砂漠のゲシュペンスト〈下〉 (ハヤカワ文庫NV) (ハヤカワ文庫 NV シ 25-7)
- 早川書房 (2009年8月20日発売)
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感想 : 2件
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- Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150412012
感想・レビュー・書評
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いやホントに読んだの?オレ。
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上巻に引き続き、時間をかけつつ下巻を読了。ストーリー展開はほぼ予想通りという感じだったが、舞台がドイツのケルンということでちょっと新鮮な感じはある。
本作は1997年の作品との事。1991年の湾岸戦争からわずか6年だが、すでにその記憶が風化しつつあることに警鐘を鳴らしている。
TVによりリアルタイムでお茶の間に届けられた戦争。しかし、大多数の視聴者はニュースが終わった瞬間に日常生活に戻る。飢餓を特集した報道番組を観終わると、食品会社のCMが流れる。私達を取り巻く情報量の増加は、日常の現実生活と世界の悲劇の間に大きな乖離を生じさせた。
本作が世に出てからさらに15年。インターネットという新たな空間を通じ、私たちが接する情報量はさらに増加の一途をたどっている。だが、デジタルデータはあくまでシンボルであり、そのシンボルの裏側には血が通っている人間がいる事を忘れてはならない。
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