美女いくさ (中公文庫 も 26-2)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (545ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122053601

感想・レビュー・書評

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  • お江や茶々の物語はどれほどあるのだろう。
    多くの方がそれぞれの取材と視座で
    この時代や大奥に興味のない私ですら
    数種類の本を手にし、目にした。

    女の戦いに、私は共感しなかった。

    男は愚かで暴力的で、強圧的で臆病だ。
    そんな男たちの愚かな史実を
    聡明な女たちが書き換えられなかったのは
    なぜなのだろうか。

    女が愚かになるとき。
    それが歴史を揺らしたのかもしれない。

    女が愚かになるとき。
    それは、子を思うとき。

    母はその聡明さゆえに歴史を読む。
    未来と子の将来を混同する。
    子のために、愚かを通り越した愛に狂う。

    女は全て聡明で、母は愚かだ。

  • 2014.3.8
    江が美人っていう印象はなかった
    そうなの?
    忍者を使って全てを把握している江様…
    権力者の都合で動かされる波瀾万丈な人生ってことだろうけど
    いつも誰かに守られてさほど苦労はしてない印象

  • 去年の大河の主人公・お江の生涯。流されるように見えるけど、強い彼女の生き方を読むのは時間が早く感じた。

  • 織田信長が暗殺されたのち、その力を強大にしつつあった秀吉。北庄城落城とともに信長の妹である母お市が果て、茶々、初、小督の三姉妹は秀吉に身柄をゆだねられた。中でも末の小督は秀吉に命じられるまま大野城主佐治一成、秀吉の甥にして養子の秀勝、徳川家嫡男秀忠と三度の結婚をすることに。秀吉を憎みながらも「女子は嫁して子を生し、家を守るがつとめ」というお市の遺言を胸に、小督は戦の世を生き抜く覚悟を決める。
    永井路子氏の「乱紋」とも井上靖氏の「淀どの日記」とも違う“小督(江)”。単独で見たら一番受け入れやすいキャラクター設定ではあるが、先の二冊を先に読んでいたせいか最初は違和感があった。
    それでも土田御前や孝蔵主、義兄喜八郎などなど大勢の脇役たちも丁寧に描いている点や、独自の登場人物であるしのびのカワウソとタマムシを随所に配置するなどの独創的な面は一読の価値あり。

  • 勝手に戦国ブーム&評判良くなかったけど個人的には大河ドラマの「江」は面白くて見ていた、ということで、選択。ドラマとはところどころ解釈が違って、それはそれで面白く読めた。
    「女子は強うのうてはならぬ。… 強いとは、我を張ることではのうて己を曲げることじゃ。… 強風で枝は折れるが葦はなびくだけ、風がおさまればすくりと身を起こす…」のフレーズが心に残りました。
    一点だけ、茶々と家康の関係性には無理があるように感じた次第。
    本筋じゃないけど、この本の中で忍び(忍者)が活躍していたので、興味をそそられた。

  • 2011.11.4~14 読了
    小督の史料はほとんど残っていないようだから、どういう性格で描くかは作家の想像力次第。本作の小督はアクティブに描かれ、「乱紋」のパッシブで無表情な小督とは対照的。

    浅井長政の子:万福丸、虎千代丸→浅井喜八郎
    秀吉:木下一族 vs お禰:浅野一族
    石田三成の暗躍
    孝蔵主の暗躍

  • 浅井三姉妹の末娘、お江の物語。突拍子もない大河ドラマと違い、女性もの時代小説の王道をいってます。おなごは耐えて耐えて、しぶとく闘いぬくのですな。欲をいえば、お江の性格が素直で良い人過ぎるような…?もう少しドロドロギラギラしてたら面白かったかも。

  • 大河ドラマ『江』に影響はされている作品ではありますが、女性作家らしく女性の心情が細やかに描かれています。江と春日局のすれ違いも実際はこんな感じだったのかなと想像が膨らみました。

  • 主人公は浅井長政・お市の末娘・お江。
    お江の目線から見た織田→豊臣→徳川時代。
    戦国時代の流れに揉まれながら、たくましく生きていく姿はカッコいい♪

  • 高まる権威に生じる おごり は人の心を惑わしむ。

    この本を読み終えた率直な感想は「戦国武将の盛者必衰の理」でしたが、来年の大河ドラマは『江 〜姫たちの戦国〜』ですね。

    浅井三姉妹の末妹となる江姫を描いた物語は、あまり見かけないように思うのですが、少しは予備知識をと思い手にした小説がこの一冊です。

    乱世から天下安泰にいたる時代のなかで三度にわたる婚儀を経験しつつも、強く生きた江姫を描いたこの小説。

    せつなく、はかなく、また勇気づけられといった内容であり、名だたる武将をしらなくともスラスラと読めるこの一冊の評価★は4つとさせて頂きます。

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著者プロフィール

諸田玲子
静岡県生まれ。上智大学文学部英文科卒。一九九六年『眩惑』でデビュー。二〇〇三年『其の一日』で吉川英治文学新人賞、〇七年『奸婦にあらず』で新田次郎文学賞、一八年『今ひとたびの、和泉式部』で親鸞賞を受賞。著書に『お鳥見女房』『あくじゃれ瓢六』『きりきり舞い』シリーズのほか、『四十八人目の忠臣』『波止場浪漫』『帰蝶』『女だてら』『尼子姫十勇士』『しのぶ恋』など多数。

「2023年 『其の一日 増補新版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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