- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106105869
作品紹介・あらすじ
本書は、時代劇への“檄文”である――。なぜ時代劇は、つまらなくなってしまったのか? 華も技量もない役者、マンネリの演出、朝ドラ化する大河……凋落を招いた“真犯人”は誰だ! 撮影所取材の集大成として、悲壮な決意で綴る時代劇への鎮魂歌。
感想・レビュー・書評
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画時代劇を考察した本。 国民的エンタメだった時代劇が瀕死の状態だという。 要因は、エンタメの多様化、制作側の甘え、表現の制約、時代考証の厳格化、役者の不在、監督の質の低下、プロデューサー脚本家の問題など。 時代劇はある意味、過去の出来事を題材にしたファンタジーなのだが、時代劇ファンは高齢化し、オタクはより正確でリアリティのある表現を求めるようになった。 制作側は、世代交代が進まず人材育成制度がない、予算などの制約も多く、企画はマンネリ化してしまう。 視聴者に飽きられたのが現状だ。著者は、時代劇研究家だがその将来は悲観的に見ている。 この本は、2014年発行で人気時代劇水戸黄門が終了した後に状況を考察したものだ。 著者が危惧していた通り、その後も時代劇の人気番組は登場していない。 自分も時代劇を見ていたのは1990年ごろまでで、その後はほとんど見なくなった。 理由は、この本に書かれている通りで、勧善懲悪のストーリーに飽きてしまったからだ。 でも実写版の時代劇は廃れても、アニメの世界ではまだまだ生き残りそうだ。 鬼滅の刃のヒットは新たな時代劇表現に先鞭をつけたと思う。でも 実写版は、中国や韓国の時代劇作りに習って勉強し直した方が良さそうだ。
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半年くらい本を読んでなかったのか?
前々から借りては読めずが続いていた春日太一の本です。
時代劇はなぜ滅んだのか?
本当に年寄向けのコンテンツなのか?
小気味良く現在売れている役者をぶった切り、その刃は時代劇の制作者にまで及ぶ。
常に新しい事が出来るコンテンツなのにもったいないと訴え、時代劇の復興をもくろむ。
私はこの本を読み、タイムボカンシリーズを思い出してしまった。
大いなるマンネリと自虐しつつ、常に新しいことに挑戦していたはずなのに、気が付けば同じネタのルーティンで最後は打ち切りになるという…。
話はずれてしまったけど、ちゃんとやれば時代劇はまだ復活できる。
そんな期待はこの本を読めばわかる。
他の書籍も読んでみたいものです。 -
スバラシイ
著者にリスペクトだぜ❗
時代劇 懐かしい思い出も。 憧れもあり。 何よりも一番がなくしてしまった。 いままでの経験があるのではないだろうか。
水戸黄門 ストーリーの固定性が良かったよね。 -
時代劇は嫌いではない(でなければこんな本は読まない)。
できればこの先も良質な時代劇が創られ続けて欲しいと
思っている。だが現在の状況では、国なり公共機関なりが
保護であったり人材の育成であったりをきちんとしなければ
存続が難しい、まるで絶滅危惧種のようなジャンルであると
言えるのではないだろうか。もちろんそれによって創作の
範囲が狭められるなんてことはあってはならないのだが。
この本が出版されてから数年が経つ。今の状況は実際どう
なのだろう⋯。 -
時代劇は古臭いという印象がある。この本を読むと、本来の時代劇は、ファンタジーを作ることであり、作り手としては挑戦的なものであったことがわかった。そのような、本来の時代劇が復活して良質なものをつくれば、私を含めた視聴習慣がない層が食いつくかもしれない。この著者に、大河ドラマを復活させるサポートをしてほしいと感じた。
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時代劇が面白くなくなったことについて検証していた本。
若い世代が育ててもらえる機会が減り、即戦力を求められて、育たないのは教育現場においてよく耳にすることだけど、どの業界も同じなんだなぁ…。
最近、芸人がドラマに出ることが多くなってきているのは、芸人はちゃんと修行してきてるからなのね。あと、舞台からの人もうまいよね。
何回巻き戻して聞いてもなんて言ってるかわからないことがよくあるけど、ベテラン俳優はそういうこと無いもんなぁ。私の耳が悪いだけじゃなく、発音が下手なんだね。
どの業界でも、若者が育たない、個性が潰される、質の落ちる状況を聞くけど、失敗を許さない風潮が日本に蔓延しているからなんだろうなぁ。
札幌市の図書館で借りた本。 -
どこの国でも歴史劇(時代劇)は、人気ジャンルだし傑作もある。なのに何で日本だけは衰退しているのか。それは今の日本社会の姿そのままだったんだ・・と理解出来た1冊です。
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【由来】
・図書館の新書アラート
【期待したもの】
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※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。
【要約】
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【ノート】
・「水戸黄門」も終了し、もはや瀕死の時代劇。ヘタな役者、マンネリの演出、朝ドラ化する大河…。凋落を招いた“真犯人”は誰だ! 圧倒的な熱量で放つ、時代劇への鎮魂歌。『新潮45』『オール讀物』掲載を大幅加筆し再編集。
【目次】
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