ひなこまち しゃばけシリーズ 11 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 96
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  • Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101461311

感想・レビュー・書評

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  •  一見短編集、でも実はつながっていて、全ての謎が解ける最後の短編「河童の秘薬」が面白かったです。特に、安吾さんと雪柳さんの正体を知ったときはカタルシスがありました。ああ、このための短編連作だったんだと、納得しました。
     屏風覗きは「あ、死んだ」のセリフと共に、明るくあっけなく、また死んでしまったかと思いました。生きててくれて、本当に良かったです。
     相変わらずやなりたち妖も可愛いし、兄や達のマジ喧嘩(一瞬だったけど)は興味深いし、佐助とねねこの今後がすごく気になりました。しゃばけシリーズは外れがなくて本当に楽しいです。

  • わいわいがやがや
    毎度、妖たちが賑やかに楽しそうな
    ほっとする物語です

    確か以前にお花見してたような。。。
    別のところでですかね。
    若旦那に用意される食事は
    いつもいつも美味しそうで、お腹が空きます笑
    しかも豪華絢爛!!
    いつかあのお花見弁当を食べて見たい
    レシピ本でないかな。

  • 短編が積み重なって長編となる。もう、しゃばけの真骨頂。次早く読みたいなぁ。

  • 手を変え品を変えとはこのこと!
    ずっと続いている大好きな「しゃばけ」シリーズですが
    今回は「たすけて」の木片で、すべての話が繋がっている。
    いつも構成に変化をつけていて、たまならいです。
    そして落語好きの獏。くくく。いいなぁ。
    若だんなは本当に心が広くて、そして優しいお方。
    自分の弱いところを把握して、その代わりにできることをやろうとする。
    今、最も必要で、そしてなかなかできないスキル。
    自分の弱点を把握する・・・。深いなぁ。

  • 安定のしゃばけシリーズ。
    通勤電車で読んでいたけど、ほっこりした気持ちになれて癒された。
    連ドラを見ているような、映像がありありと浮かぶのは本当にすごい!ネッフリで連ドラして欲しい。

  • 「お願いです、助けて下さい」と書かれた木札と小町選びをキーとするゆるい続きもの五編

    ■ろくでなしの船箪笥…小乃屋七之助&冬吉の祖父が残した遺産騒動。河童の甲羅を取り戻す
    ■ぱぐのふだ…本島亭場久(ほんとうていばきゅう)、悪夢に困ったときに敷いて寝るバクの札
    ■ひなこまち…おしなに思いっきり寄りかかる古着屋のダメ父親
    ■さくらがり…花見デジャブ、河童の秘薬をもらった武士の安居
    ■河童の秘薬…平安時代狐の娘が幸せになった黄色の秘薬を飲んだ安居の妻雪柳

  • 登場人物が人間も妖(あやかし)も憎めない。
    気分良く読める。

  • 助けを呼ぶ一枚の木札が今回の主役。
    困っている人を助けたい。
    若だんなの思いは叶うのか。


    『ひなこまち』 畠中恵 (新潮文庫)


    指物師の荷に紛れて長崎屋にやってきた木札には、「お願いです、助けて下さい」と書かれてあり、五月の十日までに、と日時が切られていた。
    それをきっかけに、若だんなのもとに様々な困りごとが舞い込む。


    祖父の形見の船箪笥が開かない。小乃屋の七之助、冬吉兄弟の困りごと。「ろくでなしの船箪笥」。

    落語の寄席で、噺家が武家に襲われた。なんと噺家は人ではなく、悪夢を食べる“獏”だった。「ばくのふだ」。

    江戸の美人を決める雛小町選びに便乗した古着泥棒は、大掛かりな詐欺集団だった。仁吉と屏風のぞきが仲良く(?)大活躍。「ひなこまち」。

    花見に訪れた広徳寺で、若だんなたちは、生真面目で堅物な武家・安居と出会う。禰々子からもらった河童の秘薬が起こす事件の始まり。「河童の秘薬」。


    さて、長崎屋の両親が若だんなを甘やかすたとえが私は毎回楽しみなのだが、今回は、

    「蜂蜜と黒砂糖を箸が立つ程加えた甘酒のように」

    甘いのだった。

    そしてこれも定番の、若だんなの虚弱さのたとえは、

    「店から一歩出ると風邪を引き、遠出をすれば半月寝込むほど病弱」

    なのだった(笑)

