烏は主を選ばない 八咫烏シリーズ 2

著者 :
  • 文藝春秋
3.84
  • (76)
  • (197)
  • (103)
  • (16)
  • (2)
本棚登録 : 917
感想 : 163
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163822808

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 前作を読んでシリーズになるといいなぁ、なんて思っていて、そのまま気にしていなかったら、知らぬ間にシリーズ化してておいて行かれてた(T_T)
    前作と同時進行する物語だったので、もう一度前作を読み返したくなった。だいぶ内容忘れてたから。
    宮廷のドロドロ陰謀を巧みに描いていて、しっかりのめりこんだ。
    朝廷の権力争いに策謀陰謀張り巡らされ、だれが金烏を継ぐのか、よくあるテーマなんだけど、八咫烏の世界観がおもしろくて単なる時代劇には収まらないところが楽しい(^^)
    さてさて、次も読むのが楽しみ。

  • 地方豪族の次男坊が、若宮の近習にとりたてられ、前巻で描かれた宮中の花嫁選びを別角度で見るお話…らしい。前巻のお姫さまたちは登場はするが、台詞はない。

    この若宮、モデルは織田信長かな。
    お家騒動で命を狙われる皇太子と、請われて側仕えをして、宮廷の陰謀劇に巻き込まれていく少年。

    前のもスロースターターで、物語のエンジンがかかってくるのに時間がかかった。児戯めいた主従のやりとりが気になるが、まあ面白い。そして、意外な黒幕と、意外な助っ人が明らかに。

    児童文学のようなファンタジーでありながら、これはやはり、大人向けの読み物だと思う。味方なのか、敵なのか、人の心持ちは善と悪では割り切れない。

    けっきょく主人公のとった別離の最後は、アンハッピーなのだが、あまり不快な幕切れではなかった。

    レヴューで酷評もあるが、この若さにしてはかなり力量のある作家だと思う。次巻にも期待。

  • 最後の最後が……もやっとしました。

    雪哉が金鳥がどんなものかを知らなかったのと同じく、読者にも教えてくれず。続きを読んだらわかるんでしょうかね?

    次作の評価の方が良いので、そちらに期待。
    シリーズ物なので最後のもやっとは甘めにみて星3つ

  • ★★★☆☆
    単なるラノベSF時代劇
    【内容】
    八咫烏が支配する世界山内では次の統治者金烏となる日嗣の御子の座をめぐり、東西南北の四家の大貴族と后候補の姫たちをも巻き込んだ権力争いが繰り広げられていた。

    【感想】
    「烏に単は似合わない」の若宮側を描いた作品。
    「烏に単・・・」は文体的に重厚なのに描写が柔らかくてオチも最高だったが、
    こちら「烏は主・・・」は非常に浅い。どこかで見たような感じです。

    「烏に単・・・」と合体させて、長束側を増幅させることで連ドラとして群像劇で行きましょう。
    若宮と長束のどちらが王になるのか、4人の姫の誰が后となるのかドロドロして楽しそうです。

     若宮  :関ジャニ錦戸くん
     長束  :山ぴー
     雪哉  :神木隆之介

     あせび :新垣結衣
     浜木綿 :安藤サクラ
     真赭の薄:北川景子
     白珠  :二階堂ふみ

    登場人物関連図が、「烏に単」と「烏は主」で左右が逆なので文庫にするなら直したほうがいいです。

  • 前作では少ししか登場しなかった若君。容赦無いイメージは変わらないけど、ちゃんと心があって好感が持てた。

    朝廷の権力争いと言えばあっちもこっちも疑わしく思えるもので、色々と予想していたのに、全てが明らかになる場面ではやっぱり驚く部分がある。
    結末も、希望的な読みが外れてよかった。

  • 『烏に単は似合わない』のシリーズ2作目。
    前作と同じ時系列で今度は若宮の物語。
    今回もまたラストに驚きました!そんな展開だったとは・・・
    八咫烏が支配する世界が舞台。
    東西南北の四家の大貴族とその姫君たちを巻き込み、宗家の跡目をめぐる権力争いが起こっていた。
    賢い兄宮と差し置いて世継ぎとなったうつけの若宮。
    強引に朝廷に連れてこられ、若宮に仕えることとなったぼんくら少年の雪哉は、陰謀・暗殺が渦巻く朝廷で生きのびられるのか?

