ミレニアム2 火と戯れる女 (上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)
- 早川書房 (2011年11月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (515ページ)
- / ISBN・EAN: 9784151792533
感想・レビュー・書評
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平成29年5月20日読了
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前作に比べ穏やかな出だしと思いきや、中盤からどんどん加速しだして、必死に眠気と闘いつつも下巻に突入します!
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3月7日〜3/21
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『購入したハンマーをショルダーバッグの外ポケットに入れてあるので、それで反撃するつもりだ。ハンマーで対処できないほどの危険な状況などほとんどない、というのが彼女の考えだった。』
『自分の行為が社会的に受け入れられるものでもなければ許されるものでもないと、頭ではよくわかっていた。自分が悪いとこをしたのを認める。法的に見て弁護の余地がないこともわかっている。
だが、頭でわかっていることなど、感情面では何の意味もなさなかった。』
『リスベット・サランデルに出会ったその瞬間から、彼は自分を抑えることができなくなった。法律も、規則も、道徳も、責任も、どうでもよかった。』
『ミカエルとベッドをともにしても、いやな思いや怖い思いをすることはなく、面倒なのことにもならない。何の要求もされず、ただひたすら性的な満足を得られる。そして確かに、セックスとは本来そうあるべきだ、というのがミカエルの考えだった。』
『もう二度と誰かを好きになったり愛着を持ったりしてはいけない、と自分に言い聞かせた。そんなことになれば、必ずどちらかが傷つくことになる。』 -
こ、これは...。
「『いままで友だちでいてくれてありがとう。』 背筋に冷たいものが走った。こんな返事を望んではいなかった。まるで別れの言葉ではないか。”リスベットはたったひとりで世界を相手に戦おうとしている。”」
世にハードボイルド小説というのがあるのは知っていた。しかしこれまで知っている気でいたハードボイルドなんてふにゃふにゃの半熟卵でしかなかったのだと思い知った。ここに真のハードボイルドがある。リスベット・サランデル、彼女は徹底的に孤独で、気高く、妥協せず、信念のもと、誰の協力も得ず、たったひとりで自分が悪と見すえたものに敢然と立ち向かう。もちろんこの現実の中ではいかに類いまれな異能をもとうともたったひとりでなしうることなどたかが知れている。彼女の偽りで固められた経歴や他を慮らない言動にだまされない真の人間洞察をもった少数の人間が、矢も盾もたまらず彼女を守り、助けようと動く。これは紛れようもなくそんな人間たちの魂の物語だ。冒頭の局面は上下巻計1000頁におよぶ作品の900頁目あたり。複雑怪奇で見通しが効かなかった事件の失われたピースが次第にはまりだして全貌が明らかになり、物語は最後の結末へ向けて加速度をつけて走り出す。あともう少し、これですべてが解決するのだろうか、いったいどうなるんだ、息をつめて読み進んだ最後に撃ち込まれる一発の銃弾。えーっ!それはないだろう!もう世界は終わりだ。この結末はどうつけてくれるんだ、というところで物語は終わる。いや終わらない。終わらせるものか。 -
衝撃の展開。面白さでは前作に勝るとも劣らない。
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リスベット大ピンチ!というわけで、ここからどうやってひっくり返していくのかが気になる。それなりのページ数だがすぐ読める。
登場人物が多くなってきたので、ちょっとごちゃごちゃしてきた。名前が覚えにくいのが外国小説の難点だなぁ。 -
訳のせいか、いちいち名前がフルネームだし表現がまわりくどい
ストーリー・・・内容の割りにページが多い
下巻に期待 -
スティーグ・ラーソンのミレニアム・シリーズ第二部は、謎多き女リスベット・サランデルを中心に展開。
サランデルの「できすぎ」感に多少の醒めこそ覚えるものの、第一部のおもしろさは全く失速することなく、さらなる驚きで興奮しっぱなしの読書タイムでした。ううむ、今年の読書トピック筆頭はミレニアム・シリーズだな、こりゃ。
さて、怒涛の勢いで迎える結末は、どうやら第三部に引き継がれる模様。これはもう、読まねば。 -
下巻の訳者あとがきにある様に、
1巻でリスベットと云うキャラクターに魅了されて
そのまま2巻を手に取ってしまった次第。
2巻上の半分くらいはなんだか退屈してしまった・・・
下巻へ。 -
前作と同様、最初の半分くらいがなかなか読み進めらない。
下巻まで読み終えても、「あれはいったい何の関係があったんだ…。」みたいなエピソードが入るのが、★-1。
事件が発生してからの加速はスゴイ。 -
読ませ感とミカエルの謎のモテ男ぶりは相変わらず。続きが気になる。
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映画でドラゴンタトゥーの女を観て 続きが読みたいと思ってた
映画に負けず おもしろく ドキドキハラハラしながら 下へ -
1と比べサスペンス感が強く感じられた。
早く3を読みたい。 -
映画は鑑賞済み。映画ではかなりのエピソードが省略されていたから、原作を読むことで納得できた部分もあるし、まだるっこしく感じる部分もあった。
リスベットの心境の変化。パルムグレンとのやり取りや、ミミを信頼する様子に心が温まる。
ミカエルは相変わらずのだらしなさ……
ブブランスキーら警察の面々も登場し、にぎやかになってきた。 -
新たな展開にワクワクテカテカ。
話は急展開なのだが、人物描写が細かくて
なかなか読み進めない。
「そんな細かいことはいいんじゃ。
皿ん出るはどーした」
とイライラはつのる。
ミカエルはカヤの外。
焦らされるが面白い。 -
1作目が楽しすぎた。ギャップがある。
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うん、これは面白い!2・3はオリジナル映像より小説。2・3は警察・政治ミステリで謎解き活劇の1とはタイプが違うし、リスベットが活躍しない(入院に逮捕に)、ミカエルとも会わないが裏で心を通わせる、ので小説が勝る。
登場人物が多すぎ、チョイ役も細かく描写する。エピソードも枝葉が多く、おそらく3でも回収されない。イメージが無駄に溢れかえっている感じは、このシリーズの疵というか魅力というか。3で終わらせる気はなかったのだろう。 -
2部はリスベットの過去がカギとなる今回の事件。出生の秘密と「最悪な出来事」が明らかになる。スローな始まり方から、だんだん加速していく手法は前回同様、後半はぐんぐんと魅入ってしまう。登場人物が少ないのでややこしくはない。
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第二部はリスベット・サランデルが中心。数学、そしてフェルマーの最終定理の話が最初に登場するのは、後半に起きる事件と何か関係があるのだろうか。事件の担当になった警察が調査するという形で、彼女の過去が暴露される。精神科病院に入れられていた彼女は、重度の精神障害があり、暴力的傾向が認められ、責任能力のない無能力者とみなされていた。しかし、第一部からも分かるように彼女は優秀な調査員であり、会社の上司たちは彼女に畏敬の念すら抱いている。紙上の報告書と関係者の話との差に混乱する警察。「リスベットはなんらかの形で事件に巻き込まれているだけで、彼女が加害者ではない」と読者に信じ込ませる力が作者にはある。続きが楽しみ。