- Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152097972
作品紹介・あらすじ
『タイタンの妖女』『猫のゆりかご』など傑作を遺したSF作家カート・ヴォネガット。彼がものした切なくも優しい全短篇を8ジャンルに分類、全4巻で隔月刊行する。第1巻には表題作ほか「戦争」「女」テーマの全25篇を収録。没後10年を経て刊行する決定版。
感想・レビュー・書評
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全4巻のうちの1巻目のテーマは「戦争」と「女」.ただし,「女」は2巻目に続くらしい.
生前に発表されたもの,未公表だったものが混在しているので,書かれた年代順になっていないと思われるのだが,前半は戦争に対した達観,あきらめが強く,後半(「サミー,おまえとおれだけだ」「司令官のデスク」「追憶のハルマゲドン」「化石の蟻」)は戦争を皮肉る話になっている.どちらも"ヴォネガット"的である.詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
戦争がテーマの話は第二次世界大戦の米兵捕虜が主人公のものが多く、正直それほど印象に残らなかったが、女がテーマになった途端、かなり現代に通じる視点が見られて興味深かった。
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作家読みを本格的に開始してしまった笑。長編と短編を良い感じに交互に読めたらな〜と。あまりにも作品数が多すぎると作家読みを断念しそうだけど、ヴォネガットはいける気がする笑笑
さて第一作、SFではないものも楽しめた。こういう戦争ものは結構好きというのもある。特に好きだった話は、「人間ミサイル」「死園」「あわれな通訳」「略奪品」「誘惑嬢」あたり。「人間ミサイル」は涙が出そうになったし、「あわれな通訳」は声を出して笑った。そういう作品が一冊にぎゅっと詰まってるのが、すごいなあ...SF寄りの作品の好き率は高いから、2巻目もとても楽しみ(先にクンデラを読もうと思いますが)
ヴォネガットのいいところは戦争ものだとしても、戦争賛美はないという安心があること。「人間ミサイル」もその安心があるから楽しめたような気がする。
「あわれな通訳」で笑ったところ
「わたしが知っていた唯一のドイツ語は、英語にするとこんな意味になるー私はなぜ自分がこんなに悲しいのかわからない。古い伝説がわたしの頭から離れない。空気は冷たく、空はたそがれて、ライン川が静かに流れている。山の頂が夕日の光を受けてきらめいている」「むこうがしゃべるのは低地ドイツ語で、自分がしゃべるのは高地ドイツ語であります」 -
ヴォネガット全短編1 http://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000013980/ … 読んだ。1は戦地物だったのよ奥さん!そりゃヴォネガットと戦争は切り離せないと解ってるけど1冊まるまる戦争テーマはつらい、知ってたら2冊目から読んだのに涙(戦争ものが嫌い)でもやっぱり全体をひたひた包むリリカルさがあって心に沁みる(おわり