夏なんてもういらない (中公文庫 (ぬ2-1))

著者 :
  • 中央公論新社
3.70
  • (7)
  • (8)
  • (14)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 187
感想 : 13
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122067592

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 高校生の深冬は片想い相手の優弥とともに彼の故郷・潮見島へと向かう。だが島には、絶対にかなわない恋敵がいた。『潮風エスケープ』を改題。

  • こんなにも美しくあたたかな失恋があるのか。壊れるからこそ再び生まれるものがある。確かに、もう、いらない。
    また、この物語でもあったように、地域でも会社でも、先にいた人がつくったつまらないルールやしきたりに無理矢理従わされるのが非常に辛いのは強く共感する。縛られれば縛られるほど自由がほしくなる。
    人は変化を恐れる。しかし、変化を受け入れていく寛容さがほしい。歴史や伝統と自由をうまく折り合いをつけて生きたい。

  • もういらないというタイトルと帯に一生に一度の大失恋なんて書いてあるから、ネガティブな話なのかと思ったが、素晴らしい夏だったという話にわたしは感じた。

    ただの恋愛小説ではない。

    神、伝統、変えられないもどかしさ、逃げ出したい気持ち、変わらない人々、変わる人、人間関係。
    正直恋愛は脇役だと思った。昔から受け継がれる伝統を通して、自分はどう受け止め変わっていくのか。はたまた変わらないのか。

    深冬の、親への感情や好きな人への気持ち、好きな人が第一で祭りとかどうでもいい、好きな人と一緒にいたい知りたいって思いはめちゃくちゃ理解できました。
    恋愛としては成就しなかったけど、みんな一歩前に進めたのでスッキリとした読後でした。
    幸せになってほしいな。

全13件中 11 - 13件を表示

著者プロフィール

1990年、茨城県生まれ。日本大学芸術学部卒業。2015年、「ウインドノーツ」(刊行時に『屋上のウインドノーツ』と改題)で第22回松本清張賞、同年、『ヒトリコ』で第16回小学館文庫小説賞を受賞する。著書に、『ラベンダーとソプラノ』『モノクロの夏に帰る』『弊社は買収されました!』『世界の美しさを思い知れ』『風は山から吹いている』『沖晴くんの涙を殺して』、「タスキメシ」シリーズなど。

「2023年 『転職の魔王様』 で使われていた紹介文から引用しています。」

額賀澪の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
小野寺 史宜
恩田 陸
額賀 澪
砥上 裕將
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×