- Amazon.co.jp ・本 (468ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163825809
感想・レビュー・書評
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多田と行天のお話しで、これが3作目。
行天のように生きれたら、どんな感じなんだろう。
いつもそう思ってしまう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
三浦しをんさんは真面目な人で物語を愛して、責任をもって書く人なんだと改めて思った。
便利軒、番外地で広げた伏線をきちんとこの作品で回収。
時代や風潮によって代わる正しさのなかで、本能的に選び取る結果が、誰にとって良いこととなるのか。
俯瞰した神の目で、長い時間をかけないとわからないものだけれども、そうしたところで起こってしまったことをなくすことは出来ない。
当たり前のことだけど、多くの人が取り返せると考えたり、思い出として記憶の棚に整理して置いてしまって忘れてしまったり、そして多くのことは雑多なこととして覚えられることもない。もっとも忘れられないことは最も重い罰の一つだが。
やり直せないこともある、取り戻せないこともある。それでも前に進まなければいけないのであれば、笑顔が多い方が良い。 -
久しぶりの多田&行天、おもしろかったー!
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三浦しをんさんの作品は毎回楽しく読まさせて頂いています。
今回も期待をして読み始めましたが、最初はどうなるんだろうと想いましたが、終わってみれば、やっぱり最高でした。
ただ、今回で終了?そんな感じがしました。
続編をお待ちしております。 -
ただでさえこのシリーズ結構好きなのだが、これは中でもよかった。穏やかな日常寄りだったのがささやかに事件が起きて引き込まれたが変わらんとこは変わらず、という感じで。あと連作だったのがそこそこ長い長編にもなっておるのだがストーリーはつながりつつも独立しつつも、と心地よいバランスで三浦しをんは取材ありきものではなくこういう完全オリジナルに専念すればいいのになあと思う。
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三浦しをんさん、まほろ駅前シリーズ第三弾。
便利屋の多田と高校の同級生で居候の行天。今回ははるという少女を預かったり、HHFAという無農薬野菜を売りにしている団体とのトラブルに巻き込まれたりする。
星曰く、『放っておいても、便利屋は厄介事に巻き込まれる』と言っているように、今回もまた大変なことに・・・・。
二人は過去に経験したことで心を痛めているが、今回の話では前に進むことができたようだ。曽根田のばあちゃん曰く、『行きたい場所にたどり着けた』らしい。
生きていくこととは生と死にまつわる記憶を次代へと託していくこと。自分の中に暗闇を抱えた二人、特に行天は人とは関わらないように生きてきたのに、便利屋稼業をしていたら、一人ではなくなっていた・・・そして、厄介事を抱え込み、人々の暮らしの中で生きていこうとする二人、続編ありに期待。 -
風が強く吹いている以来だ、三浦しをんさんの作品でこんなに泣いたのは。
読了後に暖かい気持ちになれる事がとても嬉しい。 -
シリーズ第3弾。今回が一番面白かった。
便利屋稼業、バスの間引き運転の監視から始まり健康食品協会(HHFC)の農薬使用疑惑の見張り、子供の預かり。どことなくやる気のなさそな行天で多田はなんとなく上手く気長に付き合ってるって感じ。行天は時には暴走気味なとこあるけどいい働きをすることも。預かった子供は実は行天の子。最初は逃げ回り認めようとしなかったけどやはり情が移ったか?駅前ロータリーでの暴動の場面では身を呈して子供を守り指を切断したんだけどドキッとした。
多田は柏木さんといい感じになり行天も少しは気を効かしているのかいないのか。多田と行天の関係、ルルとハイシーやヤクザの星、岡とかいろんな人がそれぞれ便利屋を取り巻くなんかそんな人間関係が見られた。行天はどうするのかな?多田はどうなの?ってまだまだ読みたい感じがする。