丈夫なように壁を作っていたのに、やはり今目の前にある物や人がいなくなるのはつらいという。確かに。

  • 食べ物がとても美味しそう。知ってる東京がたくさんでてきた。ビスケットの缶のなかに閉じ込めた思い出。大人の女の人にはいろいろあるなぁ。。

  • 江國作品の中で一番好きな本。これぞ江國ワールドだと思う。

  • 久々に読み返しました。前読んだのはハタチの頃。その頃は、自分が、果歩とか静枝さんの歳になるとはおもっていなかったんだけど…。

  • 何故か数年掛かりで読んだ。
    過去の恋を引きずり続ける果歩が痛々しすぎてもはや可愛い(?)。

    缶の中のポラロイド写真の描写が秀逸だと思う。後、紅茶茶椀。

  • むかしはそんなふうに生きてみたいと思ったこともあった。
    愛することは未来に通ずるお守りはなくて、そこにある思い。
    自分がそのひとを好きであれば、それで良かった。
    そんな考えが懐かしく思いだされる。すごく古く感じた。
    静枝が痛々しく、痩せ我慢をしているように思えた。
    過ぎ去るって面白い。共感できないことに哀しさではなく、
    安堵さえ感じるのは、笑ってしまう。この複雑な残念さはイヤじゃない。
    ずいぶんたくましくなったとしみじみ思う。

  • (1998.03.25読了)(1998.03.06購入)
    (「BOOK」データベースより)
    果歩と静枝は高校までずっと同じ女子校だった。ふと気づくといつも一緒だった。お互いを知りすぎてもいた。30歳目前のいまでも、二人の友情に変わりはない。傷が癒えない果歩の失恋に静枝は心を痛め、静枝の不倫に果歩はどこか釈然としない。まるで自分のことのように。果歩を無邪気に慕う中野くんも輪に加わり、二人の関係にも緩やかな変化が兆しはじめる…。心洗われる長編小説。

    ☆江國香織さんの本(既読)
    「きらきらひかる」江國香織著、新潮文庫、1994.06.01(1992年)
    「温かなお皿」江國香織著、理論社、1993.06.
    「なつのひかり」江國香織著、集英社、1995.11.10
    「流しのしたの骨」江國香織著、マガジンハウス、1996.07.25
    「落下する夕方」江國香織著、角川書店、1996.10.30
    「いくつもの週末」江國香織著、世界文化社、1997.10.20
    「ぼくの小鳥ちゃん」江國香織著、あかね書房、1997.11.20
    「すいかの匂い」江國香織著、新潮社、1998.01.30

  • ずっと昔から何度も読み返しているお気に入りの本。
    江國香織さんの作品は、どれもたいがいテーマや目的がなく、ただ淡々と独特の世界観で描かれているのが最大の魅力。
    この話も、親友同士の二人の女性のそれぞれの恋愛をゆるゆると描いたもので、二人ともに明確なエンディングがあるわけではない。なのに、なんだか読みおわってからぬくぬくした気持ちになる。
    食べ物や、言葉づかいや、動作の表現がどれもゆっくりと柔らかいから、物語の展開というより、江國香織さんの世界観にくるまれたような感じ。まるで毛布みたいな。
    やっぱり好きだな、とこの作品を読むたび毎回思う。

  • この本を読んで、僕は、果歩さんに共感しました。

    きっと僕は失う怖さにおびえている臆病者なのでしょう。

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著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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