パーフェクト・ハンター (下) (ハヤカワ文庫NV)

  • 早川書房
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150412500

感想・レビュー・書評

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  • 非常に面白かったです。
    全編アクション満載でまるでハリウッド映画を見ているみたい。
    ストーリーに少しディテールの甘い部分もありますが基本的には好きな展開です。
    主人公ヴィクターのプロっぽさは大好きです。
    最後の方の展開が少し感情的になりすぎてもう少し落ち着いていた方がプロっぽさ出ると思いますが、まあ許容範囲です。

    プロの凄腕暗殺者ヴィクターは、依頼どおりに標的の男を射殺し、男が持っていたフラッシュメモリーを奪った。
    この簡単な仕事を終えホテルに帰ったヴィクターを待っていたのは襲撃チーム。
    そのチームを撃退したヴィクターは自分が追われる立場になっていることに気づく。
    誰が彼を狙うのか?ヴィクターは彼を追うモノを逆に追い詰める。

  • おもしろかった。でも、プロとして守るべきものが守れなかったところの葛藤とか掘り下げが無いのは、ちと残念。

  • 陰謀と裏切りと殺し合いと女━━スパイ小説が持っているエンタテインメント要素をすべて持っている。下巻の最初の方は若干の中弛みを感じたものの、殺し屋リードとの対決で絶体絶命に陥ったヴィクターの壮絶な大逆転劇には目が釘付けになった。物語の描写は読んでいてすんなり頭に入ってくるのが良い(翻訳者の腕前もあるのでしょう)。シニカルな表現がところどころにあり、これがハードボイルドっぽさを醸し出していて好きな部分でもあった。きっと著者の好きな表現手法なのだろう。特に気に入ったシーンは最後の一行だ。映画007シリーズの「カジノロワイヤル」のラストシーンを彷彿とさせる。格好いい、しびれた。

  • 凄まじいボルテージのアクションで埋め尽くされた圧巻の活劇小説。プロ対プロの暗殺者の闘いを終始ハイテンションで描き切る。殺し屋を主人公とするスリラーは吐いて捨てる程あるが、完成度に於いて本作は傑出している。ロバート・ラドラムの傑作スリラー「暗殺者」を映画化した〝ジェイソン・ボーン〟シリーズの影響が顕著(推測)で、極めて映像的な描写によって圧倒的な臨場感を生み出している。

    常に敵の裏をかく頭脳戦、閉ざされたホテル内や広大な雪山でのスピード感溢れる銃撃戦、五感を研ぎ澄ます肉弾戦、クライマックス近くのド迫力のカーチェイスなど、見事な筆致でテンポ良く展開させていく。

    ロシアの軍事機密を狙うCIAの策略が内部の裏切りによって崩れ落ち、関わった人間が何者かに次々と殺されていくというメインプロットはシンプルなものに抑え、嵌められた冷徹な暗殺者が裏切者を追いつめていく戦闘にストーリーの重点を置く。

    主人公ヴィクターが協力者となる女性と行動を共にする事で、非情に徹した暗殺者の感情に揺らぎが生じていく過程も巧い。最終的な目的が復讐へと変貌するさまも、パターン化されているとはいえ、物語に深みをもたらしている。フランス、スイス、ロシア、タンザニアと場所を変えつつ、一気に最後まで読ませてしまうトム・ウッドの力量はデビュー作と思えぬほど凄い。

  • プロの暗殺者が指示通り人物を殺してフラッシュメモリーを手に入れたらそこから命を狙われ始める。誰が自分を狙っているのか突きとめようとする話。殺されないために、敵やらをどんどん殺していくので死人だらけである。でもプロの暗殺者がすばらしい。おもしろい。

  • 舞台設定、主人公のキャラクター、物語の展開、総合的にとても面白い作品だった。映画化されても良さそう。

  • 本当に面白かった!

    続編を楽しみに待っています。

  • 主人公の優秀な暗殺者としての能力がとても魅力的だと思いました。
    早い展開でついつい一気に上下巻と読んでしまいました。
    下巻で徐々に人間として変化していく彼の姿も引き込まれる部分があります。
    彼を取り巻く環境が多国籍で、情報機関や警察が入り混じっているのでたまに迷ってしまいました・・・。それは私の読解力のなさということで。
    面白く読みました。

  • ヴィクターが奪ったフラッシュメモリーには、ロシアの軍事機密が含まれていた。追う者、追われる者たちの壮絶な戦いは、ロンドン、アムステルダム、キプロス、そしてタンザニアでくり広げられる。
    デビュー作とのこと。ここまで読ませる筆力はなかなかのものです。

  • 面白かったが、もし映像化されるならそちらを勧めてしまうかもしれない。文章化を堪能する傑作ではないし、映像で事足りるなら、その方がわかりやすいというタイプの作品だろう。

    プロの殺し屋というカラーがヴィヴィッドな序盤は鮮烈だったが、陰謀のからくりと黒幕が明かされる頃から、一昔前のスパイ映画を観ているようでヴィヴィッドさが半減した。ある人物との接触で、乾いた空気が一気に湿っぽくなったのも残念。

    逃亡と追跡に暗殺者集団が次々に引きずられ、世界中をぐるぐると回っているような感じ。行く先々で展開するアクションは緊迫してるし読み応えもあったが、全体的に金太郎飴的展開なので、何らかの飽きは来る。一流の暗殺者が、復讐だとかプライドだとか、任務に無関係な感情で突っ走る姿にも少し違和感を覚えた。

    似たようなタイプではスティーブン・ハンターがいるが、あちらは“狙撃者”だし、とても太刀打ちできないだろうから、本シリーズには、“暗殺者”としてのキャラを確立してもらいたい。

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