反省させると犯罪者になります (新潮新書 520)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106105203

感想・レビュー・書評

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  • 反省させるのではなく、自己理解を深めること。
    否定的感情や本音を出せる関係づくり。

  •  刑務所や少年院における矯正教育の在り方は,一般の人にも深く関かわることだとわかりました。
     単に反省を求めると表面的になる。それよりも先に「なぜ迷惑行為に及んだのか」理由を考えていく。支援者と一緒に理由を突き詰め,気持ちを言葉にしながら,自分でも気付かなかった心の奥底の気持ちを探し出す。
     親や人に愛されたいという思いが満たされない。多くの人が疑わない「こうあるべき」という価値観や正論が人を追い詰めることがある。

  • 事を起こした時、当事者は「反省しない」ことは自分も同じ。
    表面的には反省しているふうに振る舞うがほんとうは「反省はしない」。
    我慢しなくていい、一人で頑張らなくていい、弱音を吐こう、人に頼ろう、ありのままの自分でいい、には同感である。

  • 反省を強要するのは逆効果である。ということは十分理解できる。けれども殺人等の重罪犯にも・・と考えると、またちょっと違った気持ちが湧いてくる。もし自分が被害者側の人間だったら・・。

  • #読書開始
    ・2015/6/26
    #読了日
    ・2015/6/29
    #経緯
    ・尊敬する上司が読んいたため。
    ・業務に活用できそうだと思ったため。
    #達成、満足
    ・活用できるポイントがあるので十分だが、説得力に欠けるので3評価。
    #感想
    ・「犯罪者になります」というタイトル通り、主な対象者は受刑者。それは、著者が仕事で受刑者の更生を支援しているから。
    ・世の中の反省は反省ではなく、表面上のもので根本的解決には至っていないという。過ちを犯したものが、二度と犯罪をせずにまっとうに生きるには、更生させること。
    ・事実を聞き、ありのままの自分を認め、愛情に触れ、更生させる。正論をかざしてはいけない。最もだが、著者も人間であり、自分が被害者の立場になれば、それは無理だとも言っている。要は予防となる教育を変革すべきなんだろうが、説得力には欠ける。
    ・学生、部下、犯罪者、子育てに活用できるが、時間がかかり、マスターできるのかどうかは疑問。
    #オススメ
    ・管理職、教育関係者にオススメ。

  • 内容は理解できておおむね賛成するが、具体的なエピソードに乏しく説得力に欠ける。著者の経験からすれば適当な事例がいくつも見つかるはずだ。またデータをとっているわけではないので、著者の"経験"しかよるところのないのは寂しいところだ。
    本当ならデータ解析をしてほしい。
    また著者はほかの研究者をやたらけなすところがあるのがきになる。
    とはいえ本書が"反省"というものになげかけた大いなる疑問は、犯罪者の矯正だけでなく教育分野においても有用なものであるように感じる。

  • かなり挑発的なタイトルだけど、決して反省それ自体を批判したものではなく、他者が一方的に反省を強いるという姿勢について批判をしている。

    で、なるほど、とは思う。
    特にいじめに関する提言は、かなり説得力があると思う。

    ただ、語られているのは「それらしい理念」なのが惜しいんだよねえ。
    結局著者の取り組みが、取り組まない受刑者と比べてどの程度効果があったのか、とか、なんらか量的な根拠を提示してほしかった。
    これからデータをためていく段階なんだろうかねえ。

  • 反省文は抑圧を生む
    被害者の心情を考えさせると逆効果
    頑張るしつけが犯罪者をつくる

    2015/05/03読了

  • 教育相談の講義のネタにKindle版を買ってみた。
    言っていることは、まあ分かるけれども、「反省」をキチンと定義していただきたいところですな。

  • パッと見で、なんだか違和感を感じるタイトルだが、反省文を書かせる更生は効果がなく、罪を犯した人が自分の内面と向き合って、自律的に反省の念が湧いてくるようなものにしないといけないという本。

    理論として正しそうに思うんだけど、この内容で更生を受けた犯罪者の再犯率がどうなのか実際のデータが見てみたい。

    あと、どうでも良い疑問だが、酒井法子だけ、なぜかさん付けで呼んでいる。

    ---

    問題行動はチャンス。なぜ子供が問題行動を起こしたのかを考える機会を与えられたのだ。

    普通の反省文は本音を抑圧させる。すると抑圧が抑圧を呼び、やがて爆発する。

    まずロールレタリングで否定的感情を全て吐き出させる。内面を見つめたり他者への理解をすることで落ち着きを取り戻し、結果的に反省に至る。

    幼少期から抱き続けてきた寂しさやストレスを克服するために、必要以上に自分を強く見せることで他者から認められたい。それがエスカレートすると結果として犯罪に手を染める。

    しっかりしたしつけをし過ぎると、いじめられても親に迷惑をかけたくない、恥ずかしいという考えにつながる。子供に大人の振る舞いをさせてはいけない。

    加害者の視点だからこそ、本音が出せる。本音が出ないと、自分の内面と向き合えず、表面的な教育になってしまう。

    指示や命令ばかりする親は、子供は親の指示や命令に応えているかどうかを常に親の反応を伺うようになる。すると、内発的な道徳感ももてなくなる。

    子供が本音で話している時、親は正論を言ってはいけない。必ず親が勝つので、親子関係が悪化し、二度と本音で話してもらえなくなる。

    絶対的に正しい価値観あるいは間違った価値観など存在しない。見方を変えれば長所にも短所にもなる。

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著者プロフィール

立命館大学教授

「2012年 『ロールレタリング』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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