「毒親」の正体 ――精神科医の診察室から ((新潮新書))

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106107566

感想・レビュー・書評

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  • 発達障害との関連性

  • 毒親の要因やその乗り越えかたについて。

  • [図書館]
    読了:2018/9/12

    虐待親から逃げて、戸籍も抜けた。住所も辿られないように行政に訴えて住民票その他をロックした。感情の安定したパートナーを得て自分の家族も持った。あの頃をいちいち思い出しては泣かないようになった。いつもふとした時に頭に入り込んで来ていた、心臓に包丁を突き立てて赤々と血を流してこの世から消える自分の映像も見なくなった。手首の傷も言われなければ見えなくなった。身体というハリボテの中に常時抱えていた「消えたい」という思いはいつのまにか薄らいでいた。

    でも。
    そこから先に進まない。虚無感が心のどこかにある。

    毒親に対する新たな視点を提供しているというこの本ならばここから先に進むための抜け口を教えてくれるのではないか、そう思って読み始めたのだが。

    しょっぱな、
    「子の成長を妨げた上に何とか大人になって自立した子に金を無心する親」
    「性的虐待をした親」
    は交流を絶っても仕方がない真性の毒親である、本書では対象外、と述べられてて拍子抜けした。
    うちはどちらもコンプリートである。

    それでも一応読んでみた内容としては、毒親はASD、ADHDを持っているために心の中の「注意の部屋」が目の前の一つのことでいっぱいになり子に注意を払わなかったり、「心の理論」がないために「これを言ったら相手(子)はどう思うか」が分からないのでひどく傷つけることを平然と言ったり、かつ衝動性があるために自分の言ったことや自分のした約束をすぐに忘れたり、「横のつながり」がないために「こういうことはやめてほしい」と頼んでも、具体的に何が「こういうこと」に該当するか分からないので、子への境界侵害行為を繰り返す、という。

    あとは愛着スタイルの問題。これはよく毒親本やアダチル本に出てくる不安型と回避型の話。
    さらにうつ病、DV被害、経済的困窮も要因になることがある。そりゃそうだろうねぇ、という感想。

    説明が「心の理論がない」「衝動的」「『注意の部屋』に一つしか入らない」など、抽象的にしか書いていないので、具体例がほしかったなぁ。ASDやADHDが、本のカバー袖に書いてあるような「ちょっとしたことで体を引きずり回す」ほどの爆発的行為に至る過程がよく分からなかった。

    後半の「親が毒親になった理由を知ったのち、ここからどう乗り越えていくか」については、参考になるようなならないような…「ゆるす(手放す)」ってこれまでにもずっと言われてることじゃないかね?

  • 「毒親」の正体。水島広子先生の著書。精神科医である水島広子先生の分析と経験によると、毒親になりやすいのは、発達障害や精神疾患(統合失調症や鬱病)といった精神科的問題を抱えている人、それから貧困状態にあるなど経済的に余裕がない人。毒親が毒親になってしまう背景の理解なくしては毒親問題を正しく理解できないと思っていないので、とても参考になりました。自分の親が毒親であった人、自分自身が毒親かもしれないと思う人、毒親や毒親予備軍と接する機会が多い教育関係者や学校関係者にとっては読む価値がある良書です。

  • こんな親、確かにいる

  •  詳細なレビューはこちらです↓
    http://maemuki-blog.com/?p=13703

  • 親が子供に与える影響は本当に強い。

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著者プロフィール

水島広子【みずしま ひろこ】

慶應義塾大学医学部卒業・同大学院修了(医学博士)。慶應義塾大学医学部精神神経科勤務を経て、2000年6月~2005年8月、衆議院議員として児童虐待防止法の抜本的改正などに取り組む。1997年に共訳『うつ病の対人関係療法』を出版して以来、日本における対人関係療法の第一人者として臨床に応用するとともに、その普及啓発に努めている。現在は対人関係療法専門クリニック院長、慶應義塾大学医学部非常勤講師(精神神経科)、対人関係療法研究会代表世話人、アティテューディナル・ヒーリング・ジャパン代表。主著に『自分でできる対人関係療法』『トラウマの現実に向き合う』(創元社)、『拒食症・過食症を対人関係療法で治す』(紀伊國屋書店)、『怖れを手放す』(星和書店)、『女子の人間関係』(サンクチュアリ出版)、『自己肯定感、持っていますか?』(大和出版)、『「毒親」の正体』(新潮新書)などがある。

「2022年 『心がスーッとラクになる 世界の美しい文様ぬり絵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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