フリー 〈無料〉からお金を生みだす新戦略

  • NHK出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140814048

感想・レビュー・書評

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  • 人々が何に価値を置くかを知るには
    彼らが自分の時間を使って何をするのかを調べる

    コンテンツはコピーされるがコミュニティはコピーできない

    「いくら?」ではなく「なぜ払わなければならないの?」に答える

    顧客が違えば価格も違う

    あるものをタダであげることで別のものの需要をつくりだす

    価格は原価ではなく心理学で決める

    市場でのリードを保つには同じはなく、それ以上のサービスを提供しなければならない

    フリーは市場の流動性を高め、流動性は市場の機能を高める

    市場はより多くの参加者がいる
    直接に現金のやりとりをするのはその中の一部にすぎないと考える

    常に情報以外のもので料金をとれるようにする必要がある

    人々はお金を支払うべき理由を求めている

  • ーFREEー

    ネットにはフリーで提供されるものが溢れている。
    しかし、それらの全てがお金を生み出さないわけではない。
    フリーはその周りにお金を生み出すシステム・あるいは生態系を作りだすことができる。
    何故あれは無料なんだろう?といった疑問や、発見を促してくれる本だった。
    自分は『MAKERS』の著者で『WIRED』編集長でもあるクリスアンダーソンの著書ということで読んだが、これから起業を目指す人にも一読の価値があるだろう。

  • 今更ながら読んどいた。

    2009年の本だから今読むと目新しさはないが、無料経済の仕組みがよくわかる一冊。

    身近でわかりやすいものだと、GoogleやFacebook、Lineのような無料サービスが成り立つ仕組み。

    うちの父親もそうだけど、世代によっては、無料サービスがどうしても信じられず、後で何か請求されるんじゃないか?とか思って敬遠してしまうらしい。

    逆に若い世代だと、無料が当たり前で、有料とかあり得ないと考えているらしい。

    そんな方々はこの本を読んでみると、なるほど(・∀・) となります。

  • 成功事例の中にはすでに頓挫しているものも見受ける。
    死屍累々のFREE戦略、果たしてみんながハッピーになれるのだろうか。
    ごく一部の富豪を生み出すだけならもうお腹いっぱいだ。
    そのFREEはダンピング、寡占、独占を経て、やりたい放題の本性を現してこないのか。

  • とても参考になった。
    少なくとも、よくわからなかったFREEの世界を
    地図なしで航海しなくても良くなったことに感謝している。

    私たちは今、まさにiTunesでオリジナルのアルバムを販売しているし、
    オフラインでやってきた仕事の一部をオンラインへも移行しようとしている。
    そのようなとき、まさにこの本はFREEの取り扱い説明書になってくれている。

    初めてインターネットで物を買ったとき、
    今までとは違う習慣が、私たちの生活に加わる予感がたしかにしたように、
    ネットで物を売るという側になったときにも、
    フリーの存在は私たちのビジネスにおいて、ますますたしかな習慣として
    あたりまえの存在になっていくことだろう。

    そして、FREEはもうすでにオンラインの世界にまで広がっている。
    これまでもFREEの世界はそこかしこにあったが、
    まるで氷山の一角のように見えていただけで(まるで見えていなかったともいえる)
    一角からは想像もつかないほどの巨大なFREEが
    情報社会(海)の下に顕在化してきたということだ。

    著書の後のほうに、著名人の発言したFREEについての苦言に
    著者が一つ一つ答えている(反論している)部分があるが、ここを読むだけでも
    いくら顕在化してきたとはいえ、それぞれの分野でそれぞれの立ち場にある人間が
    FREEについて口を開けば、まるで違う捉え方をそれぞれがするものだ、
    というのがよくわかる。

    それくらい、FREEは図りにくいものだし、量りにくいものだからだ。

    だからこそ、私たちは自分の豊かな創造力を使って、
    心から楽しみながらFREEを活用しなければならない。
    まさにFREEは無料という意だけでなく、自由という意もあるのだ。

    先ほども、この本はよくわからないものの存在を知らしてくれる
    地図にはなるという話をさせてもらった。
    あとは、自分がどういうルートを通って新大陸を目指すか、
    それはクルー達と頭と頭、顔と顔を突き合わせて、思う存分、
    創造力を発揮すればいい。

    だれも正しい航路なんか知らない。
    私の好きな漫画、ワンピースじゃないが、まさにこの世は大海賊時代。
    自分たちの本当にやりたいことをやるために、FREEという大海原へ
    堂々と船を走らせて行けばいいだけだ。

    ぐるぐるとコンパスを失った船を運航していたように感じていた私には、
    とりあえず、自信を持って、次の島へ迎える
    ログポーズを手に入れたような、そんな気さえする。

  • 「情報はフリーになりたがる」という印象的な言葉が出てきます。

    きっと情報だけでなくあらゆるものがフリーに近づいていく。
    世の中全体がフリーを求めている。

    それはフリーに価値がある事を意味しているのだろう。
    価値を創造する事がビジネスの常識であったのに
    フリーに価値を見出す事に多くの企業や人が躍起になっている。

    フリーの価値とは何なのだろうか。
    そもそもフリーに価値があるのだろうか?

