オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史: 2 ケネディと世界存亡の危機
- 早川書房 (2013年5月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152093721
作品紹介・あらすじ
第二次大戦後、東西陣営の冷戦構造という新たな火種を作ったのは、ほかならぬアメリカだった。ケネディ大統領の時代に世界は核戦争の破局に直面する。アメリカの黒い歴史を暴く話題の超大作第二弾
感想・レビュー・書評
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戦争商売の国
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昨日はこの表紙の人、ケネディの誕生日でした。生きていたら96歳です。
46歳のときに亡くなりました。
暗殺されたのは知っていました。でも私のあたまのなかでは皇太子成婚パレード投石事件と混じっていました。
この本を読んでケネディが戦後のアメリカ大統領のなかで特別に偉大な人物だったことがわかりました。目から鱗でした。
私にとってアメリカはずっと憧れのカッコいい国でした。
戦争でこてんぱんにやられたけど、その後はとてもよくしてくれた、とご老人たちから聞いています。
海外で紛争がおこると助けにいくアメリカ兵は素敵だと思っていました。
ソ連が悪でアメリカが善と思っていました。
イスラム教が悪でキリスト教が善だと思っていたときに塩野七生女史の『十字軍物語』を読んで、それが誤解だったと知ったときに似ている感情がおこりました。
ソ連のフルシチョフとケネディは、第6回十字軍のアルカーミルとフリードリヒ2世を彷彿させます。フルシチョフは第3回のサラディンも思い出させました。
オリバーストーンはアメリカを愛する映画監督です。まちがったことは正さなければいけないし、若いひとたちにアメリカのほんとうの歴史をつたえたいということで、この作品をつくったそうです。
NHKBSで見てとても面白かったので図書館に予約しましたが、ざんねんながら第2巻が先になってしまいました。はやく第1巻を読みたいです。
第3巻の部分はTVで6月13・14・15日放送されます。本も6月にでるそうです。
今度はなじみの名前もたくさんでて、もう少し楽に読めるかと思います。楽しみです。 -
フランクリン・ルーズベルト大統領時代の1941年1月から45年1月まで副大統領であったヘンリー・ウォレスを忘れてはいけない。その後商務長官となっても核兵器廃絶と東西対立回避のために孤軍奮闘する。
1946年4月ニューヨーク市庁舎での演説から。
「私は4年前にアメリカの世紀を否定しました。そして今日、さらに力を込めて、アングロサクソンの世紀を否定します。世界中の市井の人々は、啓蒙されたアングロサクソンの原爆によって庇護されるとしても、帝国主義の再興を許容しないでしょう。英語を話す人々の使命は世界に奉仕することであり、世界を支配することではないのです。」
もし、ルーズベルト大統領が死んだ時、副大統領がハリー・トルーマンではなく、ヘンリー・ウォレスであったのなら、その後の世界の歴史は今と違った道を進んでいたかもしれない。 -
赤坂Lib
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資料ID:21302209
請求記号:253.07||S||2 -
トルーマンからアイゼンハワー、ケネディ、ジョンソン、ニクソンまでの大統領によるアメリカの歴史が核の問題を中心に語られる。どのように冷戦が始まったか、ソ連との関係、軍産複合体の陰、アメリカの中南米、ベトナムへの介入などアメリカの帝国主義的、負の側面が暴かれる。ケネディとフルシチョフによるキューバ危機は本当に核戦争一歩手前だったし、その後も危険な状態はいくらもあったことが明かされると、改めて運の良かったことに驚かされる。アメリカにとっては、中南米、アジアは征服されるべきアメリカの権益範囲だとしか考えていないと感じる。その一方でベトナム反戦運動が起こり、サイゴンは陥落し、最終的にはニクソンが辞任に追い込まれるのはアメリカ民主主義がまだ健全であったことを示すのだろうか。アメリカにはウォレスに代表される健全な民主主義者が残っていることを期待したい。
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オリバー・ストーン (著), ピーター・カズニック (著), 熊谷 玲美 (翻訳), 小坂 恵理 (翻訳), 関根 光宏 (翻訳), 田沢 恭子 (翻訳), 桃井 緑美子 (翻訳)
第2次大戦後、東西陣営の冷戦構造という新たな火種を作ったのは、ほかならぬアメリカだった。ケネディ大統領の時代に世界は核戦争の破局に直面する。アメリカの黒い歴史を暴く話題の超大作第2弾。 -
いつの時代も権力者は同じ事をしているのを感じます。
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2巻目。第二次世界大戦後、米ソ冷戦、朝鮮戦争、赤狩り、ベトナム戦争、カンボジア内戦、チリのクーデター、沖縄返還、ウォーターゲートまでの裏話。米国は、あらゆる戦争で核兵器を使いたがっていたのと、民主的な政権でも米国企業に害のある政権は排除するのにCIAが大活躍したのと、とにかく危ない賭けをしてでも自国の利益最優先で動いていたことがよくわかります。むしろソ連を始めとする敵対国の方が冷静に見える。
通勤電車で読むには重過ぎ。