天冥の標 2 救世群 (ハヤカワ文庫 JA オ 6-12)

著者 :
  • 早川書房
4.33
  • (158)
  • (163)
  • (30)
  • (5)
  • (0)
本棚登録 : 1100
感想 : 118
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (446ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150309886

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 1巻とは舞台も雰囲気も全く違って、1巻につながる伏線がある以外は全く別の小説になっています。
    1巻のエランカもそうだったけど、この人の描く女の子があんまり好きじゃないかも。優等生すぎるというかナイーブすぎるというか。

    2022.9 合本版で再読。コロナを経るとどうしてもその目線で読んでしまうが、こっちはまあ感染力も症状もレベルが違いすぎて、あまり比較にならないかな。回復しても感染力が残るという設定はチートすぎるというか、後々の展開の都合のために作られた感がどうしても出てしまうな。

  • 1巻メニーメニーシープから舞台は大きく変わり、現代地球で起こるパンデミックを描いた作品となっています。
    正体不明の疾病、冥王斑によるパンデミックに対し、人々はどう立ち向かうのか?高い感染能をもつウイルスを保持した回復者達は世の中からどのように扱われていくのか?単独の作品としても非常に読み応えがある作品です。
    タイトルの救世群、対をなす医師団、冥王斑、ダダー、フェオドールなど、一巻で呈示された天冥世界の情報が少しずつ明かされてきました。これから、メニーメニーシープの話にどのようにつながっていくのか楽しみです。

  • 前巻に引き続き、本作も楽しませてもらった。今回は前作の過去にあたる話で、地球で引き起こされたパンデミックを描いているが、読みやすいのでさくさくとページが進む。まだまだ謎の多いシリーズではあるが、いざこういう事態に陥ったときの人々の行動が、できれば共感したくない面でも理解できてしまうのが何ともやりきれない。

  • 天冥の標の2巻は、1巻の上下に比べて展開がドラマチックじゃなくて、ちょっと物足りない感じ。1巻の最後にどんでん返しがあって、色々期待していただけに残念。

    まあ、でも1巻では西暦2800年頃の話なのに、2巻では21世紀を舞台に描いていて、その落差には驚いた。これは、その次の3巻ではどうなるんだろう、と期待せずにはいられない。また、Amazonで注文しちゃったw

  •  前作からうって変わって、今度は現代~近未来にかけてのパンデミックを扱った話。ハンセン病から始まって感染症の感染者保菌者に対する差別なんかは根強かった訳ですが、今回の冥王斑は感染力が強く回復してもウイルスを拡散させてしまうという性格上その差別に(ある程度の)正当性が与えられてしまうあたりがちょっと怖い感じでしょうか。
     前回何ら説明無く放り出されたいくつかのキーワードは今回も登場し、おぼろげながらもその様子が明らかになっていきます。とはいえ、全容の解明までにはまだまだ時間がかかりそうなので、今後の展開に期待です。

  • 8月9日読了。謎の疫病に立ち向かう医師と最初の回復者の話。ジョプとフェオドールが、すき。

  • シリーズ物なのになんでこんなに一つ一つがしっかりしてるんだろう。先を予見させるような、でもやっぱ先の読めない伏線を敷いて、絶望的なのか希望があるのかも分からないまま、終わってしまった。でも、ちゃんと終わるんだよなーすごいなー。次巻、『アウレーリア一統』へ。

  • 一巻とは打って変わって、現代と近い、日本のお話。
    未曾有の感染症に世界が飲み込まれ、
    日本人医師児玉圭吾と、感染者であり、奇跡の復活を果たした會澤千茅がメインで物語が進められる。
    ジョプや弥彦、華奈子といった、人間臭く魅力的な登場人物もさることながら、
    何より、一巻であまりに謎を残した伏線が、
    巧妙に二巻へパスされているのがわかる。
    しかし、まだ伏線の謎が解けたわけではなく、言葉の紹介があっただけ、という感じ。
    これからますます面白くなって行きそうな予感を残したラストになってます。

  • 舞台はガラリと変わって現代の地球。そんなに飛んで話が繋がるのか?と不安だったけど、全くの杞憂でした。
    冥王斑、救世群、医師たち。前回与えられたキーワードの紐がほどかれ、それがメニーメニーシープにどう繋がっていくのか楽しみでしかたがない!
    2だけでもパンデミックものとして十分に話がまとまっているので、単独でも面白いという事実に驚きです。
    小川さんすごい。

  • 前作とはうってかわって、いきなり現代の地球を舞台にした、アウトブレイクものになってました。どうつながるんだと、思ってましたが、後半からいくつかSF的な仕掛けがちりばめられてきて、前作へつながる伏線らしきものも。羊がキーワードやな、きっと。

全118件中 71 - 80件を表示

著者プロフィール

’75年岐阜県生まれ。’96年、河出智紀名義『まずは一報ポプラパレスより』でデビュー。’04年『第六大陸』で、’14年『コロロギ岳から木星トロヤへ』で星雲賞日本長編部門、’06年「漂った男」で、’11年「アリスマ王の愛した魔物」で星雲賞日本短編部門、’20年『天冥の標』で日本SF大賞を受賞。最新作は『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ2』。

「2022年 『ifの世界線  改変歴史SFアンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小川一水の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×