噂の女

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103003526

感想・レビュー・書評

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  • (2013年1月18日読了)
    奥田さんの、凄く嫌になる(二文字タイトルの作品のような)一歩手前の感じの作品。 といっても、読みたくないとかじゃなく。
    どこの地方だろうか訛りも、地方の因習もある。
    すべての章に登場している糸井美幸=噂の女=は、物語の人々の証言から、中学時代は目立たず、高校大学と変貌を遂げて行ったということがわかる。
    糸井美幸のすべての悪事は噂のみ。
    最後の最後まで楽しめた。

  • 読後、好きか嫌いか好みがはっきり分かれると思われる作品。どの登場人物も決して「いい人」ではないし、ラストも賛否あると思う。でも私はいつもの奥田さんらしい娯楽作品として楽しめた。

  • 糸井美幸という、何か人を惹きつける力のある女性をめぐる短編集。

    いろいろなところで、無神経に語られる、うわさ。
    いった当人は、すっかり相手を知っているではないけれど、発せられた言葉は何かの意味を持って存在するようになる。
    うわさされる人は、それなり気に人を惹きつけていることは確かなのだけれど、無責任な言葉がもっと、力を持って人の記憶に残っていく。

    にしても、噂を話す人たちがどことはなしに作る空気感、姑息な雰囲気が本の中から漂ってくる文章に感動。


    糸井美幸さん当人が語る場面はかなり少ない。最終的に、彼女はどこへ向かうのだろう。

    本の装丁がまたいい。
    帯がまたすごい。

  • 一話めの終わりが???状態だったけど、進むうちになるほど‼とおもった。ただちょっと、もう少し続きがほしかった(´・з・`)

  • 田舎町を舞台に謎の女・美幸にまつわる数々の黒い噂。その噂話に盛り上がり、翻弄される町の人々の様子が10章の短編にまとめられている。
    それぞれ単独の話かと思いきや、別の章とリンクしていたり、伏線になっていたりしているのは奥田作品らしいなど思った。
    美幸の悪女っぷりと翻弄される男の滑稽さ、さらに田舎町ならではのしがらみ・悪習といった人間模様が絡んできて面白かった。

  • 噂の女は謎のまま…
    奥田英朗のこう言う作品も好き。

  • うーん。面白くないわけじゃないんだけど。

  • 高校時代ぱっとしなかった女、井上美幸の短大卒業後の生き方を10章に分け、悪い女を綴っている。

  • 一人の女の噂を追った連作短編。
    悪女現る…。

  • 魔性です。

  • 美人というわけではないが、世の男をとりこにしてしまう美幸。
    自身の魅力を武器に、男をだまし、場合によっては女もだまし、
    金銭を奪い、場合によっては命までも奪い、
    羽振りのよい生活を送る。


    男に媚をうる様、
    計算づくの美幸の言動のくりかえしや、
    また美幸のまわりにいる人間の浅ましい言動に嫌気がさしてしまい、
    途中で読むのをやめようと思ったのだが、
    他人の人生を踏み台にしていく生き方が破綻しないわけがなく、
    どんな終わりがくるのだろうと、美幸の行く末が気になってがんばって読み進めた。


    現実にも、いますよこんな女。

  • 糸井美幸に関わった人達の話を元に構成されている。桐島部活…風⁈
    でも、つまらなくないが面白くもない。で⁈って感じで終わった。

  • 気分悪い。どこかでスカッとするのかと思いながら最後まで読んだけど、後味悪い。ただ、読み終えてから考えてみると、糸井美幸よりも周りの男たちのアホさ加減に、むしろ笑える。

  • 短編集かと思ったら『噂の女』が毎度登場し、数々の旋風を巻き起こしていくコミカルな作品。 妖艶だったり豪快だったり…最後まで謎の多き『噂の女』だった☆

  • 糸井美幸。こんな人物がワイドショーなどで報道されたとしたら
    きっとものすごい嫌悪感を抱いただろう。
    なのに読み終わってこの爽快感、嫌悪感どころか
    「ふふっ」と笑みまでこぼれてしまった。
    本当に悪いことをしてるかどうかわからない美幸より
    その周りでひしめき合う腐った人間たちの方がよっぽど
    不気味で醜かった。やっぱり奥田さんはすごいわ。

  • 今までの奥田作品と違って、読んだ後の爽快な感じがあまりしなかった。。。なんていうのか林真理子みたいなアッコちゃんの時代というか悪女について書かれているんだけれど、途中どんどん出世しているのかと思いきや、愛人になって殺人して・・・。それを追う警察もなんだか中途半端で・・・あんま好きじゃない話の展開だったなぁ~・・・。

  • 地方の田舎町の一人の女に関する噂。
    簡単に言えばそんな話だけれども。
    本人側から見た話はひとつもなく、全て廻りの人から見た話。
    奥田さんらしい、一人一人が いろんな悩みを抱えながら生活している、その中で ひょうひょうとのし上がっていく女。
    有吉佐和子さんの 悪女を思い出しました。
    うん、面白かった。

  • やっぱり、奥田英朗はこういうのがうまい!噂の女=糸井美幸、彼女自身の視点は一度も描かれず、常に彼女の周囲、しかも直接的接点の薄い、ある意味一方的に彼女に興味を抱いた人間ばかりが話者になっていることで、読者も噂話を聞いているような気軽な高揚感を味わえる。
    また、糸井美幸にはなぜか悪女モノにありがちな嫌悪を抱かない。その絶妙なさじ加減が、さすが!

  • そうか、こういうのをブラックユーモアというのか…
    それぞれの話が進んでいくうちに糸井美幸も成長していっていて、
    どうなるんだろかと思ったところでのラスト。
    決して爽快な終わり方ではないけれど、なんとなくおもしろかった。
    小説ならではだからだぁなー

    にしても、ちょっと地方都市バカにしすぎな感は否めない!!
    公務員万歳、天下り常識、酒気帯び日常茶飯事、ちょろまかしが常なんて
    このご時世ないでしょーよ

  • すごい女だなーと、保険金殺人…どんな最後が待ってるのかとわくわくしながら読んだら、肩透かしを食らった感じ(゚Д゚;)でも糸井美幸なら逃げ切りそうだなと、納得も…
    でも実際にこんな女いたらこわっ…(;´゚,∀゚)

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著者プロフィール

おくだ・ひでお
1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライターなどを経て1997年『ウランバーナの森』でデビュー。2002年『邪魔』で大藪春彦賞受賞。2004年『空中ブランコ』で直木賞、2007年『家日和』で柴田錬三郎賞、2009年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『最悪』、『イン・ザ・プール』、『マドンナ』、『ガール』、『サウスバウンド』、『無理』、『噂の女』、『我が家のヒミツ』、『ナオミとカナコ』、『向田理髪店』など。映像化作品も多数あり、コミカルな短篇から社会派長編までさまざまな作風で人気を博している。近著に『罪の轍』。

「2021年 『邪魔(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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