- Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150119614
感想・レビュー・書評
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SFマガジン創刊700号記念ですから、それなりのラインナップ。
ページの使い方がおもしろい『上下左右/筒井康隆』と、ざっぱざっぱと切り裂き続ける『さいたまチェーンソー少女/桜坂洋』がお気に入り。 -
日本SF界の礎にして最先端であり続けた専門誌〈SFマガジン〉の
創刊700号を記念したアンソロジー【国内篇】。
1959年の総監当時から現在までの掲載作品から、
平井和正、筒井康隆、鈴木いづみの傑作短篇、
貴志祐介、神林長平、野尻抱介、秋山瑞人、
桜坂洋、円城塔の書籍未収録短篇の小説計9篇のほか、
手塚治虫、松本零士、吾妻ひでおのコミック3篇、
伊藤典夫のエッセイ1篇を収録。
編者・大森望による「編集後記」も併録 -
読後、頭までSFにすっぽり埋まりたくなった。筒井康隆と平井和正の作品がお気に入り。円城塔も好きだけれど、私の頭ではもう何度か読まないと面白くならない。
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古いのと新しいのと両方入っている。
古いのが楽しく読める物が比較的多かったのに対し、新しいものは面白いものが少なかった。
相性なんだろうけどね。
「緑の果て」手塚治虫 ★3
「虎は暗闇より」平井和正 ★3
「インサイド・SFワールド この愛すべきSF作家たち(下)」伊藤典夫 ★2
「セクサロイド in THE DINOSAUR ZONE」松本零士 ★3
「上下左右」筒井康隆 ★3
「カラッポがいっぱいの世界」鈴木いづみ ★2
「夜の記憶」貴志祐介 ★2
「幽かな効能、機能・効果・検出」神林長平 ★2
「時間旅行はなたの健康を損なうおそれがあります」吾妻ひでお ★3
「素数の呼び声」野尻抱介 ★3
「海原の用心棒」秋山瑞人 ★2
「さいたまチェーンソー少女」桜坂洋 ★1
「Four Seasons 3.25」円城塔 ★1
全体ではちょっとおまけして★3つってことで。 -
“ここに至って人類は、自分たちがすでに汲めども尽きぬ知識の宝庫にあぐらをかいていたと気づいたのだった。ビデオカメラに知能がないのと同様、情報をただ記録するだけでは知的生産はありえない。集めた情報を連関させ、共通するパターンを見いだし、推論することによって初めて有用な知識となる。SAはそれをこれまでにないレベルで実現したのだった。
まもなく学術論文は、著者名よりもSAの形式名が重視されるようになった。SAがもたらす掘り出し物<セレンディピティ>は、ほぼ例外なく当事者の専門分野を逸脱していたから、別の専門家が動員された。呼ばれた専門家も、したことといえば検算と追試だけだった。
二〇九〇年代にさしかかると学会発表の半数がSA主体のものになった。ついで学会そのものが消滅し、研究者は論文を自分のサーバーに置くだけになった。発表しなくても、SAが勝手に読みにくる。業績の評価はSAが計上する連想インパクト・ファクターで決まった。研究そのものに見るべきものがなくても、どこかで別の研究に役立てば評価が上がる。研究者たちが直接集まるのは、懇親会だけになった。”[P.245_素数の呼び声]
「緑の果て」手塚治虫
「虎は暗闇より」平井和正
「インサイド・SFワールド この愛すべきSF作家たち(下)」伊藤典夫
「セクサロイド in THE DINOSAUR ZONE」松本零士
「上下左右」筒井康隆
「カラッポがいっぱいの世界」鈴木いづみ
「夜の記憶」貴志祐介
「幽かな効能、機能・効果・検出」神林長平
「時間旅行はなたの健康を損なうおそれがあります」吾妻ひでお
「素数の呼び声」野尻抱介
「海原の用心棒」秋山瑞人
「さいたまチェーンソー少女」桜坂洋
「Four Seasons 3.25」円城塔
「上下左右」「素数の呼び声」が特に好き。 -
楽しみだった短編集
まずはマンガの「緑の果て(手塚治虫)」 。蛇足がおもしろいな。
なかなかのスリル「虎は暗闇より(平井和正)」 も軽快でよい。
「インサイド・SFワールド・下(伊藤典夫)」 はエッセイだな。読み飛ばし。
「セクサロイドin THE DINOSAUR ZONE(松本零士)」 のタイム・バラドックスもなかなかだが、ありきたり。
「上下左右(筒井康隆)」 は意味不明。読む気になれない。
作者には少し興味があったが「カラッポがいっぱいの世界(鈴木いづみ)」 はイマイチかな。
なんせ最高なのが「夜の記憶(貴志祐介)」 。久しぶりに素晴らしい作品に出会えて感動!! 最後の人類とその未来。素晴らしい。余計な解説なく切り落としたストーリーに感服。素晴らしい!
「幽かな効能、機能・効果・検出(神林長平)」 もなかなかの作品だが、貴志作品の余韻があり、どうしても評価が落ちる。
マンガの「時間旅行はあなたの健康を損なうおそれがあります(吾妻ひでお)」 はまったくのゴミ。
これまた素晴らしいファースト・コンタクトものの「素数の呼び声(野尻抱介)」 。1.4GHz のウォーターホールだとか遊離酸素だとかの小物もおもしろいし、種の起源までぶっ飛ぶオチが切れ味抜群だ。
かなりいい味の「海原の用心棒(秋山瑞人)」 なんだが、長くてダレる。潜水艦、岩鯨ってのはいいんだがなぁ。
「さいたまチェーンソー少女(桜坂洋)」 のノリはイマイチ。好みではないな。
苦手な「Four Seasons 3・25(円城塔)」はやはり克服できずに読了。
貴志、野尻作品が最高だったな。ほかはまぁまぁ。 -
コミックからレポートからライトノベルまで、ごった煮感満載の短編集。収録作はこちら。
「緑の果て」手塚治虫
「虎は暗闇より」平井和正
「インサイド・SFワールド この愛すべきSF作家たち(下)伊藤典夫
「セクサロイド in THE DINOSAUR ZONE」松本零士
「上下左右」筒井康隆
「カラッポがいっぱいの世界」鈴木いづみ
「夜の記憶」貴志祐介
「幽かな効能、機能・効果・検出」神林長平
「時間旅行はあなたの健康を損なう恐れがあります」吾妻ひでお
「素数の呼び声」野尻抱介
「海原の用心棒」秋山瑞人
「さいたまチェーンソー少女」桜坂洋
「Four Seasons 3.25」円城塔
最初期からゼロ年代まで幅広く、内容的にも様々なものを詰め込もうとした努力は評価しますが、うーんちょっと統一感なさ過ぎかなぁ。いくつか心に残る作品はあったものの、読了後の充実感は「まぁこんなもの」ぐらいなところですヽ( ´ー`)ノ
といっても、激しくヒットする作品があればそれなりに読む価値はあるわけで、あとは単純に好みの問題かと。鴨的には残念ながら今ひとつな結果に。うーむ。