- Amazon.co.jp ・本 (436ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150102081
感想・レビュー・書評
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「宇宙空間の微生物を回収し、新しい生物兵器を作り出す」ことを目的とした「スクープ計画」が、アメリカで密かに実行されていた。そして、宇宙空間から帰還した「スクープ計画」の人工衛星は、アリゾナ州の砂漠の中の田舎町に着陸する。関係機関の職員がすぐに回収する予定だったが、それより先に、田舎町の住民に発見され、こじ開けられてしまう。そうして未知の微生物「アンドロメダ菌株」が田舎町の人々に感染し、ほとんどの住民を殺してしまう。生き残ったのは、胃潰瘍持ちの老人と、生後2か月の赤ん坊。
「スクープ計画」と同時に、持ち帰った微生物を扱う機関として「ワイルドファイア」も立ち上がる。そこは、地球外生物がもたらされた場合、その生物を調査・分析して地球上での伝播を防ぐことを目的としている。
なぜこの老人と赤ん坊は生き残ることができたのか?
ワイルドファイアで、科学者たちがアンドロメダ菌株の正体をつきとめ、感染によるさらなる犠牲者を出さないための予防策を探る。
たった5日間の出来事についての作品なので、物足りなく感じるのか?
今まで読んだマイクル・クライトンの作品は、次々とトラブルが発生し乗り越えていき、スピード感が抜群なのだけれど、『アンドロメダ病原体』は、「あれ、もう終わっちゃった…」。
ただ、人工衛星をバンバン飛ばし、国際宇宙ステーションも建設し物・人の行き来も増え、寿命の尽きた人工衛星が軌道からそれて地球に落ちてくる現在、宇宙の未知の病原体・生物との接触がいつ起きてもおかしくないんだ…と実感させられる作品ではあった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
すんごい説得力のあるお話。面白かったです。
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wired・科学と創作・7位
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【要約】
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【ノート】
(wired)
「宇宙からやってきた細菌」をめぐる恐怖をドキュメンタリータッチで描く。本作でデビューした後の巨匠はかつて『WIRED』ともゆかりの深い作家のひとりだった。
◆ユーザーからのコメント
書かれた年代。そして、もっともらしい嘘(なかの資料はほとんど創作ですよ)の作り方は、創造性の基本/ いちばん「サイエンス」っぽいのはこれじゃなかろうか/懐かしさのあまり1票。そういや『ER』もこの人だ/このなかからならこれかな。『月は無慈悲な夜の女王』がなぜ入っていないのか?
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アメリカ軍は密かに小型衛星を飛ばし、宇宙から微生物を採取して新たな生物兵器をつくろうと画策する。しかし衛星が落下した田舎の小村では、五十名近くの住民達が変死してしまったーー老人と赤子のたった二人を除いて!
五人の細菌研究者が集結し原因究明に尽力する様を、現実さながらのドキュメンタリー・タッチで描いた力作!
ほんとにドキュメンタリーを読んでるようで、こういう事件が実際に発生したのかと思って読了後に検索してしまった(笑)
宇宙に関する研究者達の見識とか、地下施設での滅菌処理の方法とか、色々と作者の先見の高さに驚いた。これを1960年代に描いたなんて凄いとしか言えない。
話自体はぶっちゃけ地下施設で研究者達が実験してるだけと言えなくもないんだけど、ほんまもんの事件かと信じ込まされたので☆4つ。 -
60年代のSF。普遍的なお話ではなく、当時(アポロ11号以前に)リアルタイムでこんな事が起こったらどうなるか、ということで賞味期限はかなり過ぎている。
あと、事後の報告書という体なので人類滅亡みたいなバッドエンドは最初から除外されててラストの盛り上がりも特になく。
でも今だからこそ有り得る話かもしれない。 -
映画化もされているそうですね。
まさしくハリウッド映画の様にテンポよく、しかし緊張感を失わないストーリー構成で一気に読んでしまいました。
回想形式だから、途中ちょくちょく「この行動が実は間違った方向に向かっていた」とか入るんですよね。
登場人物がミスしたのを知りながら読み進めるのは読者としては余計焦ります。
もしかしたら登場人物よりも。
機械の描写は50年前とは思えないくらいはったりが効いていて、特に読んでいて気になりませんでした(私が文系だから?)。
出てくる機械に実用化されてるものもあるからでしょうか。
逆に作者は先見の明があるなと思わされました。
ちなみに好きなシーンはワイルドファイアに入るまでの消毒滅菌消毒(以下略)のシーンです。
なんだか「注文の多い料理店」みたいじゃないですか?
『クリームをよく塗りましたか、耳にもよく塗りましたか』。 -
クライトンタッチを確立した作品
表紙 5点栗原 裕孝
展開 8点1969年著作
文章 8点
内容 650点
合計 671点 -
「最後にものをいうのは準備でもなければ、直感でさえもない。必要なのは運であり、そして最後の勝利は、こつこつと働きつづけた努力家に訪れる」
ジュラシックパークの原作者、マイケル・クライトンが60年代に書いたSF小説。宇宙からやってきた未知の病原体が田舎町の住民を全滅させるんだけど、赤ん坊と胃潰瘍のヤバイおやじだけがなぜか生き残る。その謎に迫るために科学者たちが奮闘していく様子がドキュメンタリータッチで淡々とつづられています。登場人物の印象はみんな薄いし、描写がマニアックすぎてわからないところも。だからこそ、ときどきビックリするような新事実をサラッとかましてくるので、ページをめくる指がとまらない。
それから、中盤に出てくる超滅菌エリアに進むためのプロセスが、途方に暮れるほど面倒!こんなの当番に導入されてなくてよかったぁとつくづく安心。 -
翻訳もの。
人物描写より、科学的な考察のほうが勝っています。
この小説は、地球外から持ち込まれた生命体が地球の生物に与える影響について
がっつり考察したうえできわめて綿密に書かれており、
40年前にかかれたとはおもえないほどリアリティがあります。
(まあ、コンピュータに関する記述はおいといて。)
なんだか、フィクションでなくて、ノンフィクションかとおもうくらい。ちゃんとした理系論文の雰囲気がよくでています。
2014.03.31 -
IMAX