ステップ (中公文庫 し 39-2)

著者 :
  • 中央公論新社
4.15
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本棚登録 : 3828
感想 : 304
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  • Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122056145

感想・レビュー・書評

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  • 繁忙期の朝の電車ですらうっかり涙するレベル。素敵な本に出会えました。

    特に、子育て中のお父さん方はハマると思います。妻と死別し、一人娘を男手だけで育てていくお父さんのお話です。
    描かれるエピソードに心が温まったり、チクチクしたり、自分の未来や過去を思ったり…。

    永遠の悲しみや悔いと付き合っていくこと、新しい恋、再出発、置いていかれる人たち。色んなものやジレンマをはらみながら人生を歩んでいく。

    そんな人生の物語を優しく暖かくときに鋭く描いた、なんとも、味のある本を読んだなあという感想です。

  • 読む場所を選ばないと、胸が痛くて目頭が熱くなって泣いてしまいます。
    読みながら応援してました。
    男親だけで2歳からの育児は想像以上に大変だと思います。
    実際には仕事しながらは中々難しいと思いますが
    美紀ちゃんがちゃんと育っていく様子が
    題名のステップにぴったりでした。

  • 重松清さんらしい優しい物語

    亡くなった妻、朋子と心で会話をする場面描写が好きで、目に見えないけれど繋がって支え合っているようでステキでした。

    「悲しみや寂しさは、消し去ったり乗り越えたりするものではなく、付き合っていくもの」

  • 娘と父親の10年間。10年前の作品だから今ではないエピソードがあるのはしかたないかな。  2020.3.4

  • 映画公開に備えて読む。著者得意のお涙頂戴ものである、どちらかと言うとあまりにもあざとい人情ものが多いこの著者は好みではなく、本作も母親を亡くした幼い子供の話であり、初めから涙なしでは読めないことは予想がつく。しかし映画は名優山田孝之の主演であり、もうある程度名作になることが想像される、本もストックとして持っていたので読まざるを得ない。まあ良く出来た物語ではあり不満はないのだが、中学入学前に物語は終わっている、女の子の難しいのはこれからではないのかい、悲しさが優しさを育てるというのは時期尚早じゃないのかい、これ続編あるのかしら。

  • 何度か読み返している大好きな作品。
    子育てをしたり、老いた親がいるとより一層気持ちがわかる気がします。
    優しさ、生きること、老いること色々なことを考える。

  • 評価は5+。

    内容(BOOKデーターベース)
    結婚三年目、三十歳という若さで、朋子は逝った。あまりにもあっけない別れ方だった―男手一つで娘・美紀を育てようと決めた「僕」。初登園から小学校卒業までの足取りを季節のうつろいとともに切り取る、「のこされた人たち」の成長の物語。

    泣けた。暖かすぎて途中何度も鼻をすすってしまった。凄くきれい事を並べているわけではなく、淡々と日常を描いているだけなのに。何も無い日常が1番美しいのだと改めて考えさせられた。

  • 重松さんの作品読むと
    毎日忙しくて、忘れてたこと思い出す
    あったかい気持ちになる

    死と向き合うことや
    子供の成長や
    両親との関係や
    老いていくこと
    そんなことをいっぱい考える、
    というか、感じる。

    同級生が話す思い出のとこ、
    涙腺、だめだな。

    いまできること
    ちゃんとしよう。
    しっかり生きよう。

  • 本の中に、「変わることは、得ることなのか、失うことなのか」というところがある。

    とても本質的な問いで、今現在の私が思うのは、

    得ることなのか、失うことなのかわからないから、変わることが不安で怖くもなる。

    どうなるのか少し先の視界が見えると、少し安心するけれど、

    それはまた一変するかもしれない。

    変わることは、得ることでも、失うことでもなく、生きることそのもの。

    こういうことへの考え方も、変わっていくのかもしれないけど。


    重松さんの作品は、あたたかい文章ですっかり気にいってしまって

    別の作品も読みたい作家さんの一人となりました。

    人の描き方がやさしいです。

  • 重松清なんてだいたいお決まりの泣けるいい話なんだから、って思ってて自分では選ばないけど、実家にあったので。

    気に入った一節
    昭和の父親は、平成のおじいちゃんになって、さっきからしきりに洟を啜っている。

    ほら、やっぱり。。前半は泣くのをガマンして読んでいたけど、後半は諦めてズビズビと洟を啜りながら読みました。
    やっぱり、家族が一番大事。そして旦那や周りの人も同じ想いでいてくれることは本当に幸せなことだ。

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著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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