輝くもの天より墜ち (ハヤカワ文庫 SF テ 3-6)

  • 早川書房
3.53
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本棚登録 : 352
感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (586ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150116231

感想・レビュー・書評

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  • たった一つの冴えたやり方の作者の本でタイトルがかっこいいなあと思い図書館で借りて読みました。設定は面白いし引き込まれる感じはあるのですがちょっとこれ、杜撰すぎない?と思う点が多くその不満から作品の世界にどっぷりと浸かれなかったのが残念です。

    とりあえずお客さんがホストの数より多い時点でびっくり。保護管が観光案内とホテルのマネージメントと食事の用意と銀河でもココでしか見られない現象の観測まで行うって…。無理でしょう、どう考えても(笑)。うそでも観光客の対応をするスタッフを急遽雇ったとかいう設定にしておけばよかったのに。その方が自然だ。そして警備隊も常駐している訳ではなく孤立した星には天文的価値のある原住民が住んでいる。その保護管がこの有様?キップって保護管じゃなくてただのペンションのオーナーじゃない?と最初からあまりの緊張感のなさに読んでいてびっくり。事件が起こるのが前提ですが事件を起こす為に観光客を呼んだとしか思えない。保護観察中の惑星に立ち入る人々があまりにノーチェックで入りこむのもどうなの?と思うし。大体学者でもない彼らが惑星に立ち入るのに選別とかそういうことはしてなかったのかなあ?という訳でミステリーとしてはあまりに杜撰でした。
    そして主人公が章ごとに色々と入れ替わるのでついて行くのが難しかったです。実はこの作品の主役はバラムさんだったのか~と後半まで読んで思いました。

    色々と不満を言いましたがなかなか色々な要素が絡み合い最後までよまさせられた感があります。個人的にはキップとコーリー夫妻の危機管理能力の無さすぎにイライラさせられ通しでしたが。それを考えると犯罪の報道をバカ正直に手口まで報道することの善し悪しと言った議論を思い出しました。キップが滔々と星々の涙の採取法について語る場面はこいつは天然バカに違いないと思いました。(作者の意図がどうであれ)それか実は誰かほかにも裏切るのかも?そんな単純な話じゃないかも、と裏を読み過ぎて損しました。

    という訳で最後感動的?なのかもしれませんがちょっと上記のこともあり、心を動かされなかったです。

  •  彼女の長編。楽しみにしていた作品。しかし、疲れていたせいかななめ読みで終わってしまった。どこが悪いということではないのだが、舞台が限られていることや登場人物があまり魅力的に見えなかったことから、立見席で見る狂言のような感覚がぬぐいきれず、途中からななめ読みした次第。

     シャープな切れ味は、やはり短編のほうがいいのかなぁ。

  • 後半を支配する様々な「死」のイメージに圧倒される。ノるまでが長く感じるが、登場人物が出揃ってからはひたすらノンストップ。

  • ミステリ好きとしても楽しめる作品。

  •  「たったひとつの冴えたやりかた」「愛はさだめ、さだめは死」のJ・ディプトリー・JRの長編。
     
     美しい有翼種が住む辺境の惑星、ダミエム。
     「殺された星」のもたらす壮麗な光を見学するために、ヒューマンたちが降り立つ。


     すごい。
     も、打ちのめされます。
     「たったひとつの冴えたやりかた」もすごかった。でも、あれがすごすぎたから、勝手にディプトリー・JRは短編の人かと思っていた。さにあらず。美しく、クールで、優しく、残酷で、切ない。多分「物語」の要素が全て凝縮されている。
     とても複雑に編まれたレースのよう。
     白一色のようで、起伏がはっきりしていて、ほんの少し視点が変わったときに、その文様の美しさに愕然とする。そんな感じ。

     キャラクターの造詣が深いです。
     連邦行政官としてダミエムに赴任している、コーリーとその夫キップ、そして医者のバラム。単にストーリーテーラーとしての存在かと思わせておきながら、これだ。
     最後の2Pは、もう涙涙で、たいへんでした。

     ディプトリー・ジュニアは、1987年にアルツハイマーの夫をショットガンで射殺し、直後に自分も拳銃自殺をした。
     この作品は、1985年の刊行。
     彼女は、夫を心から愛していたんだな、だからああいう選択をしたんだなと、これを読んで強く感じた。

     人を愛することは、時に残酷なのだ。

     眼福という言葉があるが、これは、魂福といえるだろう。

  • なんかやっと読み終えた。もうちょっと圧縮出来たんでは?と思わなくもない。いろいろと伏線が張ってあるんだねぇ。最後にわかる多少意外な事実は「たった一つの冴えたやり方」を思わせる。ミステリチックなとこはあんまないかなぁ。犯人と目されてた人物がまんま犯人だったんだから。どっちかというとサスペンス的な要素か。それにしても最後の「付録」の登場人物一覧は最初のほうにつけといてほしかったなぁ。登場人物多くてわかりにくいから自分で一覧作る羽目になったよ

  • ラストがやっぱり好き。
    あとキャラにわりと萌えてしまってびっくり。
    女性が強く男の人は可愛い(情けな系…)印象。(プリンス&スターリームは万能少年と年上ぽややん少女で、これまた王道な感じ)
    この辺りの萌えは万国共通なのかしら…。

  • 買ったけどまだ読んでないです。(^^;

  • こっちはSF。

    ミステリー仕立てにしてるけど、作者が本当に言いたかったのは最後の数ページじゃないだろか。途中痛ましくて泣きそうになった。続編はないんだけども、物語の続きが非常に気になる。この後どうなったんだろ。てか映画にしたらいいんじゃないコレ?

  • ティプトリーの長編

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