戦略がすべて (新潮新書)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106106484

感想・レビュー・書評

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  • 読みやすく分かりやすい

  • 「戦略」というテーマにはなっているが、今の世の中の勝ち抜き方、生き残り方指南の内容。人よりも一歩前のこと、もしくは他人がやっていないことをどう見つけ、ぶれずにやり続けることができるか。それには戦略が不可欠ということだ。

  • 本書は「戦略的思考」を身につけるための練習本である。
    今までのやり方が通用しにくくなる未来だからこそ、自分ならどうするかを考える必要がある。

    一つは「異なる意見に目を向けること」が大事である。
    自分ならどうするか考えるにあたり、情報の収集は必須だ。
    ただ現代に溢れている情報は不確実性が高いものが多いのが事実だ。
    だからこそ自分の意見と逆の考えを探し、その信頼度を確かめることで、誤認識を防ぐことを意識づけるべきである。

    また「異なる知識をつなぐこと」も重要だ。
    現代は「教養ブーム」で様々な本が出ているが、人間1人ができることは限界がある。
    人間にはそれぞれ特技や興味の分野が違うのだから、それぞれを繋ぎ合わせることが新しいものを生む近道になるのではないだろうか。

    今後AIが普及していき、人間の仕事が奪われると言われている。
    ただAIに出来ず、人間にだけできることもある。
    それは本書にあるように、「無から有を作りだす」ことである。
    AIはあくまで過去のデータから最適解を見つけ出す。
    それに勝つには人間が未来を見るしかない。
    「戦略的思考」は人間にしかできない思考法なのだと私は思う。

    未来がAIに支配されるか、それとも人間がより良い社会を作っていくか。
    今こそ人間の腕の見せ所である。

  • vol. 337 日本人には戦略がない!?24の必勝パターンを徹底解説。http://www.shirayu.com/letter/2016/000682.html

  • 物事を始めるときは、ただ単純に1から始めるべきではなく、目標定めてそこに行くのに何をすればいいのか計画立てることが大切という主張であった。
    最初の項のAKBの成功分析が具体的であったため、分かりやすい。その後の概論についてもより具体的に記載されているともっと良かった。

  • 私が本書のタイトルから感じた様々な期待。

    それに応えてくれたのは、本書の前半1/3くらいまででした。

  • 同じ部活の連中はその後のキャリアの積み重ね方が似るというは面白い。
    エラーが許されない野球部出身は堅実に、絶えず動いてその場の判断を求められるラグビー部出身は大胆な動きをしていたりする…とのこと。

    著者は何気なく入ったワンダーフォーゲル部で戦略を立てて動くというのが身についたという。
    地図を見て、俯瞰的に自分の位置を把握し、自分の体力とも相談し何が起こるかわからない山の道を着実に歩く。

    翻って、自分が所属している文化圏が自らのモノの考え方へ影響へ及ぼすということに対してなかなか意識できない。何故なら試金石となる周りの(親しい)人間も同じ文化圏であることが殆どだからだ。
    多様性を持った人と付き合うこと。これを著者は前作『君に友だちはいらない』で説いてるとのことなのだが、それは上記のような意味であるとのことだ。

    グローバルな視点が必要なのは間違いないのだが、それは国際的、英語が出来るということではなくて多様性を持った人の意見・立場を知るということがまず第一にあると思う。
    同じような業種で言葉の壁を超えても、そこまで大きくは変わらない(言葉や習慣の違いは同じ文化圏という共通項があるからこそ理解できるものでもあるけれど)。

  • これはおもしろい
    かなりオススメ

  • 大学生に読んで欲しい1冊。
    ビジネス市場から芸能界、教育市場、ネット社会。。。どの世界にも「ルール」と成功の「方程式」が存在する。読むことで4年間の学び方がかわるかも?

  • タイトルのわりには中身は非常に面白い

  • 20180601
    戦略のケーススタディを身の回りの例から論じているのをまとめたもの。
    AKBの儲けるシステムや、漫画家などがコモデティ業務に過ぎないことなど、様々な例から、自分がどういう価値を見出してそれに特化していくか=勝てる試合を徹底的に行えるかの戦略を立てる為のきっかけにできる。
    会社のために働いてることが目に見えているサラリーマンに命を削るのは非戦略的だ。かといって、過去事例のない価値のあるビジョンを実現させるのもなかなかに困難である。筆者が述べるアナロジー思考を意識して、他の事例からヒットを生むロジックを考え抜きたい。
    また、自説に対しては常に逆意見を問い続け、比較検証する姿勢をもっと身につけたい。


    自分の考えは誰にも揺るがされない、基礎を築く。

    →人生設計も戦略

    リスクとリターンが自分に帰属するように、自分のプラットホームを築く。他の為のプラットホームに貢献しているようでは、自分の立ち位置が見えていない。

    アナロジーで、つまりデータの無い部分で戦略を予測する

    裏を取るより逆を取る
    自説の逆を常に探し、批判検証を加える作業で自説を強めていく

  • 戦略的思考のススメ
    部活とキャリアの関係やRPGの取り組み方とキャリアの関係など面白い事例がたくさん紹介されています。

  • 読んで良かった。タイトルの通り、人材のコモディティ化にならないためには、戦略が全て。まず今いる場所で新しい価値を生み出していく。そうするには普段からニュースなどに対しても戦略的に「勝つ」方法を考える癖をつける。

