論文捏造 (中公新書ラクレ 226)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121502261

感想・レビュー・書評

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  • もっとジャーナリスト視点の学会&研究者叩きみたいな論調かと思いきや、著者の(第三者目線で)の取材姿勢は、(取材される側に近い世界に生きている自分から見ても)フラットでフェア。まあ、なんというかこの世界...「同じようなことが何度も繰り返されている」感は否めない。

  • 科学社会の変質。科学の影響力の増大。
    その結果、拡大された捏造結果。

  • こうして後からまとめられたものを読むと、なんだかお粗末な感じがしちゃうんだけど、実際には見破ることなんてできないんだろうなあ。
    最先端科学も、結局「人の子」がやることなんである。

  • 読み応えのある素晴らしい書籍

  • 配架場所: 1階文庫本コーナー 請求記号: 407//Mu48

  • 自分自身が清くはないし、人間社会で不正は決してなくならないとは思う。しかし、世界中の研究者を驚嘆させた発表、しかも相次ぐ発表論文の捏造がここまでまかり通るものなのか。論文を重ね重ね掲載した科学ジャーナルの無責任な態度には憤りを感じるが、誰にも増して共同研究者がまったくノーチェックだというのにあきれる。リーダーのバートラム・バトログさえ一度たりとも実験成功の世紀の瞬間に立ち会っていない。実験の生データはなく、サンプルはすべて処分されている。これで不正を否定してもむなしい。

  • 超電導の分野で次々と画期的な成果を挙げ、将来のノーベル賞受賞は間違いないとされた米国ベル研究所の若きエース、ヤン・ヘンドリック・シェーン。彼の画期的な発見、有機体に金属薄膜を付着する事で実現する「高温超電導」の追試に、世界中の科学者が参加するが、誰一人として再現できなかった。徐々にシェーンの発見には疑惑が浮かび上がり、最終的には全てが実験を行わずに「捏造」された結果である事が判明した。
    権威ある研究機関の権威ある研究者がチームリーダーとなり、そのチームで、これまで無名だった若手研究者が画期的な成果を発表する。しかし、実際には実験が行われておらず、実験ノートも存在しない。図表は過去の別実験の使い回し。周囲の研究者も、研究機関とチームリーダーの名前で、この研究成果を信用してしまう。STAP細胞の捏造事件と全く同じに見える構図。正直驚きを隠せないが、この前例があったからこそ、STAP細胞の捏造は数カ月で発覚したのだろう。

  • ベル研究所において2002年に発覚した論文捏造事件を題材にしたものです.今回のSTAP細胞事件(まだ真相が完全に解明された訳ではありませんが)とあまりにも共通点が多いように感じます.

  • 予想していたよりも内容が濃かった。

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著者プロフィール

1990年NHK入局。新潟放送局、番組制作局 科学・環境番組などを経て、衛星ハイビジョン局 特集番組 ディレクター。担当した「NHKスペシャル 生殖異変〜しのびよる環境ホルモン汚染〜」で科学技術映像祭・内閣総理大臣賞、放送文化基金賞・テレビドキュメンタリー番組部門・本賞、地球環境映像祭・大賞を受賞。他に「NHKスペシャル 環境ホルモン汚染 人間の生殖に何が起きているか」「ワイドスペシャル地球環境」「クローズアップ現代」「サイエンスアイ」「生き物地球紀行」など担当番組多数。

「2003年 『環境から身体を見つめる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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