- Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106105203
感想・レビュー・書評
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【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 それは本当に反省ですか?(2度の接触事故を起こした時の私の本音/「後悔」が先、「反省」はその後 ほか)/第2章 「反省文」は抑圧を生む危ない方法(「模範的な反省文」から読み取れること/反省は抑圧を生み、最後に爆発する ほか)/第3章 被害者の心情を考えさせると逆効果(被害者の視点を取り入れた教育/矯正教育なんかしない方がマシ? ほか)/第4章 頑張る「しつけ」が犯罪者をつくる(りっぱなしつけが生き辛さを生む/「しつけ」がいじめの一因に ほか)/第5章 我が子と自分を犯罪者にしないために(問題行動の背景をいっしょに考える/親から「迷惑をかけられたこと」を考える ほか)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
受刑者にどこまでの効果があるのかは素人には分からないけれど、
感謝、嬉しさ、悲しさ、寂しさを素直に伝える力と聞いてくれる人間関係を複数持つことが大事なんだと勉強になった。
ただ場当たり的に反省させるより、長期的に見て自身を掘り下げたほうがいいというのはそのとおりだと思う。そもそもすぐさま反省できるならなんでやった案件だし。後悔≠反省
偏見だけど、頭と要領が良い人ほど良いと言われる反省文を書きそうで、そこら辺怖さがある。 -
「反省させると犯罪者になります」という衝撃的なタイトルに惹かれて読み始めたのだが、筆者の経験や事例などに触れるにつれ、いちいち納得してしまった。
「『後悔』と『反省』はまったく違います」(P25)という言葉には特にハッとさせられた。自分にも思い当たることがちょくちょくあり、深く反省することの難しさを実感した。
反省するためには自分の内面に向き合わなくてはならないが、これはかなり勇気がいることだと思った。筆者のような専門家が支えてくれることが一番だと思うが、現状では圧倒的に人手が足りないというのが残念。
本書では家庭内の躾に対しても言及しているが、まずはその辺りからスタートさせて、一人ひとりの意識が変わっていけばいいなと思う。 -
反省させないのではなく
最初に反省させるのではない
ということ
最初にするのは、なぜ自分がそんなことをしたのか、内面を掘り下げること
1人ではできないので支援者が手助けしながら
反省はその後
順番が大事 -
教育者は読むべき本。反省させると、犯罪者か精神疾患者が生まれてしまう。生徒指導の仕方をすぐさま見直そう。また、いじめ教育にも言及している。どちらも、被害者の視点で考えさせるのではなく、加害者から考えさせる方法が非常に効果的だと感じた。
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何ともショッキングなタイトル。
犯罪者って、大げさな…と思ったものの、著者は無期懲役囚の支援、更生の実践者で、これまでの経験から、反省させることが人を能くすることにつながらないと主張する。
世の中は反省にあふれている。ネットもマスコミも不寛容で、反省しなければ総叩き。学校でも家庭でも、迷惑をかけた相手の立場を考えて反省することが、悪を正す唯一の方法のようだ。
しかし筆者は、過ちを犯した人にとって、相手の立場で考えることは容易ではない、まずは自分がその行動に至った内面、溜めていたことを知ることが必要と説く。例えば刑務所の受刑者のケースでは、大きな犯罪の前には薬物や子供のときの軽犯罪があり、そこには親からの愛情不足、共感不足があることに本人が気付くことで、はじめて更生のスタート地点に立つ。
確かに、問題行動は抑圧された感情が表面化したものであり、小さいうちに向き合うことが大切だが、向き合う技術のない人が支援しようとしても上手く行かないだろう。親になる人、教師になる人は、そういう勉強が必要だと思った。 -
自分もやりがちな、結局子どもから「ごめんなさい」を言わせるがための指導。
この問題点について、犯罪者更生の視点から書かれている。
著者が他人の車にぶつけてしまったときの素直な心情は、確かにと頷いてしまった。
結局自分が一番かわいい、人間という生き物にとって、はたして言葉だけの「反省」や「謝罪」にはどれだけの意味があり、持続性があるのか。
この本を読んで自分が変わったことは、「どうしてそんなことをしたのか」との“結果”を聞かずに、「なにがしたかったのか」との“経過”を聞くようになったこと。
子どもは不完全な生き物。
失敗から学ばせてあげたいと改めて思った。 -
タイトルは過激だが、著者の意図は、世間で常識とされている悪い事をしたら反省、というのは、本当の反省にはならない、ということである。実際に刑務所で教育プログラムを実施している著者の言葉は重く、心に迫る。