- Amazon.co.jp ・本 (158ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103055310
作品紹介・あらすじ
時には風景までをも歪める「奇景・奇観」。都市の奇怪な象徴を意図した「奇塔・奇門」。不思議な形をきわめた「奇態」。知的研鑽を提起する「奇智」。自己流の風流をここまでやるかと思わせる「数奇」。神仏の霊験を表現した「神奇」。既成概念に確信犯的に叛く「新奇・叛奇」。どこから見ても、なんだかヘン!奇妙なかたちの建物が私たちに語りかける77の旅の物語。
感想・レビュー・書評
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世界各地の変わった建築物を見開きでひとつずつ紹介している。
紹介者が、隈研吾、藤森照信など豪華で面白い。
メジャーなものからかなりマイナーそうなものまで、公共施設から宗教施設、果ては素人が作り上げた建築物まで、扱われている建築はさまざまで単純に興味深かった。
世界には(日本にも)いろいろなものがあるんだなぁ。
経緯やら文化やら背景がわかるともっと面白いんだろうなと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
何か巨大な工場とか研究所とかの写真がないかと探していて手に取り、自分が求めるものとは趣向が違うものの、写真に添えられた解説も簡潔かつ興味深くて、どのページも面白く全てに目を通しました。
中でもリカルド・ボフィルのアブラクサスという建築物。
巨大な大学のような雰囲気が気になり、紹介されていたウェブサイトを訪れ、さらなる写真を見ると…全貌はモニターの前でうわぁって呟く格好良かった。
解説によるとパリ郊外にある低所得者向けの集合住宅らしいのですが、とてもそうは見えない。「宮殿」というあだ名もあるとか。
ヨーロッパでは低所得者向けに家賃の安い公営住宅を建て、低所得者地域をスラム化させないという伝統があり、このアブラクサスはさらに殺風景になりがちな公営住宅を重厚な威厳ある外観にすることで、住人たちに豊かさと誇りを与えている。
ボフィルはローマ流の古典主義様式の名手で、力強い柱を使ったデザインで印象的な空間を作るのが得意であり、この公営住宅では費用の安いプレキャストコンクリートでも十分な迫力をもたらしている。
(ほぼ抜粋)
他のポートフォリオも大変見やすく、息をのむくらい美しい建築がフルサイズの写真で紹介されていて、素晴らしいサイトです。
という建築家に出会えた一冊。 -
世界の特筆すべき建築について、
建築家、建築史家、新聞記者がつづった新聞連載の
写真&エッセイをまとめた本。
「奇想遺産」の名にふさわしく、
「奇想」に基づくもので、「遺産」にふさわしい歴史的価値の
ある建築物が多数紹介されている。
2ページ1項目の読みやすい構成ではあるが、
1項目の分量の少なさが残念。記事、写真ともボリュームがなく、
特に写真は連載時の都合か、全項目において各2点限定で、
建築の全体像が把握しづらいものも多い。
せっかくフルカラーなのにね。
(まあ大半はインターネットで探せるものではあるけど)
また、書籍サイズがもっと大きければ写真も
広く載せられるだろうにと、ないものねだりしてしまうのは、
掲載対象が興味深く、もっと!と思ってしまうためです。
さて、そのエッセイの内容だけど、5人の筆者によって
多少のレベル差がある。
執筆者全員に、建築や歴史、建築周辺の知識に関しては
水準以上のものがあるのだが、
残念なことにエッセイの構成や表現が陳腐なものが含まれ、
しらけてしまうことがあった。
あれだ、どの新聞の一面にもある、気の利いたことを
書こうとして空振ってしまう、あのコラムのニオイだ。
好みの問題なので、また違う評価もあるだろうけど、
一番好きだった文章(上手という意味ではない)は藤森照信氏、
一番がっくりきたのは隈研吾氏。
隈氏の建築は結構好きだが、エッセイは氏自身の感傷が過剰で
いただけなかった。
とはいえ、文章を楽しむ本ではなく「奇想遺産」である建築を知り、
眺める本なので、駄本では決してない。
続編もあるようなのでいずれ読むかな。
個性的な建築に関心のある方にはオススメ…
だけど、類書が他にあるかもしれない。 -
【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
https://opc.kinjo-u.ac.jp/ -
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写真は美しい
ふしぎ建築とか題してるが、それほど奇を衒う建築物はなく良くしられた大物が多い
文章は余計で不勉強かポエムの類いでせっかくの素晴らしい建築の興をそぐもので残念 -
楽しいが、写真もっと見たい。そこはじぶんで行って見ろということか。
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「奇景・奇観」「奇塔・奇門」「奇態」「奇智」「数奇」「神奇」「新奇・叛奇」と章構成されている通り、まさに不思議かつ魅力的な建物ばかり!時々、取り出して眺めたい1冊。
でも、取り上げられている国・地域に偏りがあるような気も・・・。第2弾って、上梓されるのかしら?