モンスターズ1970 (C・Novels 92-1 ホラーセレクション)
- 中央公論新社 (2004年6月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
- / ISBN・EAN: 9784125008585
感想・レビュー・書評
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収録作
井上雅彦「デモン・ウォーズ」
田中啓文「糞臭の沼」
友成純一「魔物の沼」
菊池秀行「甘い告白」
井上氏作品:本当にパロディ満載で、井上作品の中ではかなり読みやすい物だと感じた。
田中氏作品:「あぁ、田中さんね、やっぱりねぇ…。」となんとも言えない笑いが浮かぶ一作。
前半の良い意味での「胸が悪くなる」感じも印象的だが、
後半のふざけてるような、真面目なような、スピード感のある展開には引きこまれてしまった。
そして、大爆笑。。。w
友成氏作品:もっとも個人的にインパクトのあった作品。
後半はやや失速感もあったけど、前半までの暗黒緋色の世界に魂は翻弄される。
菊池氏作品:スピード感満載の一作。
さっくり読めて、後味も悪くない。
食後の一服という感じでよい締めになりました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
或る男が語る、傑作として名高いオカルト映画で有名になったあの事件の真相とは……パロディ満載の<デモン・ウォーズ>、脱サラしたアマチュア考古学研究家が発掘を続けていた白髪古墳で辿り着いた、世にもおぞましく、驚くべき―そして何より臭い真相<糞臭の村>等、タイトル通り「モンスター」と「70年代」をキーワードにした短編4編(他2編は友成純一と菊地秀行)。
名手揃いとあってかどれもが好みだし、読んでいて楽しい(偶然なのか笑いを誘う作品、笑いが狙いの1つであろう作品ばかり)。何より井上雅彦が「異形コレクション」よかずっとハジけている。あっちでもこういう作品をぜひ書いて欲しいんだが……あっちは監修者という立場上、アソぶわけにもいかないんだろうなぁ。 -
エンタメとして普通に面白かった。
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70年代風、というのが私の感覚ではいまいち分からないのだけれど、とりあえずモンスターテーマのアンソロジー。この中ではやはり井上雅彦さんの作品が好きだなあ。すっごくパロディ満載なので、全部分かればなお楽しい一作(さすがに全部は分からなかったけど……とりあえず「エクソシスト」が分かれば大丈夫、かも)。
田中啓文さんの作品もすごいなあ(いろんな意味で)。たしかにホラーには違いないんだけど、妙に脱力してしまう作品。あの有名な「なぞなぞ」のパロディがなんとも言えず……結局は爆笑。