プレゼント (中公文庫 わ 16-1)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122033061

感想・レビュー・書評

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  • 10年以上ぶりに、御子柴刑事、羽村晶の新刊が出ていたので再読。この作者の毒気のあるユーモア、闇、悪意を持った人たちの容赦ない感じが好き。御子柴刑事や小林警部、うろ覚えでしたが面白く読めました。

  • フリーター葉村晶と小林舜太郎警部補がそれぞれ主人公となる短編集、8編。

  •  日常系短編連作ミステリ……の顔をしたシビアな小説集w
     出てくる人物達が全員一筋縄ではいかず面白い。それを日常系?と一瞬勘違いさせてくれるのは作者の筆力によるものなんだろうか。
     確かに、意外な結末に驚くと言うより、物語が描かれる過程を読むのが楽しい一冊でした。

  • 小林警部補と葉村晶を巡る連作短編集。といってもその2人が巡り会うんは最後の編のみ。

    著者の本は『古書店アゼリア~』だけだったけど、独特のユーモアセンスに惹かれた。
    この『プレゼント』も主人公格の描き方にユーモアを感じるけど、全体を通して語り方が冷たい。シビアというか冷めた見つめ方をしてる。
    少し読んでて辛くなった。悲しい物語では無いんだけど、読後感はなんか寂しい。

    「日常の謎」とはよく言われるけど、日常ってそんなもんなのよ、と著者が呟いているような、そんな感じ。

    ミステリーとしては面白いと思うんだけど、ね。

  • ずいぶん前に読んだきり内容をすっかり忘れていた。葉村晶が大好きなくせに、ここから話が始まっていることに今更気づくとは、我ながらうかつ。

  • いいんだけど、朝の通勤電車で読むと、一日がどんよりと。
    でも、面白いんだよなー。
    ブラックな感じがいいですね。

  •  久しぶりの若竹。面白かった。
     「依頼人は死んだ」(確かね)の葉村晶がでてたし。
     相変わらず綺麗に短編を落とす。
     ただ、いつものように最後に短編をまとめたオチがなかったのがちょっと残念。
     推理を展開するわけでもないのにミステリだって言えるあたりが非常に好きだ。
     表題作の「プレゼント」が一番面白かったかな。くるくるオチが回る辺り。

    03.07.25

  • コージーではない七海さんの作品を読むのは久しぶりな気が…。
    各作品は繋がってはいませんが、1話~7話は2人の人物を交互に主役…というよりはメインテーラーにしてありまして、ラスト8話で初めてこの2人に接点が出来あがる構成になっています。(実はニアミスはしてるんだけどね;)
    片方は女性。
     葉村晶、20代後半、職場を点々としているフリーター。
     クールでシニカルな変わり者なのだけど好奇心が強く、どことなく行動が危なっかしくみえる人物。
    もう一方は男性。
     小林舜太郎、刑事課警部補。
     子供用のピンクの自転車で現場へ向かう愛嬌のあるおじさんです。(私が受けた印象は”コロンボ”なのですが)

    「海の底」→晶、「冬物語」→小林、「ロバの穴」→晶、「殺人工作」→小林、「あんたのせいよ」→晶、「プレゼント」→小林、「再生」→晶、そして「トラブル・メイカー」→晶&小林、といった登場の仕方になっています。


    少々毒が強い作品が集まっているかな、と思います。短編の割りには血なまぐさい事件だから? …いや、七海作品は元から毒が強いのか…。(失礼)
    短くまとまってはいるのですが、個人的にはもう少し長くてもいいかなー…物足りなく感じるのは贅沢なのでしょうか。特に晶のパート作品はせっかく晶視点なのだし、彼女自身の感情や内面をもっと見せて欲しかった…。
    1番印象強いのは「殺人工作」でしょうか。ああ、その為に…と納得すると共に哀しくもなるのです。
    …ところで「ロバの穴」のネタは、どこかで似たのを読んだ気がするのですが…思いだせない。気になる…!

    ちなみに葉村晶は別作品でも見かけた記憶があります。確か「依頼人は死んだ」というタイトルの本。こちらもその内に探して読む予定です。

  • 葉村晶シリーズの第一作、らしいです。
    話の構成は割と好きです。葉村晶の章と小林警部補の章が交互に来て最後に・・・という。そしてベタっちゃベタな叙述ミステリで。。。
    ただ一編がちょっとさっぱりしすぎているかな。真相がわかってから最後までがさらっと紹介して終わり、というのがちょっと物足りない。もっとじっくり「読ませる」つくりにもなりそうなのにもったいない・・というのも変だけど。

    とりあえず悪くはなかったのでシリーズの続きを近々読んでみよう。

  • 再読。葉村晶と小林警部補が交互にメインになる短編集。
    最後はコラボ、これが一番面白ろかった。

    葉村晶のほうは、何でも人のせいにする人、悪意、意地の悪さなど、シニカルで面白い。

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著者プロフィール

東京都生まれ。立教大学文学部史学科卒。1991年、『ぼくのミステリな日常』でデビュー。2013年、「暗い越流」で第66回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞。その他の著書に『心のなかの冷たい何か』『ヴィラ・マグノリアの殺人』『みんなのふこう 葉崎は今夜も眠れない』などがある。コージーミステリーの第一人者として、その作品は高く評価されている。上質な作品を創出する作家だけに、いままで作品は少ないが、受賞以降、もっと執筆を増やすと宣言。若竹作品の魅力にはまった読者の期待に応えられる実力派作家。今後ブレイクを期待出来るミステリ作家のひとり。

「2014年 『製造迷夢 〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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