読書の価値 (NHK出版新書 547)

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  • NHK出版
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感想 : 136
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140885475

感想・レビュー・書評

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  • 昔好きでかなり読んだ森さん。エッセイは初めて。読書というテーマのなかで、彼らしいシニカルかつ気取った書き振りである。
    本書は非常に読みやすい本であるが、読みやすい本は流動食で、未知のもの読みにくいものを読むことを森さんはこのんでいる。Kindleのサジェストで自分の好みに合うようなものだけ読んでいては、未知を知る楽しみはないとのこと。またアウトプットもあらすじを書くのではなく、感想をかけと。耳が痛い。

    読書や出版が20年前に変化できなかった。それはそれでいいじゃないかと思う。新しい商業施設にはブックカフェが入り、僕がここにいる。それでいいのではと思う。

    森さんが研究者から作家になった年ときしくも一緒であり、なんだかやる気がでる本。

  • 文章を読み、それを自分のものとして展開する行為が本物の読書体験
    本選びは未知、もしくは確認のため

    説明のための文章は返還が逆になる。→わかっていて書いたものは書いたものから分かられる

    知識は使うため、それを組み合わせて発送するためにある

    逆にメモをしたから忘れる可能性もある

    アウトプットする時は読んで、どう感じたのか?を具体的に書く。
    感想文はそれを書くまでの思考が大切

    文庫本と単行本には関係があり、文庫本は3年後に出る。
    本はその作品を一社が独占している。

    作者と読者がつながる

  • 何でも検索できる時代にも、本を読む意味がある――。
    わからないことは何でも検索できる時代だ。娯楽だって山のように溢れている。それでも読書でしか得られないものがある――。読書が苦手でしかたのなかった少年は、どのように本と向き合い大学教授・ベストセラー作家となったのか?並外れた発想力と知的生産術を可能にする「読書の効能」がいま明らかに! 著作累計1,600万部超を誇る作家・森博嗣が、「きれいごと」抜きに語る体験的読書論。 ●僕は本を読むことが苦手だった
    ●速読は読書とはいえない ●つまらない本」の読み方を教えよう
    ●本選びで大事にすべきたったひとつの原則
    ●僕は一度読んだら忘れない ●「読みやすい本」には罠がある
    ●教養とは「保留」できる能力のことである etc.
    デビューして二十数年になり、これまでに三百冊以上の本を上梓してきた。最初のうちは小説ばかり書いていた(というよりも依頼があったので、書かされていた)のだが、ここ数年、エッセィや新書を多く執筆している。僕としては、子供のときがそうだったように、虚構の世界よりは現実について書く方が「素直」な行動だと感じているし、未だに、自分で読むものはノンフィクションが九十九パーセントである。それなのに、何故こんな職業に就いてしまったのか、と不思議だ。今でも、ときどき首を捻ひねってる
    しかし、いずれにしても明らかなことは、僕がもの凄く沢山のことをすべて本から学んできた‼️という事実である。文字がすらすらと読めないハンディを背負いながらも、とにかく本を読むしかなかった。知りたいことは、活字を追うことでしか得られなかったのだ。そして、本を読むことが僕にとって、いつの間にか日常になり、また、そういったインプットを体験していたからこそ、逆にアウトプットする仕事を得られたのである。 (「まえがき」)

  • あ、この人頭いい人だ。
    まず、そう思った。

    一度読んだ本は忘れないとか、いやいや。
    いやいやいや。笑

    大学卒業とともに結婚とか。

    読書と関係ないとこで、おぉ。と思わせてくれる本。

    本も人も、自分とは違うものを求めるってところには、成る程って思った。
    本も人もいっしょだと。
    たしかに、いろんな人と出会えば出会うほど、自分は無知だと思わされる。同じように、いろんな本と出会えば出会うほど、自分は無知だと気付かされる。

    だけど
    本は考える時間を存分に与えてくれる。
    それに比べて、人は与えてくれない。
    一瞬で物事を考え、返答しなきゃいけない。

    だから、本は好きだ。
    読めば読むほど、味が出る。
    人ともそう思えたら、いいけど。
    いかんせん、人との付き合いが下手な私には、踏み込むことも面倒だと思ってしまう。

    んー本っていいよね。
    結局このことに尽きる

  • 面白かった!
    帯に「誰も言わない『読み方』を教えよう。」てあって、森博嗣ってそういうキャラだっけ?となりました。笑
    読んでみると「森博嗣の個人的な読書体験から考えた普遍的な『読書の価値』」ではなく「森博嗣の個人的な読書体験から考えた、森博嗣が思う森博嗣にとっての『読書の価値』」でした。
    読書体験としては共有できる部分は少なかったですが、そういう読書もあるのか~!と面白かったです。
    何より、読書は自由だ!自由で個人的な体験でいいんだ!と思いました。

  • 森さんの本の読み方。
    文章を読んで、頭の中で展開する。
    以前はそういう読み方をしていたけど、最近はただ文章を読むだけだったかもしれない。

    本の選び方。
    自分で本を選んでいる瞬間って、とても楽しいと思う。

  • 【あらすじ】
    なんでも検索できる時代だ。娯楽だって山のように溢れている。それでも、本を読むことでしか得られないものがある―。著作発行累計1600万部を誇る人気作家が、並外れた発想力とアウトプットを下支えする、読書の極意を明らかにする。本選びで大事にすべきただ一つの原則とは?「つまらない本」はどう読むべきか?きれいごと抜きに読書という行為の本質を突く、唯一無二の一冊!

    【感想】

  • なぜ人は本を読むのか。

    共感できるところもできないところもあった。自分にとって読書はもっと適当なものだし、気楽なもの。本が友人と同じで、どんな人/本と付き合っていくかで、人間が出来ていくというのは納得。でも、どんな人と友人になったらいいかを人には訊かないけど、どんな本を読もうかというときに、人の意見を訊くことはある。実際それが自分に合うかどうかは、確かに読んでみなくてはわからないけど。本の未来像の話も面白かった。本が注文してから印刷するようになって、ある意味コレクターズアイテムになる、それはわかる。

    こうやって読んだ感想を書いている自分にぐっさりと刺さる、「ネットに本の感想を上げる意味」について。「どこが」だけではなく、「どう感じて」も書いているし、やはり共感を得たいことは否定できない。備忘録でもある。そして、私は感想文を書くのが好きで(世の中では少数派だろうけど)、人の感想文を読むのも嫌いではないのであった。

  • ↓貸出状況確認はこちら↓
    https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00256421

  • 時々、にやっとさせられるのは、そう・そのとおり、図星! と自分に当てはまるから~1僕の読書生活:子どもの頃から読み書きが苦手だった、のは多分、遠視の所為。それでも海外のミステリの翻訳物は読み始め、ポーの一族に衝撃を受けた。2自由な読書、本の選び方:本屋に行って面白そうと直感したものを買って読め。自分と違う人と出会って刺激を貰うように、ベストセラなどは避けるべきだ。3文字を読む生活:広く読み、(自分の場合は文字で考えることはしないんだが)書いたモノは何度も読み直してわかりやすい形にすべきだ。4インプットとアウトプット:読書で知識を蓄え、ひらめき・着想を得て、小説などの意味あるアウトプットを作ろう。5読書の未来:日本では漢字と平仮名を用いたメディアとしての本が発達したが、電子書籍が出始めて、古い体質の出版ビジネスは形態を変えられず苦戦している~NHK出版とは初めてのつきあいらしい

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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