  • 男性はこういうの好きかなと。
    ネタ帳です。
    今の市場がどういうカラクリになってるかをAKBやオリンピック、RPGゲームなどを例にあげて解説してます。
    自分の仕事、業界で考えるとどうなるかのヒントになりそうな気もするしならない気もします。
    多々マーケティング用語が使われるので普段使わない僕みたいな人にはグーグル先生が大活躍です。

  • 京都大学の准教授である著者が様々な事柄から戦略の本質について書いた一冊。

    政治、仕事、芸能界、教育など様々な分野の現状を分析し、今後の戦略を提言しており非常に勉強になりました。
    ものごとの本質や仕組みがわかりやすく書いてあり、読みやすく知識の習得も捗りました。
    また、各項目末にまとめがあることも知識の吸収に役立ちました。
    特に教育は著者が本職としている部分でもあるので非常に参考になる箇所が多くありました。
    そのなかでも東大や京大の試験対策やどのような学習を行なっていくかということ、そして企業で仕事を行なっていくにあたり、大学においての教育の位置づけなどは知らないものも多く、勉強になりました。
    また、著者自身の視点からの解説でおもしろいと感じたものも多く、RPGと仕事の対比やネット炎上の理由や部活の壁に関する話は強く印象に残りました。
    あと、オリンピックにおける選手の強化や地方創生における資源投資の配分や選挙における候補者の戦略については感心しました。

    コモディティからの脱却、人脈の形成、若い世代の可能性、情報の取得において大事なこと、自分の意見に順応しないことなど著者の提言から今後自分が生きていくうえで参考になる箇所が多くありました。
    また、日本の今後について具体的な方向性が提言されており、非常に刺激を受けました。
    本書を読んで本質を知ることができた項目が非常に多く、たいへん勉強になりました。
    また、色々なものごとの本質を見極め、勝つための戦略を考えるトレーニングをしていこうと思いました。
    そして、著者の考え方に触れて人生において戦略を立てるうえで有用な一冊であると感じました。

  • なんというか今の自分の状況と照らし合わせて、すごくいい本、勉強になる本に出会った気がした。考えることは訓練だし、日常的に実践しなければ錆びつく。きっと自分の頭は相当錆び付いてるだろうな、と思いつつ考えることを諦めない勇気が湧いた。プラットフォームとしてのAKB、自分たちの共通体験のRPGが働き方を反映している、日本の縮図としての北海道あたりの、アナロジーというか例え話が抜群にうまくて面白かった。半分が日経プレミアム連載だからか微妙だが、読んで毎回失望を覚える新潮新書を見直した。

  • 2回目。麻布高校出身の方。

    コンサル業の話だったが、会社で出世するには、太い客を連れてくること出そうだ。これはコンサル業だけではなく、一般的な会社でも同じで、より売上や利益をもたらした人が出世する。この点において、5年も課長をやっていて部長になれない人は、降格した方が会社のためなんじゃないかって思う。

    AKB48方式というのか、プラットフォームビジネスというのか、数打てば当たる方式は勝ちやすい。その点では、プラットフォームを立ち上げ、より多くのプレーヤーに参加してもらい、いくつかのプレーヤーだけが多額を収めてくれれば、回る。

    学習可能なスキルは、高収入には繋がらない。高収入を得たければ、資本量が多い企業に入ること、自分の仕事をコモディティ化しないこと、自分がいる会社を時代の変化に即して変えることが必要。

    どの領域なら楽勝できるかを考え、徹底的にやることが重要。オリンピックのメダルを多くする方法を例に記載しており、マイナースポーツ、競技種目が多いスポーツ(陸上、水泳)が良いとのこと。

    セイコーマート、コーチャンフォーはウォッチしよう。

    エバーノートで、議事録、スケジュール確認、ミーティングで動画取得する。

    戦術の失敗は戦略で補えるが、戦略の失敗は戦術で補えない。

    ===
    著者がオリエンテーリングやっていたっていうのは、自分と同じで共感した。

    戦略、目的地にどのように到達するか。
    AKB48のようなセット売りで外れる確率を低くするのも戦略、全員が良いと思うことは競争が激しいということなので別のフィールドを責めるのも戦略。

    以下、勉強になったこと。
    北海道が日本の縮図。人が急激に増えて、少子高齢化が進むと札幌に人が集まるようになり、周りの田舎には人が少なくなっていき、自治も運営できないようになる。
    入試というのは、目的合理性を追求したものではなく、公平性のみに焦点をあてたもの。
    部活動が、その人の行動を支配する。野球部でエラーをきつく咎められる環境にいると、ミスを防ぐような役職・立ち回りにつく。
    儲ける仕組みに参画することでより多く稼げる。そこに参画できないなら、資源量が多い会社に就職することで比較的給料が多くもらえる。
    ピーターの法則。無能なものがその階級に留まる。降格の仕組みがないとだめ。
    この世は多くの人がいる。仮に危険な思想でも、ごく一部には共感する人がいるのも事実。
    RPGをやると、戦士や僧侶など多くの特化した人材がいる。能力が特化している人材を集めて目的を達成するのだが、日本教育を受けたジェネラリストを集めて、目的が達成できるかどうか。

