- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140885475
感想・レビュー・書評
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とても面白かった。そうそう森博嗣ってこんな文章だったと思うと同時に、わたしが読んでいた頃の文章よりは少しだけまるくなったような印象。敢えて意識的にそう書かれている可能性は否定できない。図書館で借りて読んだが、わたしは基本的に揮発性の頭なので(この表現が気に入った)、また読み返せるように、自分でも買おうと思う。
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「なんでも検索できる時代だ。娯楽だって山のように溢れている。それでも、本を読むことでしか得られないものがある―。著作発行累計1600万部を誇る人気作家が、並外れた発想力とアウトプットを下支えする、読書の極意を明らかにする。本選びで大事にすべきただ一つの原則とは?「つまらない本」はどう読むべきか?きれいごと抜きに読書という行為の本質を突く、唯一無二の一冊!」
目次
第1章 僕の読書生活(どうすれば文章の意味が理解できるか;速読は読書ではない ほか)
第2章 自由な読書、本の選び方(どのように本を選ぶか;本と人は同じような存在である ほか)
第3章 文字を読む生活(僕の研究者時代;世間に文章下手が多い理由 ほか)
第4章 インプットとアウトプット(僕は言葉で考えない;知識を蓄える意味 ほか)
第5章 読書の未来(日本の特殊な出版事情;多種多様な判型 ほか)
著者等紹介
森博嗣[モリヒロシ]
1957年、愛知県生まれ。小説家。工学博士。某国立大学の工学部助教授のかたわら、1996年に『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞し、作家デビュー -
よくある読書術の内容とまるで違うので面白い
年間読書数を気にしていたのだが、本書を読むと「じっくり読書をすることの大切さ」がわかる。
薄っぺらい本を数時間で読んでも記憶に残らない。たまには難解で理解できない本と出会いたくなった。
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背ラベル:019-モ
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著者曰く、本選びの方向性には「未知」と「確認」があり、前者の方が大事ではないかとのこと。
つい楽をして後者を選びがちだが、やはり前者にこそ纏わりつく閉塞感を打破する秘訣があるように思う。 -
著者から見た読書の世界、という感じの内容だった。
本を読んでいるとそれぞれの著者の頭の中を覗き込むことが出来るような感覚になるし、あくまで著者が表に出してもいいかな、と思える範囲でだけど、その人の価値観や考え方に触れることになる。
ビジネス書やエッセイなんかは特にその傾向が強くて、偏った部分が多ければ多いほど惹かれる。
働くようになってから本を読まなくなって、最近また読むようになって感じたことは、本は著者とお話しているようなものだということ。
実際は一方的に相手の話を聞いているだけかもしれないが、私は読みながら自分でも同じように感じていたことが書かれていると嬉しくなるし、自分には全く無かった着眼点や価値観に触れると新鮮な気持ちになる。
それは現実に知らない人と会話した時に感じる感覚と似ているから、本は人だ、という表現にも直ぐ納得出来る。
今は「やすさ」がもてはやされる時代だ、とあってハッとした。
生きやすさ、食べやすさ、読みやすさ
確かに簡単便利が主流だし、手間のかかることは倦厭されている。普段からそういった場面には山ほど触れているはずなのに、言葉にされないと気付くことが出来なかった。
普段ぼんやりと感じていることを自分でよく考えずそのままにして、本を読んで自分とは別の人がそのことをうまく言語化しているものを目にする。その時にようやくはっきりと自覚する。
本当は自分の頭でしっかり考えて言語化するのが良いんだろうけど、考えるということをサボりがちな私だから、私の本を読む意味はそういうところもあるのだろう。 -
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相変わらず面白い。読書というか本をテーマに森博嗣論の展開しまくり。やはりこの人は特殊である。有名になりたくないらしい。。
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森博嗣さんの本は3冊目。 この著者の文章は誰が書いたものかすぐわかります。(小説以外) 「あー森さんらしいな」とにやけながら読んでいました 笑 無作為に本を選んで読む。 まさしく僕が実践していること・し続けていきたいことです。 齋藤孝さんも言っていましたが、読書において「広く深く」は現実的に可能であると思います。 一般的に絶対とされている物事に疑問を持つ森さんの姿勢は、見習いたいものです。 世間、あるいは自分の固定観念や現状から解放されて自由に読書を楽しんでいきたいですね。
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なんというか、すごく羨ましい境遇にある人だな、自分からすると。人に薦めるのも薦められるのも嫌だという人らしいから、一冊もおすすめの本がない。このタイトルからして幾冊かはあるだろうと思っていたら全然なかった。でも、それはそれで全然良くて、タイトルで言う「価値」についてこの人はどういうことを言うのだろうと思ったから、本を人に喩えたり、読みながら想像をすると言うことだったり、なかなか読んで良かったなと思わせることがあって、これはこれで良い時間だったなと。