劇場

著者 :
  • 新潮社
3.44
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本棚登録 : 3380
感想 : 429
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103509516

感想・レビュー・書評

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  • 劇場
    火花がかなり良かったので読んでみたが、正直期待よりはかなり普通だった。なんというか、面白くないといえばそれまでなのだが、火花ほどみんなが楽しめるストーリーではないなというイメージ。太宰治や芥川の様な極めて文学的な言い回しと、ストーリーがかみ合っていないようにも感じてしまった。

  • 主人公は『コンビニ人間』の白羽を彷彿とさせるクズ男でした。沙季ちゃんが健気でね、なぜこんなクズと一緒にいるのだと、僕が親ならこの男を叩き潰しますね。
    と、思わせるあたりは又吉直樹、才能あるんだなと。『火花』でもそうでしたが、何かに夢中になってまわりが見えなくなっている男を書くのがうまい。口喧嘩の場面なんかは、よくあれだけの言葉が出てくるなと関心。
    ちょっと細かいけど、前半部分では人が多くいる様子を「人込み」と表現していたのに、後半では「人混み」となっていたのが気になりました。意味が違うのか?
    総合的には満足、三作目も出してほしいですね。次はまったく違う人物を描いてほしいです。

  • 永田よ、難しく考えすぎだ。。

  • はっきりいえば、わたしにとっては、読むに耐えない内容でした。演劇に身を捧げる主人公の「堕落的生活」の様を延々と見せつけられただけなら良いのですが、沙希という女性が巻き込まれ、振り回される様が同時に描かれることで、よりそれが際立ち、ほとんど上辺をさらっただけで終わってしまいました……。なので、内容の論評はできません。

    自分自身に堕落的なイメージを持つことを意識したときから、社会へ適合することを悪いことと捉えるようになり、社会に適合している自分に気づいたときにまた、それを避けるようにして自らのイメージの中に閉じこもってしまうということは、人間の心理としてあるあるだと思います。自分の中のそういう部分を感化されるから、読みづらいというのを差し引くにしても、この主人公の物語にはなかなか入り込めませんでした。

    途中、作者の哲学的な独白を主人公に語らせている部分があり、考察に値するだろうというポイントはあったのですが、そういうわけで、この本はノーカウントで、★2にします。

    ということで、積読にします。

  • テーマは好きだったし、着眼点もいちいち感心したけど、文体が苦手だったかも。。

  • 又吉さんの「火花」には、かなりガツーンとハマったクチなのですが、そんな又吉さんの小説デビュー2作目?となるこちらは、、、うーむ。すみません。あんまピンと来ませんでした。

    「火花」は、「うーん、わかる!わっかるわあ~その感じ。どうにも分かってしまうんだよ!!」ってギュンギュンと共感できたのですが、こちらの「劇場」は、、、「うーん、、、なんだかなあ~、、、」って感じ。この違いは一体、何?自分でも、よく分かりません。

    まー、まずもって、主人公の永田くんを、ちっとも好きになれなかったですね。なんやコイツ。嫌なやっちゃなー、って感じで。すみません。全然好きになれませんでしたね。

    あとは、永田くんと付き合う事になる、沙希ちゃん。うーん、、、これまた、、、なんだかなあ~、って感じで。単なる、激烈抜群に都合の良いだけの女の子じゃん?みたいな感じで。聖女?聖女なの?この子は。永田くんにとっての、単なる都合の良い女やんか?みたいな。そんな印象で。なんだかなあ~、ですね。感想としては。

    逆に、青山とか、野原とか、フツーに好きです。この人たちは。永田くんの言う事より、青山の言う言葉の方が、なんだかフツーに好きですね。あと、野原、ちょー良いヤツやんか。うん、良いヤツやね。

    題名が「劇場」なのですが、永田くんと沙希ちゃんの恋愛模様?みたいなんが話のメインで、演劇と劇場の登場頻度、多くないやん?みたいなノリの話だったと思うんですが、コレって、西加奈子さんの「舞台」と一緒のテーマですよね?

    西加奈子さんの「舞台」は、この世の中そのものが舞台なのだ!生きることは即ち、舞台に立っているようなものなのだよ!というテーマで書かれた作品だと、自分は勝手に思っているのですが、又吉さんの「劇場」も、「人生そのものが劇場なのだよ!人が生きるという行為そのものが劇であり、この実生活が劇場なのだよ!」ってこと?ですよね?ま、僕は、そう理解しました。

    言わんとすることは分かる。伝えたいことも分かる。でもまあ、話の内容自体が、どうにも好みではなかった。残念だった。そういう作品でしたね。でも、又吉さんの人となりとその考え方は間違いなく好きなので、とりあえず次は「人間」も、読んでみたいですね。あと「火花」も、タイミングがあったら、読み返したいなあ~、ってか、映画版の「火花」と「劇場」は、それはそれで観てみたいですね。

  • 火花に比べて読みやすかったけど、それでも関西弁は読みにくい。

  • 主人公の永田が気持ち悪すぎるし、人間として最低すぎて、読むのがダルくなるくらいだったけど、それを文字で感じさせてしまう又吉はすごいと思った。

  • なんだろう。出会って、一緒に暮らして、別れる。それだけの話。悪くはないけど。永田はダメだなぁ。でもこんな人多いのが今の世の中。

  • 「火花」は結構好きだったから、こちらも読む。 しかしながら、「劇場」はちょっと... 主人公がクズ。ヒロインも優しすぎるというか、ダメだと思う。なんとか読み終えたがキツイかな。

著者プロフィール

又吉直樹(またよし・なおき)
1980年、大阪府寝屋川市生まれ。2003年より、お笑いコンビ「ピース」として活躍。2015年『火花』で第153回芥川賞受賞。代表作に『東京百景』『劇場』『人間』など。

「2021年 『林静一コレクション 又吉直樹と読む』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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