- Amazon.co.jp ・本 (357ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163750804
作品紹介・あらすじ
世界中から優れた中高生の自由研究が集まり、競うコンテストISEF。出場するのはどんな子どもたちなのか?
13人の理系高校生の感動のノンフィクション
感想・レビュー・書評
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私はガチガチの文系で、初めは全く知識がないのにと、読むのを躊躇っていた。しかし読み始めてみると所々、専門用語は出てくるものの分かりやすく説明されており読みやすい。そしてそれ以上に自分の好きなもの、やりたいものに一生懸命に取り組む人たちの姿が描かれていて私の胸をうった。
一言では表せないほどの感動が読んでいる内にでてきてとても勉強になった。人としてのあり方について児童、生徒に読んで欲しいなと感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
こんなこと言ったら笑われるかもしれないけど、ISEF私も出たかったな~
え、めっちゃ文系やん!てゆうか、どうした、30過ぎて!折り返して!
と、ツッコミいれつつも思ってしまったのだった。
私はこの本に出てくる子供たちのように何か打ち込めたものがあるだろうか。
悲しいかな即答できる。ないな。
一つ子育ての教訓みたいなものをもらったとするならば、やっぱり子供は
環境が大事。そして、やらされないことが大事。やりたいことを見つける。
自分だってできなかったんだもん、ほんと難しいことだってわかってる。
でも、子供がこの本を読んでほしいと言ってくるので、高校生たちの研究をちょっとかいつまんで話してあげる。子供の目が輝く。こういう科学の芽をすこしづつ育ててあげることぐらいが母のできることなのだな~
ちっさいな、そういうちっさいことを積み上げて子育てってしていくのね、きっと。 -
ちょっと読み始めたらあまりにも面白く一気読み。アメリカのサイエンスフェアISEFは科学の甲子園と考えてもらえば良いか、インテルがスポンサーになって賞金も出る。2009年の出場者6名と過去の出場者5人の物語そしてISEFが開催される。
14歳のテイラーは核融合炉を作った。
ナヴァホの少年ギャレットは喘息の妹のためトレーラーハウスを温めようとゴミ捨て場から車のラジエーターと空き缶で太陽熱の温水装置を作る。
ハンセン病にかかった少女BBは感染力も低く薬で治る病気と聞き、自ら告白し治療により自分の体内の菌の様子を元に参加する。偏見が残る社会で凄い勇気だ。最後の方では近況が紹介され彼ができたらしい。いいね!
デュポンの城下町パーカスバーグの少女ケリードラ(カミツキガメと言う意味らしい)はテフロン原料のPFOAの水質汚染を家族も反対する中独自で調べる。方法は何と煮詰めて振るだけ、そして後に自力で特許を取った。
自閉症のいとこロリーナと心を通じ合わせるためケイラはピアノとアルファベットを組み合わせる方法で言葉を教えた。CNNのヒーローオブジイヤーに選ばれ式場のビデオが流れる。登場したのはロリーナそして一言「ケイラ、大好きだよ」。
そしてISEFのスター、フィリップ・ストライクは自宅学習ののち14歳で大学教授の助手となりカーボンナノチューブの溶解を確認するための装置ストライコメーターを発明し特許を元に会社を起こした。3年間の獲得賞金総額は25万ドル、そして会社の売り上げは5年間で1200万ドルが見込まれている。
アメリカの科学教育は奥が深い。普通の高校にHPLCとフーリエ変換装置が有ると思えば、ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団が設立した大学の科目を早期に履修する学校も有る。
日本からも毎回参加しており2011年には千葉の田中里桜さんが米国地質研究所賞の第一位に選ばれている。 -
アメリカの科学オリンピックドキュメント。
自由研究を100倍高度にしたような(笑)。レーザー装置で核融合炉を組み立てたり、カーボンナノチューブを溶かし&溶けていることを観測する装置を作って特許を取ったり。
自閉症のいとこがアルファベットを覚えられなかったけれど、音楽はとても正確に覚え(しかも好き)たところから、鍵盤にアルファベットを貼って文字の世界への道を拓いた研究があった。自閉症児は確か、人が同じ単語を話しても声の感じが毎回少しづつ異なるため、同じ言葉と認識しづらいと読んだが、観察で辿りつくとは。
個人的にはホース・セラピーの研究をした子の物語が好き。
研究の独創性とそこに至る閃きが読めると思っていたのですが、どちらかというと子供たちの足取りを辿っている印象。
最後に日本から出場した女の子の特別寄稿があって、とても身近にかんじました。 -
