対話篇 (新潮文庫)

著者 : 金城一紀

• 新潮社 (2008年6月30日発売)

感想・レビュー・書評

[mak0m0さんの感想 · 2013年8月15日]

中編三篇の作品。
どれも重い病気にかかわるもので、すごく重い。
けれど大好き。
｢好きな人には会い続けなければいけない｣という台詞が特に好き。

[midorinnさんの感想 · 2013年7月26日]

『映画篇』がとても良かったので、こちらも読んでみた。
期待どおり。こちらも読んでよかった〜。
独特な雰囲気で、読み手を引き込む感じ。激しくないけれど感動を与えてくれる心地よさ。

良い作家さんに出会えたなぁと。
他にももっと読んでみようと思う(^^)

[d-kousukeさんの感想 · 2013年6月23日]

クサい。クサいけど、泣ける。この本に収められている３篇には「言いたくても言えないもの」あるいは「うまく言葉にできないこと」を抱えている男性が共通して登場する。彼らの中で「Unbreakable」だと思っていたものはすでに壊れてしまっている。彼らはそれまで近しい存在ではなかった人間と対話を重ねることでそれらを修復し、新しい光を見いだしていく。

[banalstoryzさんの感想 · 2013年4月4日]

「本当に愛する人ができたら、絶対にその人の手を離してはいけない。なぜなら、離したとたんに誰よりも遠くに行ってしまうから」(『花』)

思わず叫びたくなる。もっと早く書いてよ金城さん、大事なことは！大きな声で、おっきなフォントで、お手頃な値段で！！と。

自分の能力以上に愛されたいと願うことが恋だというなら。この人生は恋の連続だった、なんて言葉が思い浮かぶ。

[UPWOODSさんの感想 · 2013年4月2日]

いずれも愛と死、記憶に纏わる作品の中編集で、3篇とも話として出来すぎている感はあるが、読ませる作品だった。最後の「花」が良かった。話としてはベタだけど、想いが伝わってくる。これは映画化されてる様なので観てみたい。美しいロードムービーになってると良いのだが。

[yu-honrirekiさんの感想 · 2013年3月6日]

て、つなぎたい。

手を繋ぐ話ではなく
手を離してはいけない話。たち。

[kvkさんの感想 · 2012年11月26日]

金城一紀って初めて読んだけど、スッキリとしていてけどちょっと甘めテイストの文章はなかなか良かった。内容は死と恋愛が絡み合って…的な男視点の話が3つ。文章がスッキリしてる上に、当たり前だけど会話が多くあっという間に読めたし、ホロっとした。

[fukusuke1313さんの感想 · 2012年7月11日]

「本当に愛する人ができたら、絶対にその人の手を離しては駄目だ。離したとたんに、その人は誰よりも遠くへ行ってしまう。」ずっと大切にしていたい言葉の一つ。

[hir♂さんの感想 · 2012年6月13日]

「恋愛小説」、「永遠の円環」、「花」の3編を含む中編集です。
「映画篇」の各エピソードとリンクしている場面も出てきて楽しめます。
中でも最後の「花」は、個人的に大好きです。重い病気が見つかった「僕」が、あるキッカケから初老の男性のドライブに付き添うことになります。その男性は、ある目的のために鹿児島を目指すのですが…

読み進めて間もなく、その男性と「僕」との間に流れる優しく暖かい空気のようなものを、感じ取れるようになると思います。そしてラストのシーンでは、じんわりと噛みしめるような感動が心に広がるはずです。それはまるで、良質なロードムービーを見ているかのようです。

日々暮らしていると、小さい頃のことや嫌いだった人のこと、好きだった人のこと…いろんなことを徐々に忘れていってしまいますが、この物語は本当に大事な忘れたくない思い出というのは、頭から完全に消え去ることはないのだと信じさせてくれます。

[Ksculさんの感想 · 2012年5月22日]

3つの短編が入った本。
どれも甲乙つけづらいけれど・・・恋愛小説が一番好きかな。
どの作品も深くて不思議で、いい出会いでした。

なんとなく印象に残ったんだけれど、
「いくら親しい人がいたとしても、会わなくなったらその人は死んじゃうのよ」
って台詞、その通りだと思うのです。

思い出は重ねるもの、ですよね。

著者プロフィール

1968年埼玉生まれ。慶應義塾大学法学部卒。1988年「レヴォリューションNo.3」で第66回小説現代」新人賞を受賞。2000年『ＧＯ』で第123回直木賞を受賞。

「2020年 『映画篇』 で使われていた紹介文から引用しています。」