後妻業

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (413ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163900889

感想・レビュー・書評

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  • 後妻業
    公正証書遺言を書かせ、相手を殺す
    婚姻関係になくても
    遺産は全て遺言の通りになる

    69歳のババァが結婚詐欺を繰り返す。罪悪感の欠片もなく物語は進み、最期はサクッと終わった。

  • 黒川博行氏の著書
    新聞広告で見て気になってたのだが、買いそびれて失念。
    知人が貸してくれた。

    後妻業ってどんなビジネス?って思いながら読み進めると、こんな事件あったなぁと思い出した。
    でもニュースになった時もあまり関心を持たず、こんなことありえるのかなぁと不思議な感じがしたような記憶が。

    独り身のお年寄りは寂しくて、会話が出来るだけでも嬉しいと言う。だからヘルパーの方々のお力が非常に大事だったり、地域の人々のつながりが大事だったりする。

    裕福な独身老人を食い物にする結婚相談所を経営する男と、そこに登録して老人を騙す女。
    どんどんエスカレーションしていく様が、明らかにされていく過程にどんどん惹き込まれていく。

    ハードカバーだけど一気読み。
    自分はこんな風にはならんで~と思いながら、裕福でないから狙われることもないわなと一安心して読了。

  • 面白かった。
    テンポが良くてスラスラ読める。
    登場人物がいずれも曲者。被害者もただの善人ではない。
    腹に一物抱えている。
    後妻業の詐欺師と敵対しながら、同級生の弁護士を手玉に取ったり。姉妹でも確執が見え隠れ。
    詐欺師と元刑事の駆け引きも迫力があった。
    百万単位がやり取りされる。被害者の爺さんのカネが行き交う。死んでも死にきれんやろうなぁ。

  • 胸糞悪くなるだろうなぁと思いながら読んでみたら、やっぱり不快感が半端なかった。こんなのに引っかかる欲ボケ爺にはなりたくないけど、心配。あ、資産無いから狙われないか(笑)。

  • 手練手管を使い、男を騙し遺産を相続する、後妻業。
    あくどい手口が明らかになっていきます。
    過去の犯罪も明らかになっていくと同時に、追い詰められていきます。
    ゆすりゆすられ、だましだまされ、展開が読めないストーリーが読ませます。

  • 読んでそんなに楽しいものではない。
    しかし最後、の弁護士と、依頼人のシーンは良かった。作者の人生観をあらわしてしるようだ。よい仕事でお金を得る・・・という、普通の市民に対する賞賛のような気がした。

  • 後妻業という闇商売に光をあて、その一端を暴き出した(現実の事件より早かった)という点では意義のある作品だと思う。これがルポじゃなく小説だとしても。
    反面エンターテイメントとしては失敗作じゃない??と思ってしまうラスト(生の現実ではこういう幕切れも珍しくないのかもしれないけど)。
    作者が書きたかったのは金の亡者たちの地獄絵図なのか、歪んだ宴の後の徒労と虚無なのか。薄汚~い読後感が残って読み返したい!とは思えなかったので星は2.5くらい。(星の0.5刻み選択ができればいいのに)
    痺れるようなピカレスクと、息の詰まる訴訟の攻防戦と、ドンデン返しの勧善懲悪を求める人にはお勧めしないかな~と。

  • 面白かったけど、読後感は悪い

  • 400ページもある本でしたけれど、読みだしたら止まらなくなります。ワクワクしながら読めました。
    大阪の市の位置関係がちょっとわかりにくかったけれど、それも気にならないほどのめり込んでしまいました。
    前半と後半でバトルの相手が変わるのも面白いです。後妻業を営む小夜子と柏木の視点があるのでカラクリをどう暴くかに焦点が移っていきます。
    でもこんな話が現実にあるんでよすね。
    ラストはまさしく映画のようにエンドを迎えます。
    お勧めです。

  • 黒川さんは、初読み(たぶん)。読みだしてすぐに、恐ろしくなってきて、先が気になり、こんな女(小夜子)生かしておけない!と思いつつ一気に読んでしまいました。結婚相談所の所長、柏木とぐるになり、金づるをつかんだら、公正証書遺言を書かせ、財産をごっそり持って行く。保険をかけないところが肝なんだな、と妙に感心してみたり。最近公正証書遺言のことが身近でも話題になってたので、本人が良いと思って書かれちゃもうおしまいだもんね。効力絶大だからなぁ…やられた遺族はたまらんな!と胸糞が悪かったです。関西弁のテンポもリアルで、引き込まれました。ほかの作品も読もう。にしても、現実にもある問題だから、怖いよなぁ。

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著者プロフィール

黒川博行
1949年、愛媛県生まれ。京都市立芸術大学彫刻科卒業後、会社員、府立高校の美術教師として勤務するが、83年「二度のお別れ」でサントリミステリー大賞佳作を受賞し、翌年、同作でデビュー。86年「キャッツアイころがった」でサントリーミステリー大賞を受賞、96年『カウント・プラン』で推理作家協会賞を、2014年『破門』で直木賞、20年ミステリー文学大賞を受賞した。

「2022年 『連鎖』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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