- Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102095072
感想・レビュー・書評
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未完なのがつくづく残念。
カポーティ一流の洒脱さと冷めた目線で綴られる前半と、
運命的な出会いをしてからの筆致の違いも興味深い。
彼の小説の主人公は人一倍孤独を感じており、
人一倍現実と求めるものとの理想に苦しんでいる。
それにしてもケイト・マクロード、ホリー・ゴライトリーといったカポーティの名づけのうまさ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
未完。でも読んでよかった。
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「叶えられなかった祈りより、叶えられた祈りのうえにより多くの涙が流される」
完成したものを読んでみたいような、読んでみたくないような。 -
下ネタだらけなのに下品な印象が残らないのは私だけ?やっぱカポーティーが好き。某電脳コイルのサブタイトルネタなのかなこれ。
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『冷血』を読みたくて書店へ。
あいにく、品切れ。
ならば!と、『叶えられた祈り』を購入。
本書はカポーティ唯一の未完の作品。
及び、彼の遺作となった作品。
私的には、
表紙のホッパーの絵が好きだったので。
セレブたちが激怒! カポーティを破滅に追い込んだ遺作。
ハイソサエティの退廃的な生活。
それをニヒルに眺めながらも、そんな世界にあこがれている作家志望の男娼。
この青年こそ著者自身の分身である。
また実在人物の内輪話も数多く描かれていたので、社交界の人々を激怒させた。
自ら最高傑作と称しながらも、ついに未完に終わったため、
残りの原稿がどこかに存在するのでは、という噂も。
著者を苦しませ破滅へと追い込んだ問題の遺作!
(「BOOK」データベースより)
「冷血」により、名誉を得た後・・・
破滅へと突き進んだ、プレリュードだと感じた。
なんともヤルセナイ読後感だ。
きっと、これを書くことによって
作家生命が絶たれたと言える作品だからだろう。
「社交界スキャンダル小説」を書こうと志すも
アメリカ社交界は、認めなかった。
「道化」と称され、カポーティは追放される…。
ヨーロッパとは異なるアメリカ社交界の
浅はかさが、悔しいかな残念でならない。
カポーティも派手に騒ぎすぎだが…。
せめて完結させてから追放されて欲しかった。
ゴシップ小説な感じが強く漂う。
漂うだけで、完結していないので
なんとも歯がゆくてモドカシイ。
社交界の様々を暴露しようとして、
自爆してしてしまったとしか思えない。
不完全燃焼。
本編プラス「編集者から」と「訳者あとがき」によって
なんとか完結へ持っていった作品だ。
ファンなら文句は無さそうだが
興味本位の私のようなタイプには
辛い作品だった。
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未完だから、今でも手に入り読むことができる
と思ったり
完成したものを読んでみたい
と思ったり -
「叶えられなかった祈りより、叶えられた祈りのうえにより多くの涙が流される」<br>「真実というのはもともと存在していないのだから、あらゆるものは幻想だということができる。幻想とは、実は、事実を明らかにしていくことによって生まれる副産物なのだが、完璧な真実という峰には近づけないにせよ、それに近いいくつかの頂上に到達できるのはこの幻想である」<br>冷血で注目を浴びたカポーティが最高傑作として執筆をはじめたものの完結しなかった作品。汚れた人間の野卑さ、上流階級のいやらしさたっぷり。<br>気に入った一言は、「どこにでもあるようなフォークを半ダース持っているより本当にいいフォークを二本だけ持っているほうが好きなの。」
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読書中
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10/6読了