怨讐星域Ⅲ 約束の地 (ハヤカワ文庫 JA カ 2-16)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 187
感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150311940

作品紹介・あらすじ

ノアズ・アークは172光年の旅を終え、約束の地・エデンの遷移軌道上に辿り着いた。一方でエデンの住民は、首長アンデルスの号令の下で皆兵化と軍拡を進めていた-全てはノアズ・アーク乗員の皆殺しのために。地球消滅から長い年月を経て、再会を果たす人類の末裔たち…。やがて空前の大災厄がそれぞれに襲いかかるとき、最後に残されるのは積年の怨讐か、それとも-。人間と人間の相剋と未来を問うSFクロニクル完結。

感想・レビュー・書評

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  • 大まかに言えば、約束の地にどうやって降りるかを検討するノアズ・アークの人たち
    それに対する、ニューエデンの人たちの先祖代々の「アジソン一味に復讐を!」をどうするのかのお話


    エデンの辺境で農業を営む兄妹
    発見される不審な機械
    それは果たしてノアズ・アークが放った大量殺戮兵器なのか?

    ノアズ・アークの方では約束の地への第一陣をどうするのか?とか

    エデンでは憎きアジソン一味を残虐な方法で殺すために少年兵にまで槍術を仕込むよう
    よく語られる大東亜戦争のときの竹槍で一人一刹みたいな精神だな

    そんな折、ノアズ・アークは船体を菌類に侵され墜落
    果たして、2つの集団の接近の結果は?



    まぁ、妥当な結末だとは思うんだけど
    所々消化不良


    イアン・アダムスは結局望みを叶えられなかったのかなーとか
    せめて子孫同士が何かなかったのかなーとか
    途中でノアズ・アークに転送された少女はどうなったのかなーとか
    色々と面白そうな展開にできそうな設定がいくつかあったのに放ったらかしで終わってしまってちょっと残念というか何というか

    そもそも、本当に地球は滅んだのか?
    フレアに飲み込まれたと描写されているのは大統領への報告だけで、実際に観測した人たちの様子も描かれていない
    なので、その情報すらフェイクの可能性もあるんだよな

    あと、SFの設定的にそっちの技術があるなら、あれやこれやもできるはずなのになーというツッコミは多々あるけれども、毎度のことながらSFへの感想としては野暮だしな

  • 大河SF最終巻 
    ついに、『ノアズ・アーク号』が<約束の地>へ到達します。 
    その時、この世代間宇宙船を襲う悲劇! 
    ニューエデンの人々は『悪魔のアジソン一味』に鉄槌を下すのか? それとも・・・。 
    よくよく考えてみれば、この作品「SFマガジン」に掲載された短篇をまとめたものなんですよね。 
    ですから、長篇というよりも、短編集の趣があります。 
    実は、手元の「SFマガジン2016/10月号」があるんですが、そこに『七千六日の少女』という短篇が掲載されてます。 
    そう『七十六分の少女』の後日談でございます。 
    怨讐星域は、2016年 第47回星雲賞受賞作だったんですねぇ・・・ 

    惑星移住ものなら「グリーン・ワールド」もお勧め。 

  • 怨讐星域Ⅲ読了。ついにノアズアークの乗員とニューエデンの住人の邂逅の時が来た。しかし甘っちょろい話が多く、緊迫感があまり伝わってこない。特にワルゲンツィン関連の話は、戦時中の日本のようであまり好きじゃなかった。最後もコンパクトにまとまり、老人の回想という形であっさりし過ぎてもったいない。

  • 怨讐星域? 約束の地 (ハヤカワ文庫 JA カ 2-16)

  • 神様っていうのはいないんだろうなあと思う
    でも進化は信じられる気がした
    努力は無になるし、頑張りも関係ない
    でも生きるときは生きるし、死ぬときは死ぬ
    故郷がある、ということは甘えなのかな、と思うくらいの進化だと思った
    こんなに刷り込まれてきたことを手放せる人間でありたい

  • 三部作完結。
    一番えー……な展開が多かった巻になってしまったかも、特に恋愛沙汰で。
    あるあるなんだろうけれど。

    結末としては著者が自信なさげだったけと、私はありかなとは思う。
    拍子抜けだったかと言うとまあこんなものかなと。
    いくつか続きが気になった人たちはいたのでその辺をどうしようとは思ってるが。

  • さらに続きを読みたいですね。3部作読み応えありました。

  • 期待していた分だけ少々ガッカリ。あの決着の仕方・・・。

  • ◎スケールの大きなSFをかなり読みやすく描いている。脱出シーンの老若男女はとても良かった。
    △アジソン組とジャンプ組の邂逅の直接描写がないのは残念。一番期待していたのに逃げられた気持ち。
    △恋愛描写が基本的に一目惚れ、且つ男→女間のものに偏りありでわくわくしない。世代間を繋ぐのが大義の宇宙船であれば、マイノリティの肩身の狭さの描写があればより面白かったのでは。

  • 怨讐星域シリーズの3作目(完結編)。結末は予想通りと言えば予想通り。その結末に至る描写が老人の講演による回想とすることで、いい感じでまとまった。

    この作品(シリーズとして)は、SFマガジンに連載されていたものをベースにしている。そのため、各エピソードが独立していて、それぞれを楽しめる。そして、全体を通して大河的な物語の展開を楽しめる。シリーズを通して感じたのは、数百年の物語を各エピソードに分解することで、リアリティーを損なうことなく読者に長い時間が流れたのを想像させた。本作品を読んでしまって残念なのは、連載で読んだ方がより楽しめたのだろうなと思ってしまうこと。連載だと雑誌が発行されるまでの時間が、各エピソード間で時間が一気に飛ぶところ(時間の流れ)をより感じられるだろう。つまり、エピソードを時間をおいて読むことでリアリティーが増すと思った。本シリーズを読むときは、エピソードごとに時間を置いて読むのをお勧めする。数百年の時間が経過するのを実感しながら、各エピソードのある意味生々しい、その時代の有り様を感じられる。

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著者プロフィール

熊本県生まれ。「美亜へ贈る真珠」でデビュー。代表作に『地球はプレイン・ヨーグルト』『怨讐星域』「あしびきデイドリーム」(星雲賞)『未踏惑星キー・ラーゴ』(熊日文学賞)『サラマンダー殲滅』(日本SF大賞)、そして映画化した『黄泉がえり』や、舞台・映画化した『クロノス・ジョウンターの伝説』など。

「2022年 『未来のおもいで 白鳥山奇譚』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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