- Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122056145
感想・レビュー・書評
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読みごたえのある本だった。
美紀という子供を通して義父母との関係性がだんだん深くなってくることが感じられ、保育園ではケロ先生、小学校では母の日に気をつかってくれない担任、行きつけのカフェの店員、義父母行きつけの写真屋さん(主ででてきたのは娘)、そして後の再婚相手となるななさん等色々な人との関係性、やりとりが丁寧につづられている。また、読み進めていくうちに成長しているが、常に見守る朋子の存在は大きいものだった。
若くして旅だった朋子、残された人のつながり、また美紀の成長を通して得られる丁寧で優しさのあふれる考え方がつまっていると感じた。
ステップという題名は人がつながっていく様子を表していると思い、最後のシーンの義父とのやりとりは涙してしまった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
結婚三年目、三十歳という若さで、朋子は逝った。あまりにもあっけない別れ方だった… 男手一つで娘・美紀を育てようと決めた「僕」。初登園から小学校卒業までの足取りを季節のうつろいとともに切り取る、「のこされた人たち」の成長の物語。
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シングルファーザーが2歳の娘と育っていく話。皆やさしいなー、ええ話やなー
でもそのやさしさが時々痛いのもわかるかも。 -
数年前にも読了していた事を忘れて二度目の読書。
父親と娘がメインのお話、母親は娘が産まれてすぐに他界。
私にも娘がいるので、こういった内容の話しはとても感情移入して共感してしまいます。
今回知ったのですが映画化されているんですね。 -
これぞ、重松清。
心を震わされる。
ステップというタイトルの意味を知った時、心をとらわれた。
久々に泣けた。
終盤、何度も何度も泣かされた。
何も言うことはない。
ぜひ、読んで欲しい。
素晴らしき言葉の虜になれるはず。 -
おじいちゃん、ってこんな感じだよなー、ちょっとめんどくさくて、頑固で、そのくせ孫には甘くて。
自分の父親のことを書かれてあるのかと思いました^^;
話の中では、主人公の義理の姉、翠さんの話が切なかった。
なかなか望んだ子供に恵まれなかったこと。やっとの思いであきらめ、じゃ自分のため新しい人生を、と思っても、年齢のせいもあるのか、希望する仕事にはつくことができず。ファミリー層の多いマンションで、子供のいない夫婦はそこで暮らしていくことに苦しさを感じてしまったこと。などなど。。
年齢的に今の自分と近く、翠さんのきもちがわかるような気がして、とても苦しかったです。 -
若くして妻に先立たれたシングルファーザーのお話。義父母や義兄弟や周りの人にも焦点を当てています。その心情描写も素晴らしかった。
特に義父は私の心情に響きました。「忘れてしまっていい仕事の事ばかり覚えていて、肝心の子供達の記憶があんまりないんだ」とオイオイ泣く場面は本当に人間味溢れてて迂闊にも涙が出てしまいました。本を読んで泣いちゃうなんてここ最近なかったのに。
とにかく重松清らしい、読後感のいい本です。 -
映画鑑賞済み。映画もそこそこよかったのだが、省略されている部分がありそうで原作を読んでみることにした。
妻を亡くした男性が、周りの助けを得ながら一人娘を育てていくという連作短篇集。映画になっていない話やエピソードがあって、それも含めてとてもいい話だった。逆に映画にするにあたって設定を変えたところもあったんだなと気づけて嬉しい。
連作短篇集になると、父娘だけでなく周りで支えている人々に焦点があたるときも多く、深みが増した感じがする。やはり原作読んだ方がいいやつだった。
面白かったのはあとがき。当初妻を亡くした男性が次の恋をしそうになっては成就しない話だったと知って妙に納得してしまった。 -
一言で伝えるとすれば、『素敵な父子家庭のお話』です。
女の子がまだ物心ついていない頃にお母さんが亡くなってしまい、成長するにしたがって直面する母親のことを何も知らないという状況、母の日にお母さんの絵を描かなくてはならないなど、そんな問題を悩み励ましきちんと向き合いしっかりと受け止めるお父さんや母親の両親の優しさが伝わりあたたかな気持ちになりました。
最後には再婚し、また新たな生活を迎えるところで終わってしまったので、その先、どんな風に女の子が大人へと歩んで行くのかあれこれ想像し、読み終えてからも別の楽しさがありました。
一番終わりのページには成長した表紙の女の子がイラストで描かれていて、憎い演出がとても感動しました。 -
結婚してすぐに妻に先立たれ、幼い娘と歩んでいく物語り
読み終わって、タイトルの『ステップ』が絶妙だなと思いましたね。妻に母に娘に先立たれた「遺された人たち」の心の揺らぎとともに前に進もうとする姿は、大きく一気に踏み出すイメージの「ジャンプ」よりも「ステップ」がピッタリでした。
みんなが周りの人を思い遣っているさり気なさが、リアルであり目頭が熱くなり
また、今目の前の幸せに感謝しなければと思わせてくれる面もあり前向きな気持ちにしてくれる一冊でした。