戦略がすべて (新潮新書)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106106484

感想・レビュー・書評

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  • プラットフォームを作ればリスク軽減と持続可能性の向上が期待できる。例はAKB48(多人数によるリスク低減)
    プラットフォームビジネスは人モノ金をネットワーク化することでそのネットワークの流量が増えるに従いそのハブであるプラットフォーム事業が利益をあげる(p.29)例:鉄道
    個人もプラットフォーム。自分が何らかの価値を提供して周りに人を集める。彼らが協力して競争を通じてお互いに学習、成長しその成果が自分の所に戻ってくるようなことをすれば個人がプラットフォームになったということ(p.34)
    より高い収入を望むなら、自らが資本=儲ける仕組みの形成に加わりリスク、リターンをシェアすることで大きな分前を得ることが出来る(p54)
    人の出入りこそが企業の業績の先行指標として非常に有益(p.79)
    元〇〇の個人の活躍が目立つようになってきたらその出身母体の企業は既にピークアウトしている(p.81)例:ソニー
    不確実性の厳しい未来では自分の労働をコモディティ化させないことが重要になる(p.87)
    自分が属する業界のことを知り尽くしかつ新しい仕組みについてアイデアを持てば起業は成功する確率が高い(p.89)
    年長の役職者を取り込んでその人を立てつつも実質は自分たちが主導しているくらいの技を身につける(p.91)
    資本主義は少数意見が既存の多数意見を打ち破り新しい多数意見に変わっていくプロセスで最も大きな価値が生じる(p.108)
    トップマネジメントは広範で多様な知識や能力を持つジェネラリストでなければならない(p.114)
    北海道は地域差が日本の縮図に近く、北海道で起きた事象は日本でこれから起こることの前触れと見れる(p.123)
    コーチャンフォー(北海道で展開している書店、文具、雑貨、外食、CDショップをまとめた業態)(p.126)
    主張が極端であればあるほどごく一部の人間を深くはまらせる構造になっているネット社会(p.140)
    誤報が増えたのではなく、インターネットで反論する場があるので誤報が明るみに出やすくなった(p.143)
    PV獲得合戦になり見出しで釣る行為が新聞にも広がる。読者が自衛するしか無い(p.147)
    自衛手段=逆を取る。自分の仮設と逆の考え方や事実を探し、それがどの程度信頼できるかという反証的な視点で確認していく(p.148)
    デジタル時代の資料の残し方 ワンチャートワンメッセージの原則に従って1つのシートに結論と根拠をまとめそれをモジュール的に構成することで可変性や再利用性を高める(p.155)
    自分の心地の良い情報、人間関係を再確認する情報環境が蛸壺化を引き起こしている(p.162)
    教養とは他の考え方が成り立ちうることを知ること。蛸壺化防止のために教養が必要(p.163)
    教養とは自分と異なる思想全て(p.165)
    2020年には東京都区部ですら人口減少、2020年以降は高齢化問題も深刻に(p.215)
    地方創生は全ての自治体を生き残らせるのではなく、自治体同士の競争を促し住民の移動という足による投票によって強い自治体への統合を目指したほうが良い(p.219)
    実力主義には昇進ルールだけではなく降格ルールも必要。無能な人ばかりが各ポストに配置されてしまう(p.235)
    スキルは理論を学んだだけでは身につかない。多くの問題を解いたり実戦の場に出たりしてその成否を検証するプロセスを何度も経験することが重要(p.250)

  • 『企業で働く人は、まず、「自分がいる会社を時代の変化に即して変えていくこと」に努力すべきだと思う。

    「会社ではなく、市場に評価される人材を目指せ」といった考えも方も最近多いようだが、そもそも、企業自身が市場から評価されようと懸命に努力しているのだ。

    ならば、「市場からの評価」というリスクは会社にとらせ、自分は社内という狭い世界で評価されることを目指し、イニシアチブをとって会社の変化を主導する。そのほうが、一般の労働市場に打って出ていくよりも、個人にとってのリスクははるかに小さいはずだ。』

    頭を使わないといけないなぁ〜、と思った。

  • 戦略についてというよりも、労働市場における考え方について記述した一冊。

    「経営者側の視点」というのは必要だと思うし、そういうのを知りたい人にとっては悪くないかと。

  • 物事を始めるときに、ただ単純に一から始めるべきではなく、まず目標を見定めて、そこに行くのに何をすればいいのかを考えようという主張には同意できます。
    最初の項のakbの成功の分析などは納得できますね。
    各テーマごとに概論が示されていますが、もう少し突っ込んだ分析があればもっと良かったかもです。