    答えはNoだろう。
    フリー自体に価値は存在しない。

    フリーを価値あるものに変えるのが21世紀のビジネスなんだろう。

    それを実行し成長し続けているのがGoogleだ。

    基本的に一般ユーザーはGoogleにお金を払う事はない。
    ネット検索しようがGmailを使おうがストリートビューを使おうが。

    Googleは優れた機能を絶え間なく生み出しているが
    そこから収益は得ようとしていない。

    IT企業らしく広告収入がほとんどらしい。

    でもGoogleの成長は鈍化するどころか加速しているように見える。
    フリーを最大限利用してユーザーを増やしている。

    それが広告のアクセスを増やし利益を生んでいく。

    フリーをもっとも賢く戦略的にしかもシンプルに利用しているようだ。

    ビジネスの世界だけではなく日常にもフリーは溢れている。
    それにより密接にフリーと付き合っていかなければならないのだろう。

    この先、僕たちの生活にフリーがどんな変化をもたらしてくれるのか楽しみだね。

  • 潤沢さと稀少さの考察に基づく、パラダイムシフトを促す、の書。
    フリーがなぜ必然なのか、そのなかでどう考えるべきかの指針を示してくれる。
    個人では辿りつかないその洞察は、知っておくべきことだろう。

  • クリスアンダーソンの著書。
    FREEの概念を体系的に成立するフレームとして。
    事例に富む。

  • 日々日常で思っていた疑問、
    「どうしてこんなにすごく便利で使えるものが「無料」なの?しかもネット上ではそんなサービスがたくさんあって、みんなが普通に使えるのこの社会って実は凄いことなんじゃない?」

    こんな疑問をこの本では、たくさんの具体例をもって書かれているます。

    最近僕のまわりで「無料」のものが増えたよな、と思っていました。

    例えば、基本的にネットの中の情報は無料ですね。
    そして、ネットに関わるサービス全体がほぼ無料。

    僕の例で言えば、僕はメールの送受信では「Gmail」というアプリを使っています。

    このアプリ、ほんと便利で使いやすい。
    こんな便利なアプリを開発しようとしたら、どれだけの人と労力がかかったんだろうと思うと、このアプリが「無料」というのが信じられない。。。

    だけど、もう今ではこれぐらいのアプリやサービスって、「無料」があたりまえなんですよね。

    僕の職業は「設計」なのですが、Gmailを開発するのと同じだけの時間と労力を設計の仕事に置き換えたら、絶対に無料ではできないよな。。。

    この本では、世の中に潤沢にあるものはどんどん「フリー」、いわゆる無料になっていく。
    それはもう世の中の本流の流れで、特にデジタルの世界ではその流れが逆らいきれないストリームのように、周りの環境を飲み込んでいっている。

    そのことが、ネットの世界で活躍する世界的なIT企業の名前と共に、実感として理解できるような本の作りになっています。

    「フリー」という考え方。
    これを僕の仕事でどう活かすかを考えだすと、どんどんこの本を読むのが難しくなっていくけど、こういう世界の先には、誰もが自由に「ビット」という情報を介して、自分の生活自体を「フリー」にしていって、
    何者にも縛られない、真の「自由(フリー)」を得ることができたら、自分の嫌いなことをしてまでお金を稼いだり、仕事をしたりしなくてもいい世の中になっていくのかな?

    そんな楽観的な気分にもさせてくれるこの本は、今、現在を切り取る歴史書としてもうまく表現されていますね

    たいへん刺激的で面白かったです

  • 積んでた「MAKERS」読もうと思ったら、最初の50ページ読んでほったらかしてたこの人が寂しそうだったので、おとなしくこっちから片付けマス。ごめんフリー。

    タダで成り立つビジネスの仕組みを、貨幣経済だけやなくて、ぱっと見分かりづらい行動経済学の観点から説明。Webコンテンツ系の会社の時価総額が適当な理由も、何となく腑に落ちました。貨幣に換算した価値って、誰も正確なところは分かってへんのやろね、たぶん w

    インパクトあったんは、Webに飲み込まれた既存業界の成れの果てやなあ。例に上がってたのはアメリカの百科辞典市場。

    ・1990年代までは、訪問販売のセールス部隊が中心(市場規模12億ドル)
    ・1990年半ばから、CD-ROM(MSのエンカルタ)が中心(規模は6億ドルに縮小)
    ・で、今はWikipediaとGoogle先生。

    コンテンツの複製コストはほとんどタダやから、市場がほとんど消し飛んでしまうんやね。。。使てる人間は便利になって幸せやけど、既存業界にとってはまさに破壊的イノベーション(-_-;;;

    わたくし組み込みソフト屋さんの端くれですが、ローコスト側からはオフショアが順調に勢力拡大中。別方面からは「MAKERS」で思う存分語られるに違いない、オープンソース・ハードウェアの流れ、そしてプログラマいらずのモデル駆動開発。。。(デンソーでは既に実践されてるみたいやし)

    10年先どころか5年先も読めへん世の中やけど、、、備えよう。

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