- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152098832
感想・レビュー・書評
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以前から気になっていたがテレビ番組「王様のブランチ」で村田沙耶香さんが絶賛しているのを見て購入。現代ネット社会の問題点を炙り出したグラフィックノベル(漫画と小説が融合したような構成)。一人の女性が失踪した後で、女性の衝撃映像を映したテープが新聞社に送られてくる、その後映像はネットに流れ、失踪女性の関係者の間で噂・憶測・陰謀論が交錯する。ネット社会の闇(掲示板・メールのメッセージ)がリアルに表現されていて、読んでいくうちにゾクゾクしてくる。登場人物が無表情なのもよりリアル感を増長してよい。
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グラフィックノベルとして初めてブッカー賞にノミネートされた作品。
この見た目からは全く想像つかない後味で読み終えてブルっとした。表紙に描かれたサブリナが何者かに殺されてしまったことで起こる周囲の変化を描いたミステリーサスペンス。事件の謎解きはほとんどないのでミステリー要素は限りなく少ない。むしろ事件後に待っている地獄、ある種の人災にフォーカスしているので心が結構エグられる。噂で人が疲弊していくのを描く場合、今の時代なら当然ネット(とくにSNS)による悪影響を描くと思うけど、ラジオ/TVを筆頭にそれだけに限らない。つまりツールに限らず人間には他人に対して暴力性を発揮する習性があるのだと言わんばかりだった。被害者の人権をガンガンに踏みにじっていくのは万国共通なんだなと思った。あとはトランプ以降によく言われるようになったpost-truthが克明に刻まれている。客観的事実よりも主観的事実を優先してしまい、それを一人でやっていればまだいいんだけど伝播していくのがタチ悪い。誰かの主観的事実で気持ちよくなっているときに地獄のような辛い気持ちになっていることに気をつけたい。
ルックの観点で言えば海外の漫画なので左綴じ左開きで日本のように抑揚のあるコマ割りではなく大小あれど正方形のコマが淡々と続いていく。顔の表情もほとんどないので人物含めて風景が展開する中でメインは会話劇で物語が作られていて、ときたまメールとかネットの文言がこまにそのままドンと載っていたり、暗闇では吹き出しまで暗くなったり。従来の漫画を超えるギミックが用意されていてオモシロい。この漫画が独特なのはセリフのないコマに尽きると思う。部屋にいるときの孤独感であったり、登場人物それぞれの不穏さが滲み出ている。とくに僕が怖かったのはコナー。すべてが繋がっていることを予感させる終盤の振る舞いがもう…しかもそれについて明確なオチを用意していないのだから余計に読み終わったあと考えてしまう。ところでサブリナは今どこにいる? -
小説風の漫画。コマ割りが日本の漫画と違うので、慣れないうちは読みにくい。また、キャラの書き分けができていないというのか、わざとそうしているのか、表情に乏しく、日本の漫画のように、画を見ればわかるという感じではない。
ストーリーも、サブリナが殺された謎が明らかになるというような話ではなく、世間の冷たさというか、ネットの怖さみたいな話で、読み終えた後も消化不良感が残る。
絶賛するメディアもあるが、そうかなぁというのが、正直な感じ。 -
映画を見終わった時のような感想。思い詰めて、どこか別のチャンネルに接続しまうような危うさ。
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絵やコマが読みとれず、けっきょく人のレビューを見てそういうことか、と納得した感じ。情けなや。キャラが非常に見分けにくいのはわざとなのかな。たぶんそうなんだろうな。
不穏な空気や閉塞感はたしかに伝わってきたけど。 -
衝撃の傑作、とのことで読んでみたけど、さっぱり分からなかった!(T . T)
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淡々とした描写
それが怖い -
ずっと気になってて、思いきって図書館で借りてみた。
コミックなんだけど、次に何が起こるのだろうとドキドキしながら読んだ。
心理的にくるかも。誰も信じられなくなるかも。
今の時代を表してるのかな。
コミックだけど深く難しい内容でした。