  • レベルが高い

  • バカは市場で勝ち残れない
    http://www.shinchosha.co.jp/book/610648/

  • 2016年の5冊目は、元マッキンゼーでエンジェル投資家の瀧本哲史氏の「戦略がすべて」。

    ビジネスモデルや働き方、政治や教育に関して、そもそもの原理や構造という視点で読み解き、解説してくれています。この本に書いてあることは最低限理解しておかないと、気づかないうちに「搾取される側」になってしまいます。

    この本を読んでおくと、なぜ頑張っても給料が上がらないのか、なぜ勉強しているのに結果が出ないのか、その理由が分かります。

    才能や努力以上に重要なのは、構造や原理、仕組みを理解し、戦略をたてること。それがなければ、成果は絶対に出ない。無駄な努力で人生の貴重な時間を無駄にしないためにも、読んでおいた方がいい一冊だと思います。

    ちょっと多いですが、気になったポイントをいくつかシェアしておきます。

    たいていの学習可能なスキルは高報酬につながらない

    結局のところ、スキルの高低と言うよりも、もともと社員に与えられている資源量で給与差がついている

    より高い報酬を望むのであれば、取るべきは自らが「資本=儲ける仕組み」の形成に関わり、リスク・リターンをシェアすることで、大きな分け前を得られるようにする方法である。

    「社内」というマーケットに評価されておく

    イノベーションに対する投資、つまりベンチャーキャピタル型のハイリスク・ハイリターン型の投資に一定の予算を割り当てない限り、その企業が先細りになる事は避けられない。

    教養として知識を学ぶことと同様の努力をもって、多様な人的ネットワークを構築することが「個人」の教養を深める方法として有益と言う結論になる。

    北海道で起きた事象は、日本でこれから起こる事の前触れと見ることができる。

    淘汰される企業は、社会に必要とされているものを、必要とされているコストで提供できていない企業であるから、社会的資源を無駄にしているのであり、これを保護するのは社会的に有害である

    戦略を考えると言うのは、今までの競争を全く違う視点で評価し、各人の強み・弱みを分析して、他の人とは全く違う努力の仕方やチップの貼り方をすることなのだ。




    ネットにおける発信者は、閲覧数を増やすことを基準に執筆をするので、より炎上しやすい、極端で質の低い情報発信を行うインセンティブを持つようになる

    近頃の若者に苦言を呈する人たちは、自分の頭の古さや、あるいはダメな若者しか集まってこない自分のネットワークに危機感を持つべきだ

  • 「戦略がすべて」という「すべて」という言葉に引っ掛かりを覚えたとおり、結果的に何を言いたかったのかが今一つわからなかったなぁ。

  • 競馬とかで言われるけど『胴元が儲かる』って事かな?AKBではアイドル達でも、ファンでもない秋元康が、楽天でも出店者でも購入者でもない楽天が儲かる。つまり、より魅力的な枠組みを作り利用者を増やす事で利益を得る事ができると言う事。じゃあどうすれば利用者を増やす事ができるか?がセットでの戦略が必要だと考える。

  • <目次>
    第1章  ヒットコンテンツには「仕掛け」がある
    第2章  労働市場でバカは「評価」されない
    第3章  「革新」なきプロジェクトは報われない
    第4章  情報に潜む「企み」を見抜け
    第5章  人間の「価値」は教育で決まる
    第6章  政治は社会を動かす「ゲーム」だ
    第7章  「戦略」を持てない日本人のために

    <内容>
    『日経プレミアムPLUS』および『新潮45』連載の記事を再構成したもの。こうした若き俊英の指摘は面白いし、身に浸みる内容である。ことに教育分野の分析は刺激的だった。部活の体験が、その者の生き方を決めている、っていう指摘は面白かったし、合点がいった。世の中は、何かしらの刺激から動いているが、意図しているものは少ない。一部の賢者が動かしている時もある。それに気づき、「戦略」を持って対応することで、時に乗り遅れることなく生きて行ったり、投資に成功したり、人生の勝者になることができる…って感じか。

  • 今月の2冊目。今年の9冊目。

    瀧本氏の新刊でしたが、読んでいなかったので、最近購入。前の著作も買ったりしていて、それなりに期待していたのですが読んでいて、「あれ?」と思ってしまいました。というのも各章ごとに戦略について紹介されているのですが、ざっくりしすぎているし、またその戦略について深く切り込んでいない。トピックは多岐にわたりましたが、結局浅く広くをさらに浅く広くした感じです。まあ、各戦略の概要を紹介して、後は読者でがんばろうって感じです。

