望郷

著者 :
  • 文藝春秋
3.39
  • (63)
  • (336)
  • (468)
  • (76)
  • (7)
本棚登録 : 2806
感想 : 315
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163819006

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 一つの島を舞台とした6つの短編集。

    「みかんの花」
    故郷を離れた人。
    互いを守り合うための殺人ミステリー。

    「海の星」
    登場人物が繋がったとき、ハッとした。

    「夢の国」
    名家に縛られた娘の話。
    与えすぎは良くないが、極度に与えないことは、今後その子の人生に大きな影響与えてしまう。

    「雲の糸」
    主人公が思っていることをはっきり言えない姿がもどかしい。が、自分がもし彼と同じ立場だったらきっと同じ言動をするだろう。

    「石の十字架」
    田舎の住民の結びつきは強い、だがデマや噂話が作られるのも、すぐに広がるのも早い。

    「光の航路」
    主人公が幼い頃に亡くした父がどんな教師だったのかを知ることができてよかった。きっと彼のこれからの教師生活を大きく支えてくれる。
    子どもたちにとって、いじめの犯罪意識は薄い。そもそも、戯れあいといじめの線引きが難しいのだと思う。しかし、この意識改革こそが義務教育で一番教えるべきことだと思った。


    はじめは面白いかもと思い読み進めていたが、だんだん結末が予想できたのが残念だった。思った以上にすぐに人が死んでいく。お気に入りは光の航路。

    個人的に、湊かなえさんは短編作品よりも長編作品の方が好きだなと思った。

  • 閉鎖的だな、、
    それぞれ主人公は、「故郷が嫌い」と言うよりも
    周りの環境によって、どうしても「故郷を嫌いにならざるをえなかった」と言う感じがする。
    やるせない、、

  • 海の星、うーん。

  • 湊かなえ独特のイヤミスではなく、感動的な構成だった。6つの題材の中で「光の航路」の短編が特に印象的だった

  • 島でいきる人々が6編の短編で描かれています。島でなくても、人生や人間関係に潰されそうな時に読むと主人公達の堪え忍ぶ生き方に力をもらえます。最後の光の航路は、現在虐めにあっている方にぜひ読んで欲しい傑作でした。

  • 多分、再読。
    母をかばってのことだったのか!
    結末読むまですっかり内容忘れていた。
    子どもの頃は妹思いのやさしい姉が、小説家になって性格もあんな変貌を遂げるものなのかが、(いくら母の罪をかぶって逃げるように東京に行ったとしても)そこが?だった。

  • 瀬戸内海の小さな島に住む人々を描いた短編集。
    温暖な気候の土地柄である反面、田舎町特有の閉塞的な世界ならではの悩みは、どれもが暗く鬱々としている。いつもながら、どうしてカラリとした性格の人が主人公にならないのだろうと思ってしまう。が、閉ざされたまま終わるのではなく、悩みの先には突破口が用意されて、小さな明かりもあるのが救いだった。

    読後すぐにレビューを書かずにいたら、読んだことすら忘れていた。他の人のを読んで、思い出した次第。

  • 明るい気分にならないから避けたいのになかなか避けれず思わず読んでしまう湊さんの作品。

    この作品は短編集で、故郷に対する思いを題材にしている。複雑な気持ちの描写に同感するところもあったり。それにしても、もやっとした故郷に対する思いをこんな風に作品にしてしまう湊さんはどんな思いを故郷に対して持っているのか興味がある。

  • 201348.献本。今更・・・。短編なので淡々としていて、すぐに読み終わってしまうんだけど、なんだか心がほんわり温かくなる、そんな本でした。大好きなかなえさんの作品。読書メーターから贈られたのと、本の内容とで気持ちが温かくなる一冊となりました。

  • 島も田舎もそれこそ本でしか知らない。イジメの理由とともに重さがこの身に実感されることはない。
    心揺さぶるアーティストに地方出身者が多いとしたら、この複雑な関係が心の襞を深く作るからなのかもしれないと思った。

全315件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

1973年広島県生まれ。2007年『聖職者』で「小説推理新人賞」を受賞。翌年、同作を収録した『告白』でデビューする。2012年『望郷、海の星』(『望郷』に収録)で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞する。主な著書は、『ユートピア』『贖罪』『Nのために』『母性』『落日』『カケラ』等。23年、デビュー15周年書き下ろし作『人間標本』を発表する。

湊かなえの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×