    前作では若宮は酷い人だと思ったけど、今作でそれも納得できたかな。
    前作では全然登場しなかった若宮がそのときどういうことに巻き込まれてたかわかって面白かった。
    雪哉と若宮のコンビがとても良い!
    もっと見ていたかったです(^^♪
    またラストにタイトルの意味が分かって、ちょっと残念。

  • 作者デビュー作の「人が八咫烏に変身できる世界」=山内と舞台と時をほぼ同じくした二作目。華麗ながらも陰謀渦巻く朝廷に、なんだかんだあって放り込まれた「ぼんくら」な少年。彼が、朝廷をざわめかせている張本人である皇太子=若宮の付き人として過ごすうちに、その陰謀のさなかに否応なく巻き込まれていく…という物語。
    烏に変異したりなどという特異な世界に慣れてしまえば、現代的な口調のやりとりが中心なので、さくさくと読めるお話です。ちらちらと前作とクロスしている部分もあるので、前作を読んでいたらなお楽しめるかも。
    意外な展開ありアクションあり血みどろあり友情ありと、ライトノベルチックではありますが、かなり盛りだくさんなので読んでいて飽きません。多少重厚さというか、品位(下品だというのではなく)があまり感じられない部分はあるにせよ、世界観がしっかり構築されているなあとは思いました。
    主人公のぼんくら少年と若宮のやりとりは好きだっただけに、最後のあっけなさはちょっと寂しくも思いました。それぞれの道をそれぞれ尊重しあった結果、なのでしょうね。

  • 前作は烏の皇太子のお妃選びで女の世界の話だったけれど、ほぼ同時進行の皇太子側の男の世界(権力闘争)視点であって、両方の側から同じ事象を見るという趣向でした。私はこちらの方が面白かったな。若宮と雪哉の主従関係が型破りで好ましかったのだけれど、最後は残念と言うか勿体無い。去ってしまう理由がまだまだ子供っぽい気がします。雪哉カムバーック!

  • デビュー作に続く、「八た烏」の世界での、ミステリー。
    デビュー作が華やかなお姫様たちの静かな戦いだとすれば、こちらは王子様側の、バトル有、権謀術数をつくした戦い。
    それを、ひょんなことから、若宮付きの近習として働くことになった少年の視点から、描いている。

    内容を詳しくかくと・・・・・・・・・・もうネタバレになっちゃうのですが。

    ネタバレ。

    「タイトルがすべて!」

    どんどんひきこまれていって、読み終わって、はたとタイトルを確認すると、「ああああそうだったのか!」ってわかる。
    そのわかった瞬間が、快感、で、爽快なミステリです。

    でも、この世界に起ったできごとでまだ謎のまま残されていることも多くて、・・・・・次もこの世界でのミステリを期待しています。
    おもしろかった。

  • ラノベに近い、ファンタジーか!と思わせておいて実はちょっとクロいミステリーという前作の印象そのまま。
    先の「烏に単は似合わない」と対をなしてましたので、あちらももう一度、目を通してみたくなりますね。
    陰謀渦巻く雅やかな宮中の若宮とその近習の話。
    欲を言えば、表紙がイマイチ・・・前作のような華やかさがもっと欲しかったなぁ。

全163件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

1991年群馬県生まれ。2012年早稲田大学文化構想学部在学中、史上最年少の20歳で松本清張賞受賞。デビュー作から続く「八咫烏シリーズ」は、松崎夏未氏による漫画化、中台翻訳など進行中。19年『発現』(NHK出版)刊行。

「2023年 『烏は主を選ばない(4)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

阿部智里の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×