  • パブー電子書籍参照
    http://p.booklog.jp/book/107627

  • 移動中の高速バスの中で読了。
    出版当初話題になった一冊でしたので、すかさず購入したまでは良かったのですが、その後長い日数積読状態になっていました。
    帯にも書かれているように、まさに「資本主義社会の「攻略法」」と呼ぶにふさわしい一冊。
    付箋は大量の40枚もついてしまいました。
    文句なしの星5つ。

  • 瀧本さんが話題になってましたので、読んでみました。
    政治のページは個人的に不要でしたが、それはさておき…
    戦略の仕組みはしっかりと理解しておかないといけないと感じました。今の自分にどれが必要なのか考えながら読んでました。
    P35 自分はどのようなブランド…
    P91 若い世代の人たちは…
    P120 同じような人から…
    この辺が一番残っています。いろんなことを妄想しながら読んでたら、面白そうなことをいくつか思いついたのでよかったです。

  • この資本主義社会を「攻略」せよ。
    ベストセラー『僕は君たちに武器を配りたい』著者が導く24の「必勝パターン」

    ビジネス市場、芸能界、労働市場、教育現場、国家事業、ネット社会……
    どの世界にも各々の「ルール」があり、成功の「方程式」が存在する。
    ムダな努力を重ねて肩を落とす前に、「戦略」を手に入れて世界をコントロールする側に立て。
    『僕は君たちに武器を配りたい』がベストセラーとなった稀代の戦略家が、
    AKB48からオリンピック、就職活動、地方創生、炎上商法まで社会の諸問題を緻密に分析。
    日本人が取るべき選択を示唆した現在社会の「勝者の書」。



    I ヒットコンテンツには「仕掛け」がある
    II 労働市場でバカは「評価」されない
    III「革新」なきプロジェクトは報われない
    IV.情報に潜む「企み」を見抜け
    V 人間の「価値」は教育で決まる
    VI 政治は社会を動かす「ゲーム」だ
    VII 「戦略」を持てない日本人のために

  • 努力で全てが報われると日本人は思いたがるし、上手くいかないと努力が足りないなんて言い訳したがるけど、それよりも戦い方をちゃんと考えないといけないのね。コモディティ化されるのはある意味楽だけど、楽に流されないようにしたい。

  • 経営用語など、少し触れていて少しは知識がつくとは思うが、内容は微妙。

  • ◆「人」を売るビジネスの「三つの壁」
    1.どの人材が売れるか分からない
    2.稼働率の限界
    3.売れれば売れるほど契約の主導権や交渉力がタレント側に移る
    たいていの学習可能なスキルは高報酬につながらない
    商品市場、資本市場の市場評価よりも、どのような人がその企業に入ったか、どのような人がその企業を去ったかという、人の出入りこそが、企業の業績の先行指標として非常に有益な場合がある
    自分が属する業界のことを知りつくし、かつ、新しい仕組みについてのアイディアを持てば、起業は成功する確率が高い
    札幌は消費財のテストマーケティングに使われることが多いため、札幌の人と話すと他のエリアでは売られていない新商品(その多くは全国販売に至らない)を知っていたりする

    システムAとは、大学教育を終えた、どのようなタイプにもなり得る「ジェネラリスト」を採用し、企業の中でゆっくりと下積みからスタートさせて、徐々に企業の文化、独自のノウハウを教育していくモデル
    システムBは、新卒の従業員であっても、大きな権限を与えるモデルになっている。たとえば、グーグルでは「アソシエイトプロダクトマネージャー」という制度があり、新卒や第二新卒がいきなり新サービスを立ち上げるプロジェクトの責任者になり、グーグルのリソースをフル活用して、新しいサービスを経営陣直下で立ち上げることが期待されている
    同じ部活の人は同じようなキャリアを歩んでいる

  • 帯煽りは必要以上に過激だが
    内容は理知的であり頷かされる場面が多い。
    「戦術ばかり意識して戦略がない」という状況は、たしかに陥りがち。

  • どういう戦略を取るべきか、様々な例を上げてあり読みやすかった。コモディティ化しない人材になるにはどうしたらいいのか、そのヒントになるかもしれない思って読んでみた。
    ・どの土俵なら勝てるかを見極め、勝てる土俵を選ぶ
    ・非連続な変化を生み出す卓越した新発見は、民主主義や効率化とは真逆なやり方しか生まれてこない。現在の「選択と集中」を掲げた科学技術予算政策の未来は暗い。
    ・ネットにおける発信者は、閲覧数を増やすたことを基準に執筆するのでより炎上しやすい、極端で質の低い情報発信をインセンティブを持つようになる。
    ・怪しげな情報にひっかかる少数の「信者」を見つけることがネットビジネスにおいては重要な戦略となっている。
    ・イノベーションを起こすための隠れた武器庫は、自分の知らない思考様式、学問体系、先端的な知識にならざるを得ない。
    ・戦略を考えるということは、今までの競争を全く違う視点で評価し、各人の強み、弱みを分析して、他の人とは全く違う努力の仕方やチップの張り方をすること。
    ・理論や手法を学ぶだけでなく、「実戦」の場を何度も経験することが重要。

