ポアンカレ予想 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (500ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102185919

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  • 難しすぎ

  • 読書録「ポアンカレ予想」4

    著者 ドナル・オシア
    訳 糸川洋
    出版 新潮文庫

    p388より引用
    “数学は個人の営みだ。だが、数学の概念や
    定理は、一個人のものでもなければ、特定の
    民族や宗教や政治団体の所有物でもない。
    数学の概念や定理は、人類全体の資産であ
    る。”

    目次から抜粋引用
    “地球の形
     宇宙の形
     リーマンの遺産
     ポアンカレの遺産
     新ミレニアムを飾る証明”

     数学者である著者による、数学の難問とそ
    の証明がなされるまでを記した一冊。
     古代の数学から難問の証明まで、数学の発
    展に尽力した学者たちや、彼らの生きた歴史
    背景を交えながら書かれています。

     上記の引用は、ポアンカレ予想の証明とそ
    こまでの数学者の努力について書かれた章で
    の一節。数学だけでなく科学的な実績につい
    ても、これは言えることなのでしょうね。
    最近は知的財産権や特許の保有期間を長くす
    る傾向にあるようですが、この引用を読んで
    いると、少し考えさせられます。
     ひと通り読んでもイマイチ分からない程度
    の私でも、証明を成し遂げたグリゴリー・ペ
    レルマン博士の奥ゆかしさには、頭が下がり
    ます。噂ではこの証明の後、精神を病んで表
    舞台から消えたなどと聞いていましたが、た
    んに見せ物になりたくなかっただけとあって、
    安心しました。

    ーーーーー

  • ポアンカレ予想が証明されるまでの物語として楽しめた。

    ポアンカレ予想そのものや数学の理論については、理解と想像の助けになる具体的な例を挙げ平易に説明がなされている。

    とはいえ、私の数学的素養が及ばす理論の説明部分のほとんどは読み流した。

  • 難しすぎたが面白かった。
    読者を置き去りにするページもあるが、それもまたよし。

  • 途中よく分からないながらも読み終えた。位相幾何学のなんたるかもはっきり分からず。

  • 「ポアンカレ予想」
    ペレルマンとポアンカレ予想。


    ポアンカレ予想とは何か。それは、調べて頂くとして、この世界で最も美しく最も難解な数式に挑んだのは、天才の中の天才と名高いグリゴリー・ヤコヴレヴィチ・ペレルマンである。


    ペレルマンは、3つの驚きを多くの数学者に提供した。1つは、ポアンカレ予想を鮮やかに解決すると言う驚き、2つ目は、多くの数学者が位相幾何学(トポロジー)の観点から挑戦する中、微分幾何学や物理学的アプローチをとったと言う驚き、そして3つ目は、ペレルマンの解決方法は、さっぱり分からなかったと言う驚きである。


    しかしながら、本書は希代の大天才ペレルマンのみに焦点を当てた本では無い。地球は円形なのだ、と言う事から話は遡り、一歩一歩ポアンカレ予想に近づいていくのだ。


    地球は円形であると言うのには、コロンブスが絡んでくる。コロンブスは、地球は丸いと認識した上で、海を渡ったと言う。てっきり、コロンブスは地球を平面だと思い込んでいたと思っていたが、当時でさえ地球は丸いと言う認識で一致していたのだ。これは、知らなかった。そんな時代に世界を股にかけたコロンブス、少し悲哀を感じてしまうのは何故だろう。


    また、ピタゴラスやアリストテレス、プラトンも出てきただろうか。ギリシャ哲学黄金時代の話も登場する。やはり、謎はいつの時代も人を惹きつけるみたいだ。彼らの知らない歴史も知れて「へー」を連呼していた。


    そして、いよいよ、ポアンカレ予想である。この数々の数学者を楽しませ、悩ませる難題に向かうは、ペレルマン。ペレルマンの前に解明に取り組んだ天才達も必見だ。


    しかし、しびれる。

  • とっても興味深い内容。サイモン・シンの一連の作品と同様に数列などは一切出てこず前半は数論の歴史に終始するが後半からポアンカレ予想の核心に迫るためどんどん難解になってゆく。もうほとんど理解不能な領域だけど高次元空間の面白さは伝わってくる。本そのものの難易度で言うとフェルマーの最終定理やリーマン予想よりはるかに高いかも。

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