    何はともあれ“いつものやつ”が読める幸せ、そして楽しさ。
    安心、安全、信頼と実績のしゃばけシリーズ。


    今回は、長崎屋に住まう妖たちの存在を知っている七之助、冬吉兄弟と、妖が普通に見える広徳寺の寛朝と秋英がいることにより、妖たちものびのびしているように思えた。

    しかし!
    貧乏神の金次が、裕福な長崎屋のぬくぬくの炬燵に棲みついているのはなんでだろう(笑)

    そしてこの人、たぶん新キャラだと思うんだけど、鳴家を二匹ばかり肩に乗せた商人風の男、正体は柳森神社から来た化け狸という権蔵さんが登場。
    若だんなの命により颯爽と現れて、結構いい仕事をして帰っていった。
    こんな風に若だんなをさりげなくサポートする妖の存在には心が和む。

    炬燵の中にいた付喪神のお獅子が、温石代わりに若だんなの掻い巻きに入れられていたのが面白かった。


    ある日、関東河童を率いる女親分の禰々子が、五色の薬玉を持ってきた。

    今回のメインは、河童の秘薬の中の、黄色の薬玉を飲んだ雪柳の話なのだ。

    黒は惚れ薬、白は三日間眠らずにいられる薬、赤は怪我が治る薬、青はどんな相手とでも話せる薬、そして黄色は平安の昔、狐の娘が幸せになる為に飲んだ薬なのだという。

    どんな薬効があるのかは分からないが、飲むのなら人生を賭けなくてはいけないらしい。
    雪柳と、なぜか成り行きで長崎屋の面々が、ともに夢の世界に迷い込み、盛大に事件に巻き込まれるのだ。

    この話は、「さくらがり」や「ばくのふだ」を通り、最後に「ひなこまち」に収束していく仕掛けになっていて、底には助けを呼ぶ誰かの声が通奏低音のように流れている。

    雪柳が人生を賭ける事件を乗り越え、ただのお祭りイベントに見えていた雛小町選びに隠された真実が見えたとき、「序」で最初に木札が若だんなのもとへやってきた瞬間からの様々な出来事や、出会った人々や、若だんなの気持ちが走馬灯のように巡って、すっと心に落ちた。


    若だんなは今回ずっと体調がすぐれず、最後の方はかなりへろへろだったけれど、困っている人を助けたいという思いは強く揺るがなかった。
    若だんなのこういうところがこのシリーズの最大の魅力だと私は思う。
    よく頑張ったよ。


    頑張ったといえば、川にはまった屏風のぞきですねぇ。
    戸板の上で乾かしてもらっている屏風のぞきを想像すると笑える。
    「もうちっと水を切ったら、己で店へ戻りな。」
    と、普段若だんなには丁寧に喋る仁吉がべらんめえ口調になる素の感じがすごくよかった。
    なにせ仁吉は私の推しメンなので(笑)

  • 2019/9/27再読
    2019/06/01了

  • 佐助と仁吉が本気で大喧嘩をして、そこにねねこが入ると地震が起きるほどの剣幕になるのか……

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著者プロフィール

高知県生まれ。名古屋造形芸術短期大学卒。2001年『しゃばけ』で第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、小説家デビュー。「しゃばけ」シリーズは、新しい妖怪時代小説として読者の支持を受け、一大人気シリーズに。16年、同シリーズで第1回吉川英治文庫賞を受賞。他に『つくもがみ笑います』『かわたれどき』『てんげんつう』『わが殿』などがある。

「2023年 『あしたの華姫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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