- Amazon.co.jp ・本 (816ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150315191
作品紹介・あらすじ
国内新鋭作家の短篇集未収録や未書籍化の傑作を、伴名練が先取りセレクト&解説する。この1冊で、SF小説をもっと好きになれる!
感想・レビュー・書評
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ほぼ一ヶ月かけて読了
どの話も面白く、毎回別次元を覗き込むような気持ちで楽しみました。
真面目にふざける方向に全倒ししてるモノもあれば(様式美がある)ハード方向に進めてる作品など、並ぶことで個性が際立って
どの話も面白かったです。
分厚い本なのだが、とても良いサブテーマの解説があるためSF入門書として読み。自分の好きなテーマを見つけられる造りとなっている。
コレまで読んできたSFがどのテーマに属してるのかも知ることができた。
SF作家以外の作品についても名前が挙げられていて唸った。
・AI
・愛
・想像力
・実験小説
・動物
・超能力
・宇宙
・ポストコロナ
・異星生物
・言語
・バイオテクノロジー
・環境激変
・AR/VR
・改変歴史
サブテーマの解説…これまた別世界(他作)を読みたくなるなる…でも絶版とか入手困難なモノが混じってるのが辛い…読みたいんですけど…詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
異様に読み応えのある佳作たち。
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文庫本の800ページ…。久しぶりに一冊で3日目突入してしまいました。SF好きな人や、これから読んだり書いたりしたい人には、同じ系統の過去作品のこれでもか!っていう量の解説ついてるので、超おすすめなんだけど、ちょっと読みにくい作品の方が多かったように感じます。
◆作品として好きだったのは、
・斜線堂有紀「回樹」
百合とファンタジーの融合。人体吸収する樹。
これは、SFっていうより、拗れ愛小説。
・芹沢央「九月某日の誓い」
超能力のある世界で、科学者である父の自殺により奉公することになり、その家のお嬢様の能力、そして意外な結末。
・琴柱遥「夜警」
夜に空から降る星の話。子どもが願うと叶うのだが、それには秘密があり…。少し宮沢賢治っぽい雰囲気が良かった。
◆作品ネタとしては面白かったけど、イマイチ入り込めなかったのは
・八島游舷「Final Anchors」
自家用車に搭載されたAI同士の一秒に満たない時間での会話や思考
・宮西建礼「もしもぼくらが生まれていたら」
小惑星が日本に落ちることが分かったことと、高校生の衛星構想コンテストと核のない未来
・夜来風音「大江戸しんぐらりてい」
実在の数学や天文の天才達を登場させ(安井算哲、関孝和など)柿本人麻呂の歌が実は数式だったというロジックで大演算機構が作られる江戸時代。
・佐伯真洋「青い瞳がきこえるうちは」
VR技術で仮想スポーツ大会が出来るような未来。卓球に才能のある兄弟の感情。一人は盲目、一人は寝てしまう病。
・坂永雄一「無脊椎動物の想像力と創造性について」
科学者飼育による蜘蛛生態改変で、蜘蛛に京都を乗っ取られる世界を描いている。この話は凄く面白くなりそうなのに、とても入り辛くてもったいない!と思った。 -
800Pは長い!読了まで1ヶ月かかってしまいましたが、それに見合う面白さだったと思います。
特に心に残った短編は下記のとおり。いずれの作品も素晴らしかったので、機会があれば他の作品も読んでみたいと思います。(というかそろそろ伴名練さん自身の作品集をぜひ)
「回樹」斜線堂有紀
斜線堂有紀さんの作品ははじめて読みましたが、読みやすいし、題材もとても好み!律の出す結論が怖くて結末を見るのに勇気が必要だったけど、とても綺麗な終わり方でした。それは確かに愛だよ。
※ハーモニーしかり、百合とSFの相性の良さはなんなんでしょうか笑
「大江戸しんぐらりてぃ」夜来風音
劉慈欣の円や三体など、人力コンピュータSFという題材に馴染みはありますが、それが次第に暴走し、人間を超越した存在となっていくというのは新鮮な面白さがありました。見事な改変歴史SFですね。
「夜警」琴柱遥
題材自体に真新しさはないかもしれないが、文章が綺麗でグッと引き込まれました。結末も印象的で素敵な短編でした。 -
これからのSF界をになっていくであろう14人を編者が選出してテーマを別々に短編を集めたもの。まったく知らない作家のものばかりで、とても楽しめた。それぞれの作品のあとにテーマにかんしての解説があるのがありがたい。
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ショッピング・エクスプロージョンはとても読みやすい…