吐きたいほど愛してる。

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 102
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104732012

感想・レビュー・書評

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  • うへ〜。
    偏愛物は好きだけど、あまりに偏愛、いや、ゲテモノ愛過ぎた。食事前は読まない方が良い。
    吐きたいほどって、狂った純愛(耽美)と思ってたのに〜。グロいというか、ゲロいというか…。うえ〜、と思いながらも最後まで読んじゃったけど、

  • 本当に気持ち悪い、黒新堂全開の恐怖の短編集。詳細→http://takeshi3017.chu.jp/file4/naiyou5508.html

  • とーにーかーくー臭かった。

    悪臭描写のオンパレードに眉間にシワを寄せながら
    親指と人差し指で本をつまみながら読んだ。
    『半蔵の黒子』
    歪んだ愛情表現、思い込みの激しさの部分がとても上手に書かれていてとても怖い。
    しかしこの話しがいちばん臭う。
    ここまで書くか…というくらい半蔵が臭い臭い。
    『まゆかへの恋慕』がいちばん好き。

  • わたしは,白新堂しかまだ読んだことがない。
    この作品は,ある意味での純愛であるならば白新堂なのだろうか。
    でも,人のどす黒いところも表現している意味で言えば,黒新堂でもあるのか。

    暗黒純愛小説集・・・。
    暗黒純愛・・・内容はどれも愛を受ける側が抱く恐怖があった。
    小説集ということで,全4作品。
    『半蔵の黒子(ほくろ)』
    ・・・これは何より初っ端なのに一番グロテスクな作品。読みながら場面を想像するだけで気持ち悪くなってしまった。物語の内容は,自分の妄想に溺れる男のはなし。
    あまりミステリーやホラー小説を読まない私なので,過去にグロテスクと感じたのは,綾辻行人の"人の焼け焦げる"表現と,人が切られた際の"肉片ある脂肪"の表現以上に気持ち悪さを感じた。

    『お鈴が来る』
    ・・・円満だった夫妻。その妻に襲い掛かる恐怖と夫を信じたい想い。その狭間で狂っていく妻。妻が思いを打ち明けてくれれば,夫がもっと妻の様子を気遣うなどすれば,そんな結末にはならなかったのでは?と思う。

    『まゆかの恋慕』
    ・・・恋慕(れんぼ)とは恋い慕うこと。本作品中でこの中では一番,綺麗と感じる作品。綺麗というのは曲がっていない,いわゆる一般的な"愛"を感じるということ。登場人物のまゆかが可哀そうでしかたなかった。辛いだろうけど二人で共に生きていく選択もあったはずだ。

    『栄吉の部屋』
    ・・・実の娘に虐待される寝たきり老人の物語。高齢化社会だけあり,フィクションなのに生々感じてならない。娘を愛しすぎた故であり,またこれも自分の妄想に溺れた男の物語。


    この作品は,
    読んでいて気持ち悪くなる場面が多々ある。それもあって繰り返し読むことはそうはないと思う。わたしはあまり"どろどろした人間関係"や,"人の汚い部分",を物語として読むことを好まない。
    読む前は,タイトルから曲がった愛なのだと思ってはいたが,ここまでいくとは思わなった。

  • オムニバスで読みやすかった。好きで好きでしかたなくて吐きそうになることが自分にもあったので、タイトルで共感した。まあ、いつものタイトル買いな訳だけど。純粋過ぎる愛は時に猟奇的になるなと改めて思った。

  • グロ耐性の無い方なら、読めばダイエットが成功しそう。
    ウジとゴキブリを食べるシーンはキツかったけど、ウジ料理の方は「肉ウジチャーハン」というネーミングと、毒島半蔵の物凄い勘違いっぷりのお陰で、まだ笑えた。

    英吉には毒島よりも殺意を覚えた。キャットフードなんてまだ手緩い。こいつにこそウジやゴキブリを食わせてやりたい。

    吉美とまゆかと一美が哀れでならない。

  • 世の中悲しいよ。でもそれも人間のありのままの姿。

  • こんなの愛じゃないし。
    っていうか、チャーハン嫌いになりそうだし!

    [ 余談 ]
    『 黒子の半蔵 』 の毒島半蔵が、知る人ぞ知る"小麦粉王子こと雪柾"とダブって仕方ない。
    元気かなあ、雪柾。 → http://yukimasazabi.seesaa.net/

  • 短編集。これはヒドい。桐野夏生は心のグロさだけど
    こっちはリアルにグロ注意だった。嘔吐寸前。読後も嫌な感じが残った。
    インパクトは抜群。夢中でページをめくった。

  • ◆半蔵の黒子・・・毒島(ぶすじま)半蔵は、納得がいかなかった。なぜこんなにも思いやりがあり、成績も優秀な自分がこれほどまでに人生がうまくいかないのか。全てはこの名前と頬の黒子が原因なのだ。
    ◆お鈴が来る・・・家に帰ると今日も待っている、結婚した当初とは何もかもが変わり果ててしまった精神的に病んだ妻の吉美。しかし彼女を精神病院に入れるわけにはいかない。全ては自分のせいなのだから・・・。
    ◆まゆかの恋慕・・・アパートの前に座り込んでいた見知らぬ女の子。ひどい怪我をしているのを放ってもおけず、僕は彼女を部屋に招き入れた。
    ◆英吉の部屋・・・なぜこうも実の娘である光子はわしにひどい扱いをするのだろうか。介護という名の虐待。わしは今まであんなにも光子を大切に育ててきたのに。

    以上4編の短編集。純愛ではなく、どこまでも狂った愛情。グロテスクな表現多め。

    ”黒新堂”の本領発揮。どれもこれも「ここまでいくか!」という程究極に偏った狂った愛情表現満載。「自己の中心で愛を叫ぶ!」というのはなんと的確なキャッチフレーズだろうか。確かに気持ち悪い表現のオンパレードだが、それだけではない物語のおもしろさは確かにある。

    ◆半蔵の黒子・・・やはり4編の中で最もインパクト大な作品はこれであろう。主人公の描写がもう、ありえないくらいに醜い。これ、映像化したらモザイクものだよね?(^^;全ての物事を自分中心に考え、自分の都合のいいように解釈する。勘違いもここまでくると、逆に感心してしまう。この男の思考回路はすごいな!
    ◆お鈴が来る・・・物語として一番うまくできていると思うのはこれ。オチもきちんとあって、ヒヤリとした感覚も味わえる。でもこれはまぁ、自業自得だよね。
    ◆まゆかの恋慕・・・この作品だけ少し他の作品と色が違う感じ。純愛といえば純愛。最後だけ思いっきりホラーだけど。

著者プロフィール

1998年作家デビュー。2003年『忘れ雪』が大ベストセラーとなる。『ある愛の詩』『あなたに逢えてよかった』と続く“純恋小説”という新ジャンルを打ち立て、話題となる。著書に『動物記』『ブルーバレンタイン』など多数。近年、『虹の橋から来た犬』がスマッシュヒットとなる。

「2023年 『なごり雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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