- Amazon.co.jp ・本 (537ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101369143
感想・レビュー・書評
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この人の作品は大概面白い、外れがない、ってそんなに何冊も読んでるわけじゃないんだけど。今回の小ネタ?は超能力で、でも扱われ方がめっさ暗い。超能力のおかげで金持ちになって女にもててウハウハー、みたいな感じはゼロで、超能力なんてあったおかげで気味悪がられるわ隠すのに大変だわで体もぼろぼろだし、というあくまで暗い。なんだこの人いつも暗くないか、性格も暗いんじゃないか、とか思ったりもする。でも好き。
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「クロスファイア」と同様に超能力を持った登場人物の物語であるが、「クロスファイア」の方が超能力を持った人物の悲哀や生きにくさがうまく表現されていたのに対して、こちらは上滑りというか、切実に伝わってくるものがなかった。冒頭のマンホールの事件なども、現実にはありそうもない話だと感じた(車のエンジンが水をかぶるといけないからマンホールを開けるとか、ポルシェにマンホールを開けるためのヴァ―ルが積んであるとか)。他にも、不自然な設定がいくつかある(口がきけない七恵の家に電話があること、空き巣の調査に来た警察官が「大事なものはどこに隠していますか」と訊くことなど)。
また、宮部さんの作品でいつも感じることだが、男性がうまく描けていないと思う。総じて、実際の年齢よりも幼稚で、浅薄な印象を受けてしまう。
最終ページに近付くにつれて、真相も見当が付いてしまい、ミステリーとして特に取り上げるようなところはないし、最後まで読んでも、結婚対象として不適格の烙印を押された主人公が何かを掴んだとは感じられなかった。 -
2015/10/31読了。
「宮部みゆきはやっぱり最高!」
途中まで、そう思いながらワクワクしていたけれど、
やはりサイキック、特に直也の持つ特殊能力あたりが出てきたところで、やや興醒め。
この辺りは好みもあると思うけれど、この手のものを信じていない私には、納得できない部分が大きく、それで事件が解決…となると、ますますついていけない、という気持ちになった。
ただ、辛い、やり切れない内容でも、最後にそっと一筋の光が差したかのように思わせるところは、さすが。
宮部さんの力は本当にすごいと思うので、超能力抜きで、「普通」な感じでも書けたのでは、と思う。
その点だけが残念。 -
「龍は眠る」宮部 みゆき著。心を読むことができる少年と知り合った記者…彼の運命は
http://youyou-bookmovie.blog.so-net.ne.jp/2015-09-28 -
超能力
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超能力を持ってしまったが故の二人の若者の苦悩が丁寧に描かれており、ラストが綺麗すぎて悲しかった。
推理モノとしてはライトな感じなので入りやすいと思う。 -
ミステリもファンタジーも高品質に仕立て上げる、宮部みゆきならではの世界。「楽園」でも超常現象が扱われていたけど、本作の中でも超能力が違和感なく溶け込んでいる。事件が起こってから解決までのスピードにはビックリしたけど、そこに至るまでの背景が丁寧に描かれている分、特に違和感は感じなかった。もう少しこの世界観に浸っていたかった気もしたけど、でもこれくらいのバランスがちょうど良いんでしょうね。一番面白かった!とは思わないけど、これもまた十二分に楽しめる力作でした。
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この著者の登場人物に「いい子な美少年」がよく登場する。シンジ少年もその一環かと思いますが…。
直也青年の犠牲の心、など殺伐としない小説。
超能力は??としても、そういった心の交わしがこの小説の醍醐味なのかなぁと思います。 -
超能力というのがあまりピンとこなかったなぁ。。。
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主人公の雑誌記者と超能力を操る青年2人が織りなすサイコサスペンス。著者はミステリの女王、宮部みゆき。日本推理作家協会賞受賞。ドラマ化。
「超能力」と聞いて、どんなイメージを受けますか?
ファンタジーやゲームの世界での「超能力」であればいいなと思うのでしょうが、現実的に直面したら胡散臭さを感じるのは自分だけじゃないはず。
本作は、そんな「超能力」を持った人物が、現実的に存在したら、実際のところどうなのかという苦悩が描かれた作品です。
とはいえ、超能力がストーリーに出てきたら、ファンタジーっぽくなるもんなんですが(実際、本作でもテレポーテーションしますw)、そこは宮部さんの腕の見せ所。
超能力はもしかするとあるかもしれないな、と読者を納得させる裏付けで、どんどん読者を引き込みます。
まあ、よくある理論ですけどね。
超能力に限らず、時折、ある分野でのみ、ものすごい才能を発揮する人がいます。
よく言う話ですが、人間は能力をセーブしていて、有事に、ものすごい能力を発揮することもあります。
だから超能力もその一部で、全てが全てペテンなのではなく、そういう分野における隠された能力なのだ、というわけ。
少し重苦しい感じで書きましたが、ストーリーはミステリー・サスペンスなので、宮部さんの面白さはそのまま。
読みながら、不思議な世界に引き込まれ、あっという間に読み終えてしまいました。
人を引き付けるストーリーは、何度読んでもスゴイとしか言いようがない。ハズレたことがないです。
未だ新作を発表し続けるミステリの女王。
発刊ペースと自分の読書ペースが見合ってないので、どんどんおいていかれますが、ライフワークとして、いつか全作品の読破を目指したい作家さんですね。 -
友達に勧められて読んだ
読んだのはもぉ、6年前くらい。
なんだろぅ。
文章が透明で
好きだなぁって印象が
残ってる。
また読みたいなぁ。 -
再読。以前読んだのは10年くらい前なので筋は覚えていなかった。
宮部みゆきの超能力物では最初の作品か。
