反省させると犯罪者になります (新潮新書 520)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106105203

作品紹介・あらすじ

「悪いことをする→反省させる」は逆効果! 累犯者は「反省」がうまい。本当に反省させるなら「加害者の視点で考えさせる」方が効果的――。犯罪者のリアルな生態を踏まえて考えた超効果的な更生メソッド。

感想・レビュー・書評

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  • 子育て世代、誰かを指導する立場にある人すべてに読んで欲しい良書でした。

    ありのままの自分を愛する大切さ
    人に頼ることの大切さ

    これを実現するためのノウハウを具体例をたくさん挙げ解説しています。

    【すぐ取り入れたい事】
    ⭐︎子どもの前で夫婦喧嘩をしない
    ⭐︎自分を受け入れてもらったら「ありがとう、嬉しい」と言葉に出す。当たり前と思うことをやってくれただけでもOK!
     例「今日も元気に起きてくれて嬉しい!」
    ⭐︎逆に受け入れて貰えなかった時は「悲しい、寂しい」と言う。ブチギレない。
     例「一体何回デートに遅刻するんじゃ!このボケカスが‼︎社会人としてあり得んやろ‼︎」ではなく、「デートに遅刻されて悲しいわ。」と言う。

    【新しい観点を得た点】
    ⭐︎被害者感情をコンコンと伝えたところで心に響かない。→思い返せば道徳の授業、免許更新のビデオで人生変わった!という衝撃を受けたことはない。
    ⭐︎負の感情を吐き出し尽くすところが反省への第一歩。他責の感情100%でOK。
    ⭐︎なぜ問題行動をしなければならなかったのか、その理由、背景を順々に深掘りする。
    ⭐︎自分を受け入れる(認める、愛する)事ができて、初めて他者視点の感情を考え始める事ができる。

    【犯罪に焦点をあてて新しい観点を得た点】
    ⭐︎罪への罰が量刑なのであり、「反省」したら減刑になるのはおかしい。刑罰は刑罰として受け入れる必要があり、反省とは区別して考える必要がある。
    ⭐︎逆説的ではあるが、真に反省し幸せになることが、被害者への罪の意識を更に深めることになる。

  • んなアホな!
    というタイトルに惹かれて一気に読了!
    内容はとても真面目で納得できます。
    反省がだめなのではなくて、反省させる前に考えさせることがあるでしょう!という一冊!



  • 感情の抑圧は犯罪につながる可能性がある。
    反省は形だけが多いという事実に納得もした。
    やはり、自分の心を知ることが大切。
    問題行動はチャンスという見方ができる。
    必ず問題行動には理由があるから。心の中の問題に気づけるチャンス。
    反省させるのではなく、耳を傾けるが重要。
    プライドの高い子ほど自分が弱いと感じている部分を言えない。だからこそ言ってくれたときは、そのままを受け止める。
    まず最初に反省や罰を与えるのではなく、気持ちに寄り添うことが大切。
    犯罪者だけではなく、これはみんなに言えること。
    自分の内面と向き合う機会を奪ってはいけない。問題行動こそが、自分の心と向き合うチャンス。
    子供に対して、周りの人に迷惑だから、と言って叱るのは考えた方が良い。
    なんでもかんでも当てはまるわけではないが、やめてほしい行動の奥には、子供の寂しさやストレスが隠れているかもしれない。
    「自分から相手へ」の順番が大切。
    自分を丸ごと受け止めてもらえたという実感があって初めて相手へと意識がむかう。
    (真の反省はここから)
    どんな場合でもその時何が言って欲しかったのか?何をして欲しかったのか?
    を想像して、
    言葉や行動で過去の自分ができなかったことを今の自分がリアルに想像してあげることで過去の記憶の書き換えを行う。
    そこで悩みを成仏させる。
    愛情不足で育った子供は歪んだ価値観を形成し、その歪んだ価値観を疑うことなく、信じて、自分を守るために罪を犯すこともある。
    その時は表面的にうまくいっていても、
    心の奥底にある感情が満たされない限り、
    心から安らげる感覚というのは得られない。
    親が問題の場合、今の年老いた、親を想像するのではなく、昔の親、昔の自分を想像する。
    「本当はどうして欲しかったのか」と言う問いを頭で想像するだけではなく、紙に書く、相手に言っていることをイメージして、書くことで思いが成仏する。
    子供と親でも横のつながりを意識することが大切。
    正論は間違っていないからこそ子供は何も言えなくなる。
    それが心を閉ざしてしまう原因になる。
    親のせいで歪んだ価値観を形成してしまったとしても親を責めるのは違う。
    なぜなら親もそう言った価値観を植え付けられて育っているから。
    大切なのはそこに気づくことから。そこが初めの一歩になる。
    この順番が大切。
    親がいいそうなことを想像していってもらい、その後に出た答えに対して、
    質問力によって、自己開示の度合いが変わってくる。
    質問者のスキルが問われる。
    その後、ホントはどうして欲しかったのか?と言う流れまでがセットで、大切な向き合い方。
    問題行動があった時、本人に「今回のことを良い機会にしたい」と言う前置きを置き、
    受容的姿勢でいることを伝えることが大切。
    問題行動でなくても、
    本当はどうして欲しかった?と言う問いは有効かもしれない。
    否定的感情がダメなものだと言う認識を外してあげて、とにかく不満やお願いなど含めて自己開示してもらえることが大切。
    本人にも気づいていない「何か」を気づかせる声かけや質問がとにかく大切。
    寄り添う人は、たくさんの適した質問を用意しておき、
    そしてそれらの書かれたものから読み取る力が必要。
    表面的に書かれているものであれば、どの質問にすればいいのかなど、判断がとても難しい。
    誤りを正すのではなくて、寄り添い、共に考え、立ち直ることを援助していくこと。
    全ての人に対して、大切な向き合い方を学ぶことができた。

