少年少女飛行倶楽部

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (323ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163281605

感想・レビュー・書評

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  • 加納作品にしては珍しいタイプの作品だなあと思いました。爽やかな中学生の青春を描いた作品。
    なりゆきで突拍子もない部活に入る羽目になったものの、そんな状況下でも頑張るくーちゃんがとてもしっかりしていて健気だった。中学入ったばかりの子ってこんなにしっかりしてないような気もするけど。苦労性だとこうなるのか…。だけど、あのまっすぐさ、好きだなあ…時々お節介が過ぎるのが玉に瑕だけど。
    どのキャラもキャラが濃いです。名前も濃いです(笑)DQNていうかDQNだよなあ…(笑)
    そして、夏休みのシーンなんかはいっそ陳腐といっていいくらいだったけれど、その発想の陳腐さが逆に中学生らしいような気もした。
    最後のカミサマのあの発言は本当青春だなあって感じがしたなあ…あれは彼の唯一のデレな気が(笑)
    そうして、苦労の日々が続いていくのであろうくーちゃんに幸あれ…^^;

  • 楽しく明るい中学生ストーリー。いやいや、中学生は中学生としてちゃんと悩んでいるのです。

    頭がくらくらするような登場人物の名前は、なるほどそういう意図があったのですね。でも、最近はそういう名前、割と普通ですよね。さすがにるなるなはないでしょうが。

    無自覚の恋心がとても可愛い。先輩は、ラストのセリフで全部もっていきましたね!「その方がいい」んだね!

  • 女同士の友情あるあるみたいな、ライトなだけでない部分もあるのですが、全体的にはからっとしていて面白かったです。先輩はラストの一言だけで良いところを全部持っていった気がする。

  • 2012/6/4

    913.6||カノ (3階日本の小説類)

    中学1年生の海月(みづき)は幼なじみの樹絵里(じゅえり)に誘われて入部したのは「飛行クラブ」。
    メンバーは2年生の変人部長・神(じん)ことカミサマ、野球部兼部の海星、不登校で高所平気症のるなるな、運動神経はないけど気は優しい球児、驚くほどいじわるな戸倉良子。
    果たして彼らは空に舞い上がれるか!? 
    私たちは空が飛べる。きっと飛べる。かならず飛べる。空飛ぶ青春小説。

  • るなるな、じゅえり、神、など、目がチカチカしそうな名前に挫折しそうになったけど、読み進めるうちに、これは必要不可欠なネーミングだったのだと、深く反省。。。
    「名付け」は親の支配の象徴だったんですね~!

    海月がお気楽な天然キャラだと思っていた樹絵里が語る『二人組』の怖さや、強烈な悪口陰口を仲良くなるための『花束』として差し出すイライザなど、はるか昔の中学時代をくっきりと思い出してしまうほどのリアリティでした。

    親だけじゃなく、いろんな支配やしがらみから、力がまだ足りないことを思い知らされながらも不器用に飛び立とうとする少年少女たちがけなげで、全力で応援したくなります。

    ラストはちょっと「魔女の宅急便」ぽいし、文体も「これが加納さん?!」と思うくらいの変貌ぶりですが、この作品あたりから、加納さんは「リリカルで繊細な作風の加納朋子」からの脱却を図っているのかも。。。

  • 久しぶりに加納さん読みました。なんか。。図書館戦争っぽいな~って印象。。。失礼かもしれませんが。。
    最初に、心得を書いてあるとことか。。読ますとことか。。なんだかな。。障害を持ってるキャラクターも出てくるし。。
    最初、いがみ合ってた主人公と神さまが仲良くなるとことか。。
    う~ん。。。面白かったのですが。。。図書館戦争を読んでなかったらもっと面白かったかも。(笑)またまた失礼ですが。。。

    あ、加納さん好きです。ただこの話はちょっと残念。

  • 自分のために生きるってなにげに難しい。
    ほめられると強制されてる気分になる。

  • 大好きな作家さんの一人です。

    今回のお話は『海月』『神』『樹絵里』『海星』『球児』。名前も性格も癖のある中学1・2年生が『空を飛ぶ』ことを目標とした『飛行倶楽部』で活動する青春小説。

    読んでいると中学生のひたむきな感じにむず痒さを感じます。

  • 海月が成り行きで入ってしまった飛行クラブ。本当に空を飛ぶことができるのか。

    海月(みづき)に樹絵里(じゅえり)、朋(るなるな)……なんて変わった名前揃いの登場人物たちはみんな個性的

    とてもおもしろかったです。
    加納朋子さんの本はやっぱり好きだー!

  • 読み始めは、ライトノベル的な会話が恥ずかしかったり、「海月(みづき)」に「樹絵里(じゅえり)」なんて名前からしてついていけないわと思ったり、部長や幼馴染たちの限度を超えた物言いが許せなかったりしましたが、これがYAってやつだよ!我慢だ!と思って読み進めたら結構おもしろかった。ついていけないと思った名前のくだりが伏線だったとは。

    大人が楽をしたくて放置しているくせに、「これだからゆとりは」なんて文句を言う、という海月の愚痴が響くなんて、まだ私は先生よりも学生よりだと思っていたけど、子ども目線を忘れてきているのか。子どもたちが今の世の中や大人を意外としっかり見ているってこと、知っていたはずなのに。

    嫌味でも皮肉でもなくどう見ても短所じゃないですか、そんな個性を抱えた部員達と逃げずに向き合って関わりあっていくうちに、不思議とうまく噛み合ってきて部活がどんどん楽しくなっていき、「人間関係って、本当に大切なんだなあ」としみじみ実感する海月。それって本当にその通り。社会に出てから役立つことって学校でも随分学べるし、学ぶ機会が溢れていたんだな、と今更ながら思ったり。海月のように人の良いところに気づいてあげられるって、人間関係の負のループにはまっているときにはなかなか難しいことなのよ…(本当に理不尽な事だってあるからね)。海月は偉い。

    娘の性格を十分理解していて、否定はしないけど親ばかってわけじゃない。全部受け止めて支えになるけど、押しつけるわけじゃない。そんな海月のお母さんがよかった。『男の人の<探した>は、全然アテになんないのよねえ』って、お母さん、その通りだよ~。

    「大人が動けば、そりゃ物事は動く。だけどな、その大人を動かしたのはおまえらだよ」という星川さんの言葉もあったかい。

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著者プロフィール

1966年福岡県生まれ。’92年『ななつのこ』で第3回鮎川哲也賞を受賞して作家デビュー。’95年に『ガラスの麒麟』で第48回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)、2008年『レインレイン・ボウ』で第1回京都水無月大賞を受賞。著書に『掌の中の小鳥』『ささら さや』『モノレールねこ』『ぐるぐる猿と歌う鳥』『少年少女飛行倶楽部』『七人の敵がいる』『トオリヌケ キンシ』『カーテンコール!』『いつかの岸辺に跳ねていく』『二百十番館にようこそ』などがある。

「2021年 『ガラスの麒麟 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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