雑誌記者が嵐の晩に車を走らせていて出会った少年が、そこで起こった死亡事故の真相を言い当てるところから始まる。少年は正義感で犯人に迫るが、それが逆効果で犯人をかたくなにさせてしまう。
そこに青年が現れ、少年は超能力者ではなくペテンだと言う。そして、ある事件に巻き込まれていく。。。
その間に出会う言葉を話せない女性が非常にいい娘で、魅力的である。
全体のストーリーもいいが、苦悩を抱く超能力者の心情が深く描かれている。宮部作品の傑作のひとつである。 -
2008
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所在:紀三井寺館1F 請求記号:Browsing
和医大OPAC→http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=81655
当館でも人気のある宮部みゆきミステリ。この作品では「超能力」が扱われているのも見所のひとつ。ページ数が多くても、すらすら読めてしまう達者な文章とプロットの巧みさはさすが。 -
宮部さんの作品をたくさん読んできたが、これは女性じゃないと書けない、書かないストーリーだなと感じた。
納得できたようなできないような。設定自体が超能力者なのでつかみどころがないのだが、それでも共感できる部分はあった。この辺りがさすが宮部さんと思う。
ただ、やはりつかみきれなかった。ストンと腑に落ちない感じ。 -
宮部みゆきの龍は眠るを読みました。
他人の心を読むことができる、という能力を持ってしまった少年の物語です。 確かによく書かれていますが、設定にちょっと無理があるからかあまり感情移入が出来ませんでした。 -
タイトルと表紙からしてアンダーグラウンドな雰囲気だが実際は違う。すごくナイーブな物語。やや説明すぎて前後関係が怪しくなるのと、ちょっと無理があるような設定も。でもさすが展開のテンポが良くて、一気に読める。
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やっぱり苦手‥ 変にハードボイルドなセリフ回しが特に‥笑 サイコメトリーは実在するかしないかというどっちにもとれる内容を演出していて、それはそれでなかなかの筆力だと思うけど‥SF作品としてもミステリ作品としても弱い‥。量産型ミステリ作家の典型‥かな‥
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2014.11.2(日)¥250+税。(-2割引き)
2015.5.3(日)。 -
久しぶりに再読。
昔ほど面白いと思わなかった。
少年の突っ走りに無理を感じたからかな。 -
2015.03.25
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まあまあ
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龍の出てくるファンタジーかと思って読み始めたが、超能力者の出てくるミステリーで、「人はみんな身体の中に眠れる龍を飼っている」という意味での「龍」だった。人や物の記憶が読める慎司と直也。生きにくい世界で精一杯生きてきた2人。小枝子を助けようとした慎司と、慎司を助けようとした直也。ラストが想像できただけに、読むのが辛かった。
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サイキックのものがたり
しんじとあつや
高坂さん、新聞記者さんの物語 -
異能力を持つが故の苦悩。
直也の悲しすぎる人生の最後に自己犠牲を払ってやっと満足することが出来たことが救いかも。
安定の宮部みゆき作品。 -
ミステリーとしての面白さは当たり前として、人間の想いとか関係性とかの妙が心に沁みる。持ちたくはなくて持ってしまった才能の重さに、暗澹たる思いがした。
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「ファンタジー」に分類される小説よりはミステリーが好きなため、読む前に少し抵抗があった。しかし、かなり面白い内容で、一気に読んでしまった。本当にサイキックが、この世にいるような気がしてならない。
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平成26年8月20日の72刷だったので、表紙が、違う。
これは、霊視者テレサを主人公にした超能力者的、サイキックの小説である。
嵐の中、車に乗った2人の大学生が、雨が溜まるの道路のマンホールの蓋をずらして放置した所が、そこへ子供が、はまりこみ死亡するのだが、、、、
たまたま、その道を、車で通過した主人公の高坂が、道端で、パンクした自転車の少年を乗せる所から、物語が、始まって行く。
その少年の超能力と、この題名の龍とは、、、、どうつながるのだろう、、、、と、思う間もなく、事件が、主人公の過去の事、そして少年を同様な能力を持った者が、現れて読み続けてしまった。
超能力者と聞くと、普通の人間だと、何でも見通す事が出来ていいように思えるが、サイキックな人間には、色々な、雑音まで、自然に頭に入って来てしまい、情緒不安定や、睡眠不足に陥るという肉体的に負担を感じる。
人間の中には其々1頭の龍を飼っているが、眠っているのである。
ひとたび、目覚めると、情報手段を、言葉以上のものに発達させて、未知の世界へといざなう。
誘拐拉致された女性は、主人と秘書のたくらみだった事を知って、どうなるのだろう、、、、と、描かれていない所に、神経が行った。
主人公の雑誌記者高坂は、ハッピーに、なりそうな結末に、少しホッとした終わり方だった。 -
超能力を題材に選ぶと犯罪とセットになるのは仕方がない。ただ否応なしに人の思念が入って超能力ならではの苦悩の描かれ方に納得。
能力を持ってなかったら犯罪は止められなかったが、やはり過ぎた能力は必要ない。
終盤の???が解決。宮部みゆきさんは着地点が素晴らしい。 -
まだ読んでなかったんですよね~実は。
超能力者の少年たちの葛藤と、彼らに関わることになった記者。
さすがにぐいぐい読ませますね!面白かった。
19992年第45回日本推理作家協会賞長編部門受賞作。
解説 / 長谷部 史親
デザイン / 新潮社装幀室