  • 中々の良書。
    何か悪いことをした時、反省させる文化が日本にはあるが、それは社会を満足させる詭弁に過ぎず、問題の本質的な解決にはならない。
    犯罪者だけでなく、教育、経営にも当てはまる内容であった。
    人の本質的なことが書かれている。
    反省させることが再発防止だと考えている人には、是非読んでほしい。

  • 反省、、ニホンザル思い出しちゃった昭和生まれです。
    学校で、勤務先で、指導を受け、表面だけの反省。しかしその内面は?
    子どもがいる人、教育に携わる人、部下をもつ立場にある人、本書の内容に思い当たることがあるはず。

    2013年の発行なので、そこからもう10年。コロナ禍も経て、新たな知見を得た上での筆者の更生論を読みたかった。ご冥福を祈ります。

  • 人を傷つけてしまうのは、自分も傷ついているから。
    加害者は、被害者への恨みの言葉が出る。
    あいつのせいで刑務所にいる、等。
    加害者は、本心を語らず上べだけの反省の態度を取る。
    刑務所から早く出たい、減刑されたい、等。
    反省する心持ちにするために、まずは負の感情を吐き出させることが大事。

    面白かった。
    加害者がなぜ加害者になってしまったのか?
    反省したはずなのに加害者がなぜ再犯をしてしまうのか?
    本当は自身が反省することが大切なはずなのに、他人に反省させられてることがいけないってことなのかな。
    すごく本質的なことを書かれてると思いました。

  • ケーキの切れない非行少年たち
    で、影響を受けた本として

  • ★★★★
    今月5冊目。
    勉強になった。かなりセンセーショナルなタイトルだけど、いきなり何かやってしまった人間に、なぜ起きたのかを考える事なくいきなり反省させようとしても無駄だという事。
    まずは傾聴からロールレタリングなどで突き詰めていき最後は内発的に真剣に反省できたら更生。
    我が子にこの関わり方は通じるのだろうか。

  • 図書館にて。
    反省って改めて思うと漠然とした言葉だなと思う。
    それを具体的に言葉にしたものが反省文なんだろうけど、確かに私も子供のころ反省しなさいと言われてもぴんとこなかったし、中学時代のいじめっ子たちもいくら反省文だの廊下で正座などさせられても行動が改まることはなかった。
    この本を読めば誰もがその理由について腑に落ちることだろうし、実際にそれを実行している立場の人たちも自分たちがどれだけ不毛なことをしているか思い知ることだろう。
    なのに何故何も改善しないのか。
    今までやってきた自分自身を否定することになるのだろうし、システムを変えたり他人の行動も変えていくのも難しいのだろうな。
    指導する側こそ日々の勉強、改善への努力が必要なのだろうし、責任もあるのだと思う。
    子どもがいるから親だけれど、子供を教育する立場で言うなら全然素人の私。
    子どもがいるからこういう本も手に取ろうと思えたし、勉強になった。
    素人なりにこれからも勉強していけたらなと思う。

  • 問題行動があったらその背景を一緒に考える
    反省させても意味ない
    問題を起こしたことは子どもの将来のためにしたいと
    思ってたことを自由に話してと
    子供が本音を話してるときに正論で言ってもだめ
    開きかけた心を閉ざす
    本当に親に言いたいことを書いてもらう
    更正は更に生きるつまり立ち直ることで、誤りを正すではない

    ありがとう嬉しいをいう
    言えない人は甘えられない人
    怒りの感情には自分を受け入れてもらっていない愛されていないという悲しい感情がある
    子どもの部分を大事に
    ありのままの自分を出せる人こ強い人
    感情に素直な人
    家庭でもありのままが出せる場を

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著者プロフィール

立命館大学教授

「2012年 『ロールレタリング』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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