科学ってかっこいい
アメリカで行われているサイエンスフェア。
それは高校生を対象にした科学オリンピックであり、
自閉症患者への教育プログラムから原子炉の製作まで様々な科学研究が出展されている。
物質的環境に差はあれど、彼らに共通するものは周囲の寛容な態度だったように思う。
「何だろう?」と疑問に思う事は、常識が刷り込まれていない間は誰でも持っていると思う。
ただ、それを発展させられるかどうかは、本人の気持ちはもちろんだが、それを続けられる環境も重要だ。
特に原子力に興味を持った子供なんて、非常に恐ろしい存在だと思う。
仮にも自宅の庭で原子力を扱う代物を作った日には・・・(特段今日の日本におかなくても)。
彼の両親も何度もやきもきしながらも、結局は彼のやりたい事をさせてくれた。
おそらくそこには本書に書かれなかった家族会議等もあっただろうが、息子を信じる、という決断を下した。
また、ホースセラピーや自閉症患者用教育プログラムを研究していた子らは、自身の研究結果が広く社会の役に立つ事を知った。
これは賞金や奨学金よりも強く彼女らの充足感を満たしてくれたのではないかと思う。
当初は社会貢献と考えていなくとも、良くも悪くも科学は役に立つ、という事を実感する事が出来たのだと思う。
訳者あとがきでも触れているが、日本でも2つの科学賞の上位入賞者らがこのサイエンスフェアへ出展しているらしい。
アメリカの高校であまりにも当たり前にサイエンスフェアが認知されているように書かれているが、日本ではまだまだ道のりは遠いように思う。(一番認知度が高いのでも数学オリンピックやロボコン大会ではないだろうか)
賞金の有無も注目度に影響するだろうが、科研費の幾分かを割いてでも、世間に注目される程日本の科学賞が一般的なものになってほしい。 -
アメリカのサイエンスフェアの参加者についてのノンフィクション。本当に素晴らしい本。子供がいる親、教育関係に携わる人、科学を愛する人、何かを創造する人には絶対にお薦め。母語でこういう本を読むことが出来るというのは何と有難い事か。数学の勉強が苦手で自然科学を専攻する方にはいかなかったけど、科学自体や科学者・エンジニアに対する憧れは何処か持ち続けている自分にはクリティカルヒット。科学ってのはARTなんだ。
フィチャーされている参加者のキャラ(実在の少年少女達)も立ってるし、努力、偏見、挫折、許容、理解、創造、友情、勝利、承認、成長といった感動させる要素も沢山あるし。
本当変なとこも嫌なことも一杯あるアメリカだけど、ありとあらゆる個性を大事にする、多様性を大事にする人たちがいてチャレンジする場が開かている、機会がありお金を出す人がいて理解者がいるということに関しては見習わなくてはならないと思う。
変わってる、違っているという事は素晴らしい事かな! -
アメリカ最大のサイエンスフェアと、それに参加した高校生達のエピソードが情感豊かな物語形式でオムニバスに描かれる。
最後にサイエンスフェアを中継するような書き方で、前記の各エピソードの主人公達の「結果」と「その後」を載せている。
良質なノンフィクションのドキュメンタリー番組を見ているような読み安さと、ハラハラさせる文章から、サイエンスフェアに向かう高校生達の悩みや、経験、考え、努力が伝わってくる。
この本を読んで、面白い研究や素晴らしい学問をした人の、幼少期に興味を持った。
どの生徒も自立心、「何が知りたいから、何がしたい」という事を学生の時代からはっきり持っている様に思えた。 -
2015.7.142015.7.28
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インテル国際科学フェア出場者のうち個性的な6人を紹介したノンフィクション。エリートばかりかと思いきや刑務所の学生やネイティブアメリカンの学生など想像を裏切られた。それぞれのエピソードにも引き込まれる。科学書というより科学フェアを舞台にした少年少女たちのドキュメンタリー。翻訳書なので若干読みにくさはあるが、おすすめです
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高校生による科学のオリンピック。
多くの高校生が特許を取得。高度な研究の数々に唸らされる。
感嘆と尊敬の気持ちでいっぱいになります。
若者による科学の熱い世界をもっと広く世に知って欲しいと思いました。
特に思い入れのあるのは、
*「ゴミ捨て場の天才」
*「デュポン社に挑戦した少女」
*「手袋ボーイ」
*「ロリーナの声に耳を傾けて」
喘息の妹のため廃品から暖房器具を作った少年。町の水の浄化に挑戦した少女。耳の聞こえない人の声に耳を傾け発明品を考案した少年。自閉症の従妹のために画期的な教育プログラムを編み出した少女。
感動で泣いてしまう作品もありました。
『成功するために子供たちに必要なのは、やりたいことをやる、それだけなのだ』