  • それぞれの項目ごとに、簡単にエッセンスをまとめている。深い示唆というより、気付き


  • 読了せず。

  • パワーフレーズ
    「楽勝でできることを、徹底的にやる」
    著者の戦略に対する並々ならぬ思い入れと自信が伝わる一冊である。少し難しい表現や、政治、教育論は難解だったり、読みづらい箇所もあるが、一貫して考えることの重要性について深いレベルでまとめられていた。

  • 週刊誌の連載をまとめたもの。
    あとがきで記載のある通り、戦略思考を鍛える上でのケーススタディイー一覧といった感じ。
    作者が語る通り、仕組みを理解し、強み弱みを理解したうえで勝てるように行動するための戦略的思考は実践の場でしか身につかないものだろう。
    実践以外の訓練として、時事問題に対して考察することは普段やってみると楽しい。今回の書に記載されている作者の切り口は自分の普段の考察よりも鋭く確かに参考になる。

    ただ、本として読むよりもリアルタイムで週刊誌として読み、自分の考察へのフィードバックとして扱ったほうが訓練としても良いだろうと思う。

  • 2017/04/17

  • ・ケーススタディは意思決定の疑似トレーニング=戦略的思考の訓練
    ・論理的かつ体系的な思考力、視点の多様性、文章を中心とするコミュニケーション能力を学校では期待されている

  • 今が過渡期であるという認識はある。
    ただ何をすればいいのかわからない。

    色々なことが高次元で同質化している。
    どうせ同じなら損をしたくない。

    損をしたくないからなるべく動かない
    動かないと新しいものは生まれないという
    地獄のスパイラルに入っている。

    社会も人もそれでは面白くないではないかと。バカを見ない術を少し見せるからやって見てくれよと。

    それは
    世の中にはあらゆるローカルルールが存在する。それをいち早く察して四の五の言わず勝てる投資をし続けてなるべく早く回収する。

    その為に戦略をもつことが大事である。

  • 非常に勉強になる一冊。

    一般的な戦略の考え方が書かれているのではなく、「戦略とは何か」「どのような考え方を持てばいいか」など、考え方について書かれている。

    しばらくしてから、再度読み直したい。

  • 自分がなんらかの価値を提供して,周りに人を集める。彼らが協力と競争を通じて,お互いに学習,成長し,その成果が自分のところに少なからず戻ってくるようにすれば,そのとき,個人がプラットフォームになったことになる。

  • 高い報酬を得るなら「資本=儲かる仕組み」に参画
    不確実な状況で効率よく解を見つけ、他のメンバーと差別化して組織目標に貢献

  • 読みたいと思っていた本が やっと読めた。
    日本は 戦略がないと言う指摘は 正しいと思う。
    様々な切り口で 戦略を 提示する。
    現場的で 実践的な思考で 繰り広げていく。
    高校時代の部活が その後の生き方に 影響するというのは、
    確かかもしれない。ラクビー部と言う存在は違った何かを与える。
    苦しい時に チカラを発揮するということを常に要求された。
    くたくたな時こそ 奮い立たせなければならないのだ。

    資本主義という仕組みの中で どのようなポジションをとることで、
    自分が活かせるかということを 戦略的な思考で組み立てる。
    公正であっても 公平ではない。
    勝つものと負けるものが存在する社会である。
    プラットフォームをつくることが 利益を確保しやすい。
    結局は 仕組みづくりと言える。

    革新(イノベーション)なきプロジェクトは、勝てない。
    勝てる土俵が 作れないからである。
    アナロジーをつくる。未来のあるべき姿をつくることが、
    現状をドラスティックに変える。

    異能をみつけ、異能を受け入れることで、イノベーションは起こる。
    少なくとも、変化を生み出すための組織つくり。
    そのような戦略的な思考が 必要な時期なのだ。

  • ケーススタディ集としては良いのでは。ただあんまりすぐに活用できるようなものはなし

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著者プロフィール

京都大学客員准教授、エンジェル投資家、教育者。1972年生まれ。麻布高等学校、東京大学法学部を卒業後、大学院をスキップして直ちに助手に採用。専攻は民法。任期終了後は学界に残らず、マッキンゼーへ入社。3年で独立し、多額の債務を抱えていた日本交通の経営再建などを手がけながら、エンジェル投資家として極めて初期段階の企業を15年以上にわたって支援し続ける。京都大学では教育、研究、産官学連携活動に従事。「意思決定論」「起業論」「交渉論」の授業を担当し、人気NO.1若手教官として「4共30」講義室を立ち見に。各界において意思決定を先導するリーダーを育てることを目標に、選抜制の「瀧本ゼミ」を主宰。著作物やディベートの普及活動を通して、次世代への教育に力を入れていた。2019年8月10日永眠。

「2022年 『瀧本哲史クーリエ・ジャポン連載集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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