女王の百年密室―GOD SAVE THE QUEEN (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.72
  • (392)
  • (399)
  • (730)
  • (42)
  • (6)
本棚登録 : 3508
感想 : 344
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (585ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101394329

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 人間とロボットの明確な違いはなく、感情は電気的な現象にすぎないという思想を持ち、ヒト(ロボット含む)の心を愛してロイディとのやりとりを大切に思うミチルの考え方の清々しさが、物語全体の独特な雰囲気をつくっている。

  • SF?ファンタジー?な設定のミステリーです。
    閉鎖的な全てがその中で完結した街に行き着いたサエバミチル。その街はミチルの驚くばかりだった。その街で殺人が起きる。誰も犯人を追おうとしない中でミチルだけが犯人を追う。
    普通のミステリーとは全く違いました。私としては本の厚さに対して早く読み終わったと思います。飽きさせない内容です。
    マンガもでていてそっちは絵が素敵です。

  • ある未来のお話。SFとミステリが上手く融合して、今までの森ミステリの味もありつつ、新鮮味も感じられた。

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/


  • 百年シリーズ第1弾。2113年の世界。サエバミチルとウォーカロンのロイディが道に迷ってたどりついたルナティックシティでの話。数百人の集落、女王デボウスホ、不死と永い眠り・冷凍技術。ジュラ王子の殺害。クジアキラの脳とミチルの体を奪った殺人鬼マノキョーヤとの遭遇。外で暮らす老人マイカジュクはジュラ王子の父親でマノに殺させた。ミチルが来たのも彼の差し金。マノの恋人フォトラに襲われるミチルだが何とか助かる。冷凍技術やAI、ウォーカロンなどが発展した未来の話、デボウの話など面白い。自由意志などを突き詰めていくと差がなくなっていき、機械と人間の差は自身の主観なのかもしれない。

    冷凍技術で死なないようになると、死刑への抑止力がより高まる。現代でもクライオニシスト冷凍保存主義者なる人々がいるらしい。その1つにアリゾナにあるアルコ―延命協会に解説者の森山和道が95年に訪問。液体窒素タンクに、体や頭部を保存。頭部だけなのは費用の問題。頭部が最も大事。遺体を保存しているのではなく患者という認識らしい。いつかは優れた技術によって修復可能になるという考え。検索すると2020年現在でもあるらしく全身1体あたり20万ドル。

  • 再読。百年シリーズ一作目。今思えばこの時にもウォーカロンという名称は出ていたんだなぁと再認識。Wシリーズを読んでいる今ならだいぶ繋がりを感じられて面白い。確かに復讐は復讐を呼ぶけれど私はミチルのした行為が間違っていたとは思えないんだよなぁ。

  • 世界観が素敵。一人称で、主人公が未来視点なので、"内部の空気まで冷やす効率の悪い方式"の冷蔵庫だとか、"大昔は価値が紙や金属で作られていて"だとかの表現にドキドキさせられた!「死」を「永い眠り」とする価値観に疑問を感じていた主人公自身が、頭と躰が別々の、ある意味不安定な存在だったとは全く思わなかったし、そういったどんでん返しが最後の最後まで見逃せなくて、読んでいて本当に楽しかった。‬

  • 相変わらずの森文学
    話の大筋が全然見えない…と思って読み進めてたけど、そりゃそうよね。
    視点役のミチルに1番秘密を抱えてるんだもん、分かりにくいわけだ。

    そういう意味ではWシリーズの方が読みやすいかなと思うけど、いつも通りの「人間とロボット」、「意志とは」みたいな展開があってわたしは楽しかったです

  • まあ普通かなー。
    ちなみにロイディのイメージは(STAR TREKの)ディタ少佐。
    100年シリーズとやらの続きは読みたいと思う。

  • Wシリーズ完結記念?に、久々に再読。
    割と動きは覚えていたけれど動機などの機微はすっかり忘れてしまっていました。
    それにしても毎回読むたびに、ミチルという存在に透明感を感じます。
    また五年後くらいにふと読みたいなぁ。

全344件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

森博嗣の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×