未練―女刑事音道貴子 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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感想 : 120
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  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101425382

感想・レビュー・書評

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  • キャラがたっていて、読みやすいし面白いと思う。
    が、ストーリーが読んでいて落ち込むわうな話...。
    スッキリ死ねー。モヤモヤが残る。

  • 監禁事件後の休暇中に出会う事件以外は時系列が何となく不明なまま、プライベートから地続きで刑事をしている貴子にひとりの人間としての確たるリアリティのある計六編。砂場での幼女の異常な死と犯人の七歳児と彼の妹と貴子の先輩な母親の虐待家庭の話が、静かな雨みたいで幼児の体温も感じ悲しくて切なくてとても染みた。

  • 音道貴子シリーズ第2弾.出張のお供に.設定は多少古いが心理描写などは巧み.

  • 今回も、職業柄か貴子は喘いで苦しんで絶望する。警察という職業はどうしても、人の裏や社会のネガティブさを直視してしまう、損な役回りなのかもしれない。そこにやりがいがあるとすれば、犯人を捕まえる執念だったり、犯罪回避だったりの正義感が必要になってくる。
    短編なのでサクっと読める。

  • 音道刑事シリーズの短編。音道刑事のストーリーとしては楽しいけれど、物足りなさがある。やっぱりミステリーはある程度の長さじゃないとスリリングな興奮は味わえないのかな。

  • 音道貴子シリーズ。短編集、子供が犠牲になってしまう作品は読むのが辛い。

  • 音道貴子シリーズ4作目で、2冊目の短編集です。捜査本部に入れば事件の進展は遅く、主人公の華々しい活躍があるわけでもないし、初動捜査のみの機捜に戻れば事件は途中で棚上げの音道貴子シリーズでは、短編より長編の方が楽しめます。短編集になると事件性より事件に関わる人間性の方に重点を置かれている感があります。

  • このシリーズが好きな家内のために買ったのですが、結局家内は読まず自分で読んでしまいました。
    家内は悲惨すぎという理由で読まなかったのですが、私にはさほどには感じませんでした。
    ミステリーの中でもいわゆる本格ではなく、人物像で読ませるタイプの小説ですね。相変わらず、音道さんは精神的に窮地に追い込まれたり、突っ張ってみたり。。。男社会の中で、時に嫌な目に会いながら、時に救われたりもしています。今回の短編には、学生時代の友人、警察に入った頃の先輩、母親など身近な人を取り上げ、音道の私生活が多く描かれているのも特徴的です。
    ほとんど姿を出しませんが、昴一という彼氏も良い味を出しています。

  • やっぱり、「女刑事 音道貴子」は最強の女性刑事モノの一つだ。

    「未練」と「嗤う闇」を続けて読み返してみた。って、ミステリーを何度も読み返すワタシって、どうヨ。

    トカゲと呼ばれる機捜の隠密部隊での活躍を描いた「凍れる牙」、人質にされ、過酷な状況に陥った「鎖」の長編小説2作を経て、「未練」と「嗤う闇」はどちらも短編集。

    さまざまな表情の音道貴子に出会える。

    例えば、「鎖」で大きなダメージを負った直後から始まり、しかし、ゆっくりだが、再生を果たす「山背吹く」。幼児殺人、そして幼児虐待がテーマとなった「聖夜まで」など、事件に真摯に向き合う、立ち向かう音道の姿が生き生きと描かれている。

    さらに、音道とコンビを組む刑事たちも個性的で面白い。なんといっても、「凍れる牙」でコンビとなり、「鎖」にも登場した滝沢刑事にまた会えたのが嬉しい。

  • 6つの短編集からなる本書。
    未解決のままで終わる、続く(?)事件や、些細な酔っ払い事件もあり、凄惨な事件もあり、諸々。
    章末の解説にもある通り、サスペンス・推理小説の短編ということだけを狙ったわけではない作者の意図を、ここまで連作を読んできて感じる。
    しかし、「聖夜まで」は衝撃的なストーリーだった・・・。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。88年『幸福な朝食』が第1回日本推理サスペンス大賞優秀作となる。96年『凍える牙』で第115回直木賞、2011年『地のはてから』で第6回中央公論文芸賞、2016年『水曜日の凱歌』で第66回芸術選奨文部科学大臣賞をそれぞれ受賞。主な著書に、『ライン』『鍵』『鎖』『不発弾』『火のみち』『風の墓碑銘(エピタフ)』『ウツボカズラの夢』『ミャンマー 失われるアジアのふるさと』『犯意』『ニサッタ、ニサッタ』『自白 刑事・土門功太朗』『すれ違う背中を』『禁猟区』『旅の闇にとける』『美麗島紀行』『ビジュアル年表 台湾統治五十年』『いちばん長い夜に』『新釈 にっぽん昔話』『それは秘密の』『六月の雪』など多数。

「2022年 『チーム・オベリベリ (下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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