  • わかりやすくさらっと書いているけれど、内容はかなり詰まっていると思う。
    やる気のカンフル剤としても、ケーススタディとしても、なかなか使えそう。読み返したいな、と思える。

  • 戦略といっても、ケーススタディが並んでいるだけ。

  • 戦略の考え方が、事例とともに分かりやすくまとめてあります。
    AKB48の例や他の身近な例で説明してあり、なるほどと思うところも多くありました。
    戦略なき組織、戦略なき生き方の厳しさが、本書を読むとよく分かります。

  • 勉強になった。私がしっかり戦略立てなきゃみんながかわいそう。もう一度読む。

  • 北海道は日本の縮図?ちょっと無理があると思う。学生相手の本。

  • 期待して読んだけど、心に響くことはなかったです。

  • コモディティ化が特徴となる社会変化の中にあって、いかにコモディティ化しない人材たりうるのか?
    そうした戦略のモデルケースとして、芸能界、鉄道業界、東京五輪招致、労働市場、教育、ネット社会などについて著者の見方が示される。
    賢い人はこんな風に世の中を見ているのだなと感心させられる。
    16-60

  • ・戦略で勝つとは他とは異なるアプローチで勝つこと
    ・プラットフォームビジネスは非常に有効なアプローチ
     -リスク軽減と持続的価値の維持向上が望める
      ✔e.g.AKBやコンサルファームも同じ
    ・人材ビジネスは限界があり、プラットフォームへの移行が大事
     -属人性があり売れるかわからない成功の不確実性
     -稼働率の限界
     -売れるほど主導権がタレントに(交渉主導権の逆転)
    ・プラットフォームのキモは「集客」「ビジネスモデル提供」、「プラットフォームの管理」の3つ
    ・熟知している業界で足りないビジネスをやることが有効
     -足りない感を充足させるモデルがささる
    ・自分の仮説とは逆のスタンスで証拠を取りに行くことも大事
     -仮説ドリブンだと都合のいい情報を集めるワナあり
    ・実際に経験して実践を積むことが戦略構築に重要

  • 「戦略を考えるというのは、今までの競争を全く違う視点で評価し、各人の強み・弱みを分析して、他の人とは全く違う努力の仕方やチップの張り方をすること」。常に勝ち組と負け組が生じる資本主義社会において「戦略的に勝つ」ための方程式を24のケースを用いて説いた書。

  • 何事も他の人と同じやり方ではなく、
    様々な事例を調べて独自のチップの張り方を
    して勝てと、戦略に対する示唆を得られる。

    よく考えれば当たり前のことではあるが、
    様々な事例からアプローチが描かれていて
    面白い。

    特に印象的なのが、
    投資などの選択の場面においては
    異見(自分と反対の意見)を見つめて
    反証的な視点でそれが正しいか判断すること。
    その異見が実は根拠などが弱いとき、
    大勝ちの可能性を秘めているというもの。

    異見が判断や成長のカギとなることを
    より一層、認識させてくれた。

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著者プロフィール

京都大学客員准教授、エンジェル投資家、教育者。1972年生まれ。麻布高等学校、東京大学法学部を卒業後、大学院をスキップして直ちに助手に採用。専攻は民法。任期終了後は学界に残らず、マッキンゼーへ入社。3年で独立し、多額の債務を抱えていた日本交通の経営再建などを手がけながら、エンジェル投資家として極めて初期段階の企業を15年以上にわたって支援し続ける。京都大学では教育、研究、産官学連携活動に従事。「意思決定論」「起業論」「交渉論」の授業を担当し、人気NO.1若手教官として「4共30」講義室を立ち見に。各界において意思決定を先導するリーダーを育てることを目標に、選抜制の「瀧本ゼミ」を主宰。著作物やディベートの普及活動を通して、次世代への教育に力を入れていた。2019年8月10日永眠。

「2022年 『瀧本哲史クーリエ・